2008年8月5日火曜日

タイ秘湯ツアー第2弾 その7







ウンパーンの幻の温泉

 ターク県ポップラ郡のファイナムナック温泉では、温泉湯をドラム缶に流し込んだ珍しいドラム缶温泉を堪能した。まるで、都会から山奥へ移住して自給自足の生活を楽しんでいる人みたいだった。

 さて、今日の予定はメーソットへ戻りさらに北のメーラマーの温泉を探して終了であるが、昨日断念したウンパーンは気に掛かる。ガンペンペットからの山道は乗用車では不可能だったが、タークの県道はしっかりしている。国境沿いの県は、有事の際に軍用道路になるため特別に国から予算をもらい、いい道路を造っているのではないだろうか? これは私が立てた仮説である。

 Aさんとの協議の結果、途中で舗装道路が途切れたら引き返すという条件で、ウンパーンへ向かって県道1090号線を走ろうということになった。ポップラからウンパーンまでは約120キロだが、険しい山をいくつも越えなければならない。通常の道路なら1時間半くらいで行くことができるが、山道となるとその倍はかかるだろう。大丈夫だろうか?

 山中に入ると道幅は狭くなったが、思っていた通り道路は整備されていた。私の仮説は正しかったことになる。しかし、急な登りと急カーブの連続で運転をしている私も車酔いになるほど辛い道程だった。

 途中、山の斜面に枯葉で葺いた山小屋のような建物が、所狭しと隙間なく建っている場所を発見した。その場所は周りを柵で囲まれている。看板には、「UMPIUM TEMPOLARY SHELTER ARIA」と書かれていた。ここは、ミャンマーから逃げてきたカレン族の難民キャンプで、約2万人が暮らしているそうだ。山小屋の間には仏塔や教会もあった。カレン族にもクリスチャンがいるのには驚いた。

 難民キャンプを後にして、やっと山を下りウンパーンの街にたどり着いた。3時間近く山中を走っていたことになる。昼食を食べながら温泉の情報を収集した。すると、ウンパーンにある2つの温泉は車で行くことはできないらしい。手漕ぎのゴムボートで川を下っていかなければならないそうだ。ディズニーランドのジャングルクルーズのような旅だ、これには参った!

 川沿いには洞窟や滝などがあり、旅行代理店がアドベンチャー・ツアーを企画している。ボートだけ借りると2500バーツだが、多分ガイドを付けないとたどり着けないだろう。
チェンマイ大学の調査表には水温が0度になっている。0度ということはありえないから、実際に計っていないのだと思う。時間的にも無理なので、残念だけど今回はあきらめることにした。

 後ろ髪を引かれながら、メーソットに向かい険しい山に入って行った。

 いつの日か、ライフジャケットと折りたたみ式のカヌーを携えてチャレンジしたい。

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