2008年8月7日木曜日

タイ秘湯ツアー第2弾 その9最終章







田んぼの中の赤湯温泉


 2008年7月10日のCHAO(ちょっとディープな北タイ情報誌)に、温泉の記事が掲載された。先を越されてしまったが、もともとのニュースソースは私が発見したチェンマイ大学の温泉分布表である。多分、温泉博士の山内氏は私の本を見て探し当てたのだろう。その温泉は、田んぼの中に湧き出るファイボーンローン温泉という。

 CHAOによると、温泉の場所が判りにくいため地元の青年に案内してもらったそうだ。青年の写真も載っていた。温泉を探すよりもその青年を探したほうが早そうだ。

 最終日は、メーソットからパタヤまで約650キロの距離を走らなければならない。平均時速80キロとして8時間はかかるだろう。しかも、18:30までに車を返す約束だから、10時にはメーソットを出発しなければ間に合わない。時間との戦いだ。

 いつもより1時間早い7時に出発して、1時間で温泉のある村の雑貨屋にたどり着いた。店主に温泉の場所を訊ねると、親切に地図を描いてくれた。その地図に従って、集落の営林署のような所へ行き、温泉の場所を知っているおじいさんにガイドを頼んだ。

 おじいさんを強引に車に乗せて、山間の農道をゆっくりと走り、田んぼが一面に広がった場所で車を降りた。そこからは、徒歩で行かなければならない。温泉セットを持って、草むらを抜け、田んぼのあぜ道を落ちないように慎重に歩いて行く。田んぼを過ぎて山間の沢の中を歩いて行くと、先頭のおじいさんが私の足を指差して何か言った。足を見ると血が流れていた。何だこれは! ブヨに刺されたか? よく見ると、尺取虫のような動きの黒い虫が足にへばりついている。それは吸血動物の蛭(ひる)であった。

 蛭は私だけではなく、みんなの足に食いついていた。あわてて払いのけると、おじいさんは薬草を傷口につけてくれた。さすが山育ちのおじいさん、ありがとう。

 沢を通り抜けると、次の田んぼが広がっていた。田んぼにはまだ稲が植えられていない。温泉はこの田んぼの脇にあるらしい。30分歩いてやっと温泉が湧き出る池に到着した。池からは鉄分を含んだ赤いお湯が流れ出ている。そこで、赤湯温泉と命名した。そう言えば、山形県にも同じ名前があったなぁ。

 時間がないので、早速着替えてサンダルを履いたまま池に入る。澄んでいた温泉水はたちまち赤く染まった。自然に湧き出ている温泉にしては丁度いい温度である。水温を計ると39度だった。私とAさんは入浴したが、FさんとSさんは遠慮して入らなかった。蛭が恐かったのだろうか?

 これでツアーの予定は終了した。結果は6ヵ所の温泉を探し当てたことになる。私としては満足である。皆さん協力ありがとう。

 時間がないので早足で車に戻った。おじいさんを営林署まで送り、お礼を言って100バーツ渡した。時刻は9時45分、メーソットまでは1時間はかかる。45分の遅れだ。さぁ、ぶっ飛ばすぞ!

 国道105号線を時速120キロで走り、何とか遅れを取り戻した。途中、峠の市場で新鮮なアスパラやブロッコリ、柿などを買って一休み。その後も、時速120キロを守りながら突っ走り、何とか18:00にパタヤに着いた。

 お疲れ様でした。ところが、最後に大どんでん返し・・・。

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