2008年8月28日木曜日

タイ秘湯ツアー第3弾 その6







遠すぎた湯河原温泉


 新温泉探しの初日は苦労の連続で、厳しいスタートとなった。今さらぼやいても仕方がないが、誰にも知られていない秘湯を探し当てるということはなかなか大変なことだ。2日目の今日は、昨日回れなかった温泉と予定の5ヵ所を探し当てて、チェンライ県のメーカチャンまで行かなければならない。

 朝7時36分、ランプーンのホテルを出発して、国道1号線を南下して県道1274号線に入った。スーンガム郡ボーナムローン村への道を訊いて右折し、12キロほど走った。ガソリンスタンドで給油をしながら、ボーナムローン村への道を訊ねた。すると、責任者らしき男が地図を描いてくれた。一昔前は、タイ人は地図の見方も分からず、まして描く事など不可能と思われていたが、最近は地図を描けるようになったようだ。

 その地図には、ガソリンスタンドから34キロ地点に温泉があると記されている。地図に従って走っていったが、途中で分からなくなった。村人たちに訊いても、みんな違ったことを言い出して、どれが本当か分からない。OH、GIVE ME A TRUTH! 同じ道を行ったり来たりしているうちに、刻々と時間は過ぎてゆく。あぁ、どうしたものか?

 ある集落で道を訊ねていたら、荷台一杯に炭を積んだトラックが通りかかった。一目見て炭の行商だと確信した。行商ならこの辺の地理に詳しいはずだ。トラックを止めて、助手席のおやじさんに温泉の場所を訊ねた。すると、ペラペラと喋り出した。ところが、早口で意味が分からない。

「地図を描いてくれませんか?」
 そうお願いしたが、彼は地図が描けないようだった。その時、運転をしていた娘らしき女性がおやじさんの話すことを地図に表してくれた。
「ありがとう」と手を合わせた。親切な父娘であった。

 地図に従って走る。途中、右折ポイントが間違っていたが何とかクリアした。もうそろそろ目的地の20キロ地点だなと思い、お寺の集会所で作業をしていたおばさんに訊いた。
「温泉はこの先の川から湧いているよ」

 やったぁ、これだ!
 数百メートル走ると、大きな橋に辿り着いた。時刻は11時、3時間半もかかってしまった。これじゃ、今日の予定は消化できそうにないな。

 橋の手前でゴマを干していたおじいさんが、親切にも案内をしてくれた。河原に下りると水牛がたくさん草を食べていた。食事をすれば当然糞も出る。そう、河原は牛の糞だらけだった。

 橋の真下にドカンがあり、熱い温泉湯が湧いていた。その他にもいくつかのドカンがある。そして、ドカンだけではなく至る所から温泉が湧き出ていた。これはスゴイぞ、まるで湯河原温泉だ!

 源泉の温度は76度とかなり熱い。河原をスコップで掘って、水とお湯が混じって丁度いい温度にすれば入浴は可能だ。もしくは、ドカンを設置してそこにお湯と水を流し込めばドカン風呂になる。

 残念ながらスコップは持参しなかったので、入浴はできなかった。が、いい温泉を発見できて満足である。次回は、スコップとテントを持って河原でキャンプでもするか。

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