2008年8月8日金曜日

タイ秘湯ツアー第2弾 おまけ

ツアー最終日、時速120キロで国道1号線を南下し、その勢いで高速道路に突入した。幸い渋滞はなく、バンコク市内をすり抜けパタヤへ通じるモーターウェイに入った。あとはパタヤまで一直線だ。

 片側4車線の広い道路の右から2車線目を軽快に走っていたら、はるか向こうに人が立っているのが見えた。大きく手を振って、左側に寄るように合図している。減速して近づくと、警官が数十メートル間隔で3人立っていた。あっ、しまった! ネズミ捕りか?

 スピード違反かと思ったが、制限時速は120キロだからオーバーではない。じゃ、何で捕まったの? これは、KEEP LEFT(左側を走る)違反だった。

 4車線を走る時、通常は左側2車線を走らなければならない。追い越しをした場合は、速やかに左2車線に戻らなければならない。ところが、右2車線をずっと走っていたので、捕まってしまったわけだ。

 車を止めて窓を開けると、サングラスをかけた真っ黒な顔の警官が現れた。
「お前は外国人か?」
「はい」
 と言って、免許証を渡した。
「日本人か、タイ語が判るか?」
「はい、判ります」
「ここはKEEP LEFTの区間だ。オンヌットの警察署で罰金を払ってもらうぞ」
 そう言って、警官は違反切符の束を一冊出した。

 警官に逆らったり余計なことを言うと、どんどん罰金が上がっていくのがこの国のしきたりだ。警官に逆らって、一晩ブタ箱にぶち込まれた友人を知っている。ここは大人しくしていよう。

 警官は、親指と人差し指で違反切符の束をつまみ切符に記入する素振りを見せながら、その下で残りの3本の指を小刻みに動かした。それを見た時、ピンときた。3本ということは、300バーツの意味だ。そう、賄賂である。

 そうか、今日は7月28日、給料日前で警官の懐も底をついている頃だ。400~500バーツの罰金を払うためにバンコクのオンヌットまで戻ると、ガソリン代もかかるし高速代もかかる。それよりも、約束の時間に間に合わなくなってしまう。ここはタイ・スタイルを貫くか。

「OK」と言って、財布から300バーツ取り出して警官に手渡した。何と物分りのいい日本人でしょう。警官は眉毛ひとつ動かさず札を胸のポケットにしまい、免許証を返してくれた。これにて一件落着。

 警官に捕まって動揺していたのか、途中の休憩所のスタンドでガソリンを入れるのを忘れてしまった。だんだん心細くなり、ついにはガソリン計のEランプが点灯した。やばいぞ、これは。

 モーターウェイのバイパスにはスタンドがない。仕方なく、バイパスを出て小さなスタンドへ行きガソリンを補給した。その際に、車体の下を擦ってしまった。やれやれ、最後の最後でとんだ散財だ。この事故も交通違反がなければ起こらなかっただろう。

 幸い、保険で直すことになったが、慰謝料として2500Bを支払うことになった。結局、罰金と慰謝料でひとり700Bの負担となった。くれぐれもKEEP LEFTには気をつけてください。

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