2008年8月3日日曜日

タイ秘湯ツアー第2弾 その5







ターク県のメーカーサー温泉


 ガンペンペット県クローンラーン郡にはもうひとつの温泉があるとチェンマイ大学の調査表には書いてあったが、地元の人に聞いても誰も判らなかった。これは諦めるしかないか。

 クローンラーンからターク県へ抜ける県道が地図には記されている。ところが、その道は赤土の未舗装道路で、雨期の最中に車高の低い乗用車で走るのは無謀である。かつて、スズキの小型四駆で泥のクレバスにハマッて遭難したことがあるから、雨期の未舗装道路にはかなりナーバスになっている。

 昼食を食べながらAさんと協議した結果、このルートはやめにして国道1号線まで戻りターク市内から国道105号線でミャンマーとの国境の街メーソットへ向かった。国道を走るのはまったく問題がない。遠回りのようだが、危ない山道を走るより早いし安全だ。

 メーソットに着いたのは午後3時、市内に古くからある有名な温泉があるのでホテルを探す前に立ち寄ることにした。国道105号線を北上して30分ほど走るとメーカーサー温泉にたどり着く。ここは地元では有名な温泉公園で歴史もあるようだ。

 公園内には土産物店やレストランが建ち並んでいる。中央には源泉が湧き出ていて、水温は75度もある。源泉のそばにはプールが造られているが、お湯はなく現在は使われていないようだ。その周りにはタイル張り円筒形の浴槽がある個室風呂が建っているが、管理が行き届いていないせいか汚れたままでとても使用できる状態ではなかった。どうしたのだろう?

 タイ人は滝や洞窟は涼しいので好むが、温泉はあまり好きではない。国や県から補助を受けて入浴施設を造っても、お客が来ないとろくな管理もせずに放置してしまう。だから、配水管が詰まったり汚れ放題になってしまうのだろう。残念なことである。

 公園の奥を散策していると、温泉プールが2つあった。大人用と子供用に分かれている。入浴料は1人10バーツと安いが、温度を計ったら36度だった。タイ人向けの温泉で、日本人にはぬる過ぎるかもしれない。プールの脇には宿泊ができる個室風呂も建てられていた。旧施設が老朽化したので新しく造ったのであろう。

 飛行場もある国境の街メーソットから30分ほどの場所にすばらしい温泉が湧いているのに、管理をしないで放ったらかしにしている。われら温泉ファンにしては、誠に残念なことである。

 今年3月に発表になったタイ工業省による温泉の観光地化プロジェクトでは、まず北タイの温泉から始めると書かれていた。北タイも大切だが、このような立派な温泉と入浴施設があって放置されてしまっているところの活性化も同時に行うべきだと思う。

 ターク県のメーソットなんて、日本人にはほとんど知られていない場所だが、すばらしい温泉リゾートがあれば訪れる観光客も増えることだろう。今後のタイ工業省とTAT(タイ政府観光庁)の活躍を期待したい。

 

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