2008年4月12日土曜日

陸路で行くカンボジア・アンコールワットの旅 その8







 もう一度空から


 アンコール遺跡群ツアーは、2日目の午前中に天空の城、神秘の迷宮ベンメリアを見学して、予定を終了した。午後はフリータイムとなる。さて、どうしよう? せっかくアンコールワットまで来たのだから、ホテルで半日寝ていても仕方がない。

 我ら3人は、オプショナル・ツアーのメニューから、アンコールバルーン(気球に乗って遺跡群を見る)ツアーを選んだ。上空200メートルからの眺めはすばらしいに違いない。料金は、ひとり20ドル(バルーン15ドル+送迎5ドル)である。3人とも気球は初めてで多少不安はあったが、ロープが付いているので乗ることにした。

 ベンメリアで昼食を食べて、一度ホテルに戻った。他のツアー客を降ろして、バルーンの飛行場へ向かう。午後2時に到着したが、我らの他に客はいない。20分後に出発と言われ、待合所で休んだ。待合所と言っても屋根があるだけの建物なので、かなり暑かった。

 やがて大型バスが到着して、団体ツアーの日本人客が大勢降りてきた。一度に全員は乗ることはできない。定員は12名、2班に分かれてバルーンに乗った。我らは、第1班と一緒に乗り込んだ。

 この気球は熱気球ではなく、ヘリウムガスを使っている。出発すると、あっという間に大空へ舞い上がった。高度計を見ると、107メートルで止まっている。あれ、200メートルじゃないの? その日の上空は風が強く、107メートルが限界であったようだ。

 それでも、上空からの景色はすばらしい。遠く東方には、環濠に囲まれたアンコールワットが毅然とそびえ建っている。その景観をカメラに収めた。

 昨日登ったプノン・バケン山も下方に見える。アンコールワットとの位置関係も良く判った。シェムリアップ空港の滑走路もはっきりと見えた。これぞ360度のパノラマ、絶景である。わずか10分ほどの空の旅であったが、いい想い出になった。

 下降して1時間ほど経ってから、ツアーの車が迎えに来た。ホテルに戻って解散したが、友人が買い物をしたいというので、オート三輪でオールドマーケットへ出かけた。土産物屋の女性は日本語が上手だった。友人は時間をかけて交渉して、Tシャツとマフラーを買った。14ドルでTシャツ5枚とスカーフ2枚ほど買い物をしたようだ。なかなか値切り上手である。

 夜は2日間のお礼の意味をこめて、ガイドのティーさんと運転手を誘って食事に出かけた。ティーさんが案内してくれた場所は、レストランとナイトクラブが一緒になったような店。そこで、大きなピチャーに入った生ビールで乾杯をした。うなぎの炒めものやエビの唐揚げなどを注文して、楽しいひと時を過ごした。

 お腹もいっぱいになり、ホテルに戻った。ティーさんは帰宅したが、私にはまだやることが残っていた。それは、朝に約束したバロット(ひよこ卵)である。

 コンビニの前の屋台へ行き、早速ひよこ卵を注文した。硬い殻を割ると、寝ボケた顔の雛が首をもたげて丸まっていた。思っていたよりもグロテスクではなかった。それをスプーンですくって、口の中に入れた。舌に硬いものが当たった。吐き出してみると、それは小さな口ばしと羽根の一部だった。味は卵の黄身と同じで、目をつぶって食べれば判らないだろう。これでもう思い残すことはない。

 バイヨン寺院、タ・プローム僧院、アンコールワット、ベンメリア、そして上空からのアンコール遺跡群。楽しく充実した3泊4日の旅であった。

 明日は、一路バンコクへ帰る。バスのエアコンが直っていますように!


 

2 件のコメント:

イシケン さんのコメント...

気球からの景色は素晴らしかったことでしょう。
ひよこ卵はイケマセンけど...。
読んでてノド元にグッときましたョ (^^ゞ

トンチャイ さんのコメント...

次回は、ヘリコプターに乗りたいのですが、ひとり150ドルもかかるので、考えてしまいます。
ひよこ卵は、意外といけますよ。