ガンペンペットの夜
温度が少し低めだったけど、ウタイタニのサモトン温泉は合格点をあげたい温泉である。今日の予定はこれで終了、午後3時45分に温泉を出発して約3時間でガンペンペットの街に着いた。
時計台のある街の中心部のスーパーで、安ホテルのある場所を訊ねた。われわれがいつも泊まっているのは、300~350バーツ程度のゲストハウスだが、この街は外国人観光客、特に若いバックパッカーが少ないのかゲストハウスはないようだ。
やっと見つけたホテルは、少し古いけれど立派なホテルである。これは高そうだが、もうあたりは薄暗く7時になろうとしている。とりあえず車を止めてフロントで料金を聞いてみた。すると、シングルが500バーツ(朝食込み)、みんなに相談したらOKが出たので泊まることにした。
チェックインして部屋に荷物を置いて、すぐに夕食に出かけることにした。出かける前にフロントで温泉の場所を訊いた。が、観光地図がなくなっていた。係りの女性が、
「夕食から戻るまでに地図を描いておきます」と言ってくれた。タイ人は、地図が読めない人が多い。まして描くことなど不可能に近い。大丈夫だろうか?
ホテルの近くにある市場の中に、何件かレストランがあった。タイならではの光景である。その中の1軒に入り、貝の炒め物や揚げたスペアリブ、パッタイ(タイ風焼きそば)、野菜炒めなどを注文してビールを飲みながらみんなで食べた。
夕食を済ませて私とFさんは夜の街を散策に行く。あとの2人はまっすぐにホテルに戻った。Fさんは期待に胸を膨らませていたが、ガンペンペットの夜は寂しく、ネオン街などなかった。残念でした!!
ホテルに戻ると、フロントの女性は一枚の紙を出して寄こした。そこには、タイ人が描いたとは思えないくらいの分かりやすい地図が定規を使って描かれていた。温泉も2ヵ所記してあった。これはスゴイ! 「ありがとう」とお礼を言って20バーツのチップを渡した。
今日は朝6時に起きてみんなを迎えに行き、約700キロを10時間かけて運転してきたので疲れていた。早く眠りたいと思っていたらFさんが「カラオケへ行こう」と言い出した。ホテルの1階にあるタイ人向けのカラオケである。
「じゃ、ビール1杯だけ」
シンハビールを注文してひと口飲むと、いつもの味と違っていた。少し味が濃い気がする。何だろう? 製造年月日を確認すると、2007年3月になっている。もう1年以上も前のビールだ。参ったなぁ。
18番のタイの曲をリクエストしたがなかったので、ビートルズの「ALL MY LOVING」を頼んだ。Fさんは、テレサ・テンの「愛人」をリクエストした。まず、私が唄い、続いてFさんの「愛人」が始まった。ところが、画像に出てきた歌詞は何と中国語だった。歌詞が判らないFさんは唄う事ができず、その場はしらけてしまった。
「明日が早いから、もう寝ますか」
そう言って、やっとお開きになった。やれやれ。
さぁ、明日から忙しくなるぞ!
2008年7月31日木曜日
2008年7月30日水曜日
タイ秘湯ツアー第2弾 その1
ウタイタニの秘湯
前回のカンチャナブリに続くタイ秘湯ツアー第2弾は、中部のウタイタニ、北部ガンペンペット、タークの3県を巡るというもの。前回よりもエリアが広く山道も多いという条件で、3泊4日で9ヵ所の秘湯を探すという無謀なツアーである。石油高騰による経費節減と時間短縮のためパタヤでホンダ・ジャズ(フィット)を借りて4人で出かける計画を立てた。
7月25日(金)午前8時、パタヤを出発しモーターウェイでバンコクに向かう。バンコク市内から高速に乗り継いで、アユタヤの手前の終点で降りて国道32号線で北へ走った。初日は、ウタイタニ県の温泉を目指す。
ウタイタニ市内に入り、丁度お昼になったので小奇麗なレストランで昼食を食べながら情報を収集する。ウェイトレスが観光地図を持って来てくれたが、何故か中国語で書かれている。ウタイタニ県は「烏泰他尼府」で、サモトン温泉は「沙麿通温泉」だって。食事を済ませて温泉へ向かった。
国道333号線から県道3438号線に出て、県道3282号線を行くと湖に囲まれた公園にたどり着いた。公園の中央には大きな仏像があった。仏像の近くには源泉池があり、温度を計ってみた。持って来た水温計は熱帯魚の水槽の温度を計るものだから、50度までしかメモリがない。多分、60度は超えているだろう。チェンマイ大学の資料には67度と書いてあった。
管理事務所の女性職員に個室風呂へ案内してもらった。そこには、大浴場と小浴場があり、それぞれ200B,100Bの料金だ。大浴場はかなり広く、4人ではいるには大きすぎるので、小浴場を借りることにした。小といっても10人くらいは入ることができる日本的なタイル張りの四角い浴槽である。建物はまだ新しく清潔であった。
職員の女性は蛇口をひねると、お湯が勢いよく飛び出して来た。が、少しぬるい。彼女はだんだん熱くなると言ったので、お湯が溜まるまで5分ほど待った。半分くらいになったところで中に入ったが、まだぬるい。お湯が溜まっていくにつれて水温は上がっていったが、結果は36・5度で終わった。タイ人には十分な温度であろうが、日本人には少し物足りない感じがする。お湯は無色透明で、仄かに硫黄の臭いがした。
源泉の温度は67度もあるのに、どうして浴槽に流れるお湯は36.5度になるのだろうか? 多分、どこかでお湯を冷まして流しているのだ。浴槽には水の蛇口も造られていたから、できれば源泉のまま流してもらい水で薄めて入れば最高なのに。
個室風呂の建物は1ヵ所で、その他に足湯の施設、トイレ、宿泊所、レストランなどがある。管理事務所には、3人乗りの自転車や足でこぐボートなども貸してくれる。泊まりで楽しむこともできる温泉公園である。初日の温泉としてまずまずだろう。
さぁ、今夜の宿泊予定地ガンペンペットへ出発だ!
前回のカンチャナブリに続くタイ秘湯ツアー第2弾は、中部のウタイタニ、北部ガンペンペット、タークの3県を巡るというもの。前回よりもエリアが広く山道も多いという条件で、3泊4日で9ヵ所の秘湯を探すという無謀なツアーである。石油高騰による経費節減と時間短縮のためパタヤでホンダ・ジャズ(フィット)を借りて4人で出かける計画を立てた。
7月25日(金)午前8時、パタヤを出発しモーターウェイでバンコクに向かう。バンコク市内から高速に乗り継いで、アユタヤの手前の終点で降りて国道32号線で北へ走った。初日は、ウタイタニ県の温泉を目指す。
ウタイタニ市内に入り、丁度お昼になったので小奇麗なレストランで昼食を食べながら情報を収集する。ウェイトレスが観光地図を持って来てくれたが、何故か中国語で書かれている。ウタイタニ県は「烏泰他尼府」で、サモトン温泉は「沙麿通温泉」だって。食事を済ませて温泉へ向かった。
国道333号線から県道3438号線に出て、県道3282号線を行くと湖に囲まれた公園にたどり着いた。公園の中央には大きな仏像があった。仏像の近くには源泉池があり、温度を計ってみた。持って来た水温計は熱帯魚の水槽の温度を計るものだから、50度までしかメモリがない。多分、60度は超えているだろう。チェンマイ大学の資料には67度と書いてあった。
管理事務所の女性職員に個室風呂へ案内してもらった。そこには、大浴場と小浴場があり、それぞれ200B,100Bの料金だ。大浴場はかなり広く、4人ではいるには大きすぎるので、小浴場を借りることにした。小といっても10人くらいは入ることができる日本的なタイル張りの四角い浴槽である。建物はまだ新しく清潔であった。
職員の女性は蛇口をひねると、お湯が勢いよく飛び出して来た。が、少しぬるい。彼女はだんだん熱くなると言ったので、お湯が溜まるまで5分ほど待った。半分くらいになったところで中に入ったが、まだぬるい。お湯が溜まっていくにつれて水温は上がっていったが、結果は36・5度で終わった。タイ人には十分な温度であろうが、日本人には少し物足りない感じがする。お湯は無色透明で、仄かに硫黄の臭いがした。
源泉の温度は67度もあるのに、どうして浴槽に流れるお湯は36.5度になるのだろうか? 多分、どこかでお湯を冷まして流しているのだ。浴槽には水の蛇口も造られていたから、できれば源泉のまま流してもらい水で薄めて入れば最高なのに。
個室風呂の建物は1ヵ所で、その他に足湯の施設、トイレ、宿泊所、レストランなどがある。管理事務所には、3人乗りの自転車や足でこぐボートなども貸してくれる。泊まりで楽しむこともできる温泉公園である。初日の温泉としてまずまずだろう。
さぁ、今夜の宿泊予定地ガンペンペットへ出発だ!
2008年7月23日水曜日
殺人事件 続報
昨日、銃弾を受けて死亡した被害者は、ニィルット氏40歳。職業は高利貸し。
犯人は逃亡してまだ逮捕されていない。タイラット新聞の一面下欄にはニュースが載っていたが、詳しいことはまだ判っていない。現在、警察で捜査中である。
ニランコンドに住むタイ人の話によると、ニィルット氏は資金を借りて小口の金貸しをしていたが、貸し金を回収できなくなり融資先(ヤクザの元締め)に消されたらしい。白昼堂々、至近距離から銃を撃ち逃亡するとは、犯人はプロの殺し屋かもしれない。5万バーツでヒットマンを雇えると聞いたことがある。
やっぱり金のトラブルか? タイ人は賭け事や宝くじが大好きだから、借金をしてでも博打や宝くじに走る人が多いのだろう。そんな輩に金を貸しても戻ってくるのは僅かで、貸し倒れになるのが落ちである。噂によると、被害者はあまり評判が良くなかったようだ。
ニランコンドに暮らして4年になるけど、殺人事件は初めてである。飛び降り自殺は3件あった。ファラン1人、韓国人1人、タイ人女性1人。タイ人が死亡した時には、僧侶を招いて法要(厄払い)をしたが、今回はどうするのだろうか?
犯人は逃亡してまだ逮捕されていない。タイラット新聞の一面下欄にはニュースが載っていたが、詳しいことはまだ判っていない。現在、警察で捜査中である。
ニランコンドに住むタイ人の話によると、ニィルット氏は資金を借りて小口の金貸しをしていたが、貸し金を回収できなくなり融資先(ヤクザの元締め)に消されたらしい。白昼堂々、至近距離から銃を撃ち逃亡するとは、犯人はプロの殺し屋かもしれない。5万バーツでヒットマンを雇えると聞いたことがある。
やっぱり金のトラブルか? タイ人は賭け事や宝くじが大好きだから、借金をしてでも博打や宝くじに走る人が多いのだろう。そんな輩に金を貸しても戻ってくるのは僅かで、貸し倒れになるのが落ちである。噂によると、被害者はあまり評判が良くなかったようだ。
ニランコンドに暮らして4年になるけど、殺人事件は初めてである。飛び降り自殺は3件あった。ファラン1人、韓国人1人、タイ人女性1人。タイ人が死亡した時には、僧侶を招いて法要(厄払い)をしたが、今回はどうするのだろうか?
2008年7月22日火曜日
〇〇殺人事件
今日7月22日午後5時、自宅近所のラーメン屋で友人とビールを飲んでいたら、となりのムーガタ(焼肉屋)のおばさんが「今、ニランで発砲事件があった」と言った。
「えっ、ニランで。そりゃ大変だ!」
すぐにバイクに乗って我が家であるニランコンドへ向かった。事件は、C棟の1階で起きた。黒山の人だかりを掻き分けて入って行くと、黒いソファに害者横たわっておりシートが掛けてあった。ソファには鮮血が流れていた。野次馬の話によるとタイ人がタイ人を射殺したそうだ。
以前にも12階から飛び降り自殺をしたファラン(西洋人)の取材をしたことがある。私は新聞記者でもテレビ局のカメラマンでもないが、勝手に害者のそばに行って写真を写した。誰でもジャーナリストになれる、これはタイならではの慣習なのだろうか?
丁度いいタイミングで検死の医師が現れて、遺体のシートがめくられた。報道陣はいっせいにカメラのシャッターを切る。それに混じって、私もカメラを向けた。弾丸は後頭部に3発打ち込まれていた。思わず手を合わせて、冥福を祈った。
どうやら加害者は逮捕されたようだが、これから警察の捜査が始まるので原因、動機はまだ分からない。私の推理では、金銭の貸し借りか女性問題のもつれであろう。
明日の新聞または、パタヤケーブルテレビで放映されることは間違いない。事実関係が判明したらまた報告します。くれぐれも、金と女には気をつけてください。
「えっ、ニランで。そりゃ大変だ!」
すぐにバイクに乗って我が家であるニランコンドへ向かった。事件は、C棟の1階で起きた。黒山の人だかりを掻き分けて入って行くと、黒いソファに害者横たわっておりシートが掛けてあった。ソファには鮮血が流れていた。野次馬の話によるとタイ人がタイ人を射殺したそうだ。
以前にも12階から飛び降り自殺をしたファラン(西洋人)の取材をしたことがある。私は新聞記者でもテレビ局のカメラマンでもないが、勝手に害者のそばに行って写真を写した。誰でもジャーナリストになれる、これはタイならではの慣習なのだろうか?
丁度いいタイミングで検死の医師が現れて、遺体のシートがめくられた。報道陣はいっせいにカメラのシャッターを切る。それに混じって、私もカメラを向けた。弾丸は後頭部に3発打ち込まれていた。思わず手を合わせて、冥福を祈った。
どうやら加害者は逮捕されたようだが、これから警察の捜査が始まるので原因、動機はまだ分からない。私の推理では、金銭の貸し借りか女性問題のもつれであろう。
明日の新聞または、パタヤケーブルテレビで放映されることは間違いない。事実関係が判明したらまた報告します。くれぐれも、金と女には気をつけてください。
2008年7月20日日曜日
カンボジアの世界遺産
先日、タイ国境に近いカンボジア領内の山上にあるヒンドゥー寺院遺跡「プレアビヒア」が世界遺産に認定された。この決定について、タイ側が領土問題の解決がされていないと主張して違憲との判断を下した。が、世界遺産に認定されてしまい、領土問題が解決していないのにカンボジアの世界遺産を認めた結果になり、反タイ政府団体が厳しく政府を批判している。
この遺跡の所有権争については、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判断を下している。しかし、崖の上にありタイ側からしかアクセスが困難な上、周辺の国境が未画定のままで、両国間の火種となっていた。
私に言わせれば、要するに利権問題である。単なる国境ではなく世界遺産となれば、大きな観光資源になり入場料収入、その他の観光収入になる。タイ政府も黙って見ているわけには行かない。今回の件については、あの金の亡者タクシン元首相がカンボジアのビジネス権益と引き換えにカンボジア側に有利な国境画定を飲んだと見られている。国益よりも自分の懐を肥やすことしか考えていないタクシンのやりそうなことだ。
今年3月にカンボジア・アンコールワットを見てきた。その時、日本語ガイドからいろいろな話を聞いた。カンボジアはベトナムの傀儡政権で、アンコールワットの入場料もベトナムに吸い上げられているそうだ。彼は、長いこと内戦が続き300万個の地雷が埋まっている悲惨な現状を訴えていた。「カンボジア可哀そう」と言っていた。
現在タイは、東南アジアでトップの国になった。そろそろ貧しい隣国に手を差し伸べてもいいのではないか。タクシンのやり方は賛同できないが、政府としてプレアビヒアをカンボジアの世界遺産として認めるべきだと思う。
それからタクシン、いい加減にタイ政財界から手を引けよ!!!
この遺跡の所有権争については、1962年に国際司法裁判所がカンボジア領とする判断を下している。しかし、崖の上にありタイ側からしかアクセスが困難な上、周辺の国境が未画定のままで、両国間の火種となっていた。
私に言わせれば、要するに利権問題である。単なる国境ではなく世界遺産となれば、大きな観光資源になり入場料収入、その他の観光収入になる。タイ政府も黙って見ているわけには行かない。今回の件については、あの金の亡者タクシン元首相がカンボジアのビジネス権益と引き換えにカンボジア側に有利な国境画定を飲んだと見られている。国益よりも自分の懐を肥やすことしか考えていないタクシンのやりそうなことだ。
今年3月にカンボジア・アンコールワットを見てきた。その時、日本語ガイドからいろいろな話を聞いた。カンボジアはベトナムの傀儡政権で、アンコールワットの入場料もベトナムに吸い上げられているそうだ。彼は、長いこと内戦が続き300万個の地雷が埋まっている悲惨な現状を訴えていた。「カンボジア可哀そう」と言っていた。
現在タイは、東南アジアでトップの国になった。そろそろ貧しい隣国に手を差し伸べてもいいのではないか。タクシンのやり方は賛同できないが、政府としてプレアビヒアをカンボジアの世界遺産として認めるべきだと思う。
それからタクシン、いい加減にタイ政財界から手を引けよ!!!
2008年7月16日水曜日
原油高の影響
先日、日本から友人が遊びに来て4日間バンコクを案内した。宿泊したホテルはファランポン駅からラマ1世通りに向かって高速道路沿いに走った所にあるTHE TWIN TOWERS HOTEL。ここは、日本人観光客御用達のホテルである。
友人と友人のお兄さんは、何回もタイに遊びに来ているので今回はバンコクでのんびりと過ごすことにした。移動はタクシーを使い、チャトゥチャック・マーケットやMBK、有馬温泉などを回った。
ホテルからラマ4世通りに出る途中に、自動車修理工場が建ち並んでいる一角がある。そこでは、路上に車を置いて修理をしていた。タクシーの運転手がトランクを開けて修理をしている車を指差して、
「あれは、ガソリン車をLPG使用に改造しているんだ。今はガソリンが高いからね」
と言った。
「改造するにはいくらかかるの?」
そう訊ねると、
「3万バーツくらいかな」
約10万円で改造できるとは凄い。というより、勝手に改造していいの?
タイもガソリンが高騰している。4年前に来た時にはハイオクが14バーツだったが、現在では43バーツになっている。それに伴った便乗値上げも多い。特に顕著なのは航空運賃だ。今年3月に買ったタイ航空のチケットは、7000バーツも値上がりした。もう、ちょくちょく日本に帰れなくなる。
LPGは1リッター11バーツほどで、燃費は良くリッター20キロも走るそうだ。これなら3万バーツかけても元は取れる。ただし、専用のスタンドが限られているので、調べておかないとガス欠になる恐れがある。
日本でも、電気自動車の実用化が進みガソリンに代わるエネルギーの開発も行われている。このままガソリンの高騰が続くと、世界恐慌がやって来るかもしれない。もしくは、石油の奪い合いで戦争が起こることも考えられる。
バービアでビールを飲んでいる場合じゃないぞ! バイクをやめて、自転車にしようか。
友人と友人のお兄さんは、何回もタイに遊びに来ているので今回はバンコクでのんびりと過ごすことにした。移動はタクシーを使い、チャトゥチャック・マーケットやMBK、有馬温泉などを回った。
ホテルからラマ4世通りに出る途中に、自動車修理工場が建ち並んでいる一角がある。そこでは、路上に車を置いて修理をしていた。タクシーの運転手がトランクを開けて修理をしている車を指差して、
「あれは、ガソリン車をLPG使用に改造しているんだ。今はガソリンが高いからね」
と言った。
「改造するにはいくらかかるの?」
そう訊ねると、
「3万バーツくらいかな」
約10万円で改造できるとは凄い。というより、勝手に改造していいの?
タイもガソリンが高騰している。4年前に来た時にはハイオクが14バーツだったが、現在では43バーツになっている。それに伴った便乗値上げも多い。特に顕著なのは航空運賃だ。今年3月に買ったタイ航空のチケットは、7000バーツも値上がりした。もう、ちょくちょく日本に帰れなくなる。
LPGは1リッター11バーツほどで、燃費は良くリッター20キロも走るそうだ。これなら3万バーツかけても元は取れる。ただし、専用のスタンドが限られているので、調べておかないとガス欠になる恐れがある。
日本でも、電気自動車の実用化が進みガソリンに代わるエネルギーの開発も行われている。このままガソリンの高騰が続くと、世界恐慌がやって来るかもしれない。もしくは、石油の奪い合いで戦争が起こることも考えられる。
バービアでビールを飲んでいる場合じゃないぞ! バイクをやめて、自転車にしようか。
2008年7月11日金曜日
カンチャナブリ秘湯ツアー その9 最終章
ラチャブリ県スワン・プーンにはもうひとつ温泉があるが、バーンボークレーン温泉から30キロも離れていて、掛け湯しかないとの情報を得た。時間の関係もあり、今回は断念した。露天岩風呂がツアー最後の温泉となった。
バーンボークレーン温泉で昼食を食べて、12:25に出発した。帰りは近道を通らずに、国道4号線から国道323号線を走った。地図上で見る限り距離的には遠くなるが、結果は往きよりも1時間早くカンチャナブリに着いた。やはり、タイでは近道はご法度だ。
15:00にゲストハウスに到着して、車を返してソンテオでバスターミナルへ向かう。15:30発のバスに間に合い、それに乗ってバンコクへ帰った。私とFさんは翌日バンコクに用事があったのでカオサンに一泊し、Sさんはバンコクからパタヤへ戻った。お疲れ様でした。
今回のカンチャナブリ秘湯ツアーでは、正味3日間で6ヵ所の温泉を巡ることができた。そのうち4ヵ所に入浴して、5ヵ所が入浴可能であることが分かった。これは私にとって大きな成果と言える。その他には、クワイ川鉄橋を始めとしてサイヨークの滝やケーブルカーのお寺など、数々の名所も見ることができたので、友人たちも満足してくれたと思っている。私にとっても、思い出深い旅になった。
タイ全土には、まだまだたくさんの温泉がある。次回はどこへ行こうか? 北部のターク県、ガンペンペット県、ペチャブン県、南部のラノーン県、チュンポン県、パンガー県、クラビ県、トラン県、パッタルン県など。深南部の3県は爆弾テロが多発しているので、危ないから近寄らない方がいいだろう。
時間とお金があれば今すぐにでも飛んで行きたいが、またじっくりと計画を立てて出かけることにしよう。今秋はインドへ旅に出るから、それまでにどこかへ行けるかな。
バーンボークレーン温泉で昼食を食べて、12:25に出発した。帰りは近道を通らずに、国道4号線から国道323号線を走った。地図上で見る限り距離的には遠くなるが、結果は往きよりも1時間早くカンチャナブリに着いた。やはり、タイでは近道はご法度だ。
15:00にゲストハウスに到着して、車を返してソンテオでバスターミナルへ向かう。15:30発のバスに間に合い、それに乗ってバンコクへ帰った。私とFさんは翌日バンコクに用事があったのでカオサンに一泊し、Sさんはバンコクからパタヤへ戻った。お疲れ様でした。
今回のカンチャナブリ秘湯ツアーでは、正味3日間で6ヵ所の温泉を巡ることができた。そのうち4ヵ所に入浴して、5ヵ所が入浴可能であることが分かった。これは私にとって大きな成果と言える。その他には、クワイ川鉄橋を始めとしてサイヨークの滝やケーブルカーのお寺など、数々の名所も見ることができたので、友人たちも満足してくれたと思っている。私にとっても、思い出深い旅になった。
タイ全土には、まだまだたくさんの温泉がある。次回はどこへ行こうか? 北部のターク県、ガンペンペット県、ペチャブン県、南部のラノーン県、チュンポン県、パンガー県、クラビ県、トラン県、パッタルン県など。深南部の3県は爆弾テロが多発しているので、危ないから近寄らない方がいいだろう。
時間とお金があれば今すぐにでも飛んで行きたいが、またじっくりと計画を立てて出かけることにしよう。今秋はインドへ旅に出るから、それまでにどこかへ行けるかな。
カンチャナブリ秘湯ツアー その8
ツアー最終日の4日目は、隣の県ラチャブリまで足を伸ばす。チェンマイ大学の資料によると、ラチャブリ県のスワン・プーンには2ヵ所の温泉が記されている。そのうちのひとつは、露天岩風呂が有名な温泉である。
今日はラチャブリから戻った後、バンコクへ帰る予定なので朝7:30にチェックアウトをした。最後の朝食を食べて、荷物をピックアップトラックに積み込んで出発した。
本日の行程は、国道323号線から県道3089号線に出て、ラチャブリ市内の手前で県道3087号線に入る。それほど難しいルートではないと考えていたが、何度も道に迷ってしまった。タイの地図はいい加減だから、その通りに信じているととんでもない事になる。お陰で近道をしたつもりが、ラチャブリまで約120キロの道程を2時間以上もかかってしまった。何ということだ、帰りは近道など通らないで、遠回りでも国道を走ろう。
ラチャブリからは、県道3087号線スワン・プーンまで行く。道路の看板では53キロとなっている。1時間もあれば着くだろう。遅れを取り戻そうと、高速で突っ走った。
そろそろ50キロを越えた地点で、現地の人に温泉の場所を訊いた。そしてついに看板を発見した。そこには、『ボークレーン ホット スチーム』と書いてあった。普通は、ホット スプリング なのに、ホット スチームって大丈夫ですか?
とりあえず、看板を左折して山中を10キロほど走る。途中、村人に道を訊きながらやっと温泉公園にたどり着いた。182キロを3時間半もかけて走って来たことになる。時間はかかったが場所は分かったので、次回に来る時にはスムーズに来ることができるだろう。
駐車場に車を止めて、入り口のゲートで料金を払う。料金は何とひとり5バーツ、これは安い! これじゃ値切り交渉もできない。いい温泉を見つけたなぁ、そんな事を考えながら、露天風呂を目指して歩き出した。
森の中を5分ほど歩くと、私が今までに見たタイの温泉の中で最も大きな露天岩風呂が現れた。これは見事である。早速、友人2人は水着に着替えて入浴する。私は、その前に源泉を確認するためにお湯が流れている沢を登った。
数百メーター登ると、小さな岩風呂があった。それは、ネットで調べた時に見た温泉である。水苔で汚れていて、現在は使われていないようだ。さらに登って行くと、沢はなくなり地面からお湯が湧き出ていた。そのあたりが源泉であろうか。
写真を撮って沢を下り露天岩風呂に戻った。2人はすっかりくつろいで入浴している。私も着替えて湯船に入った。岩風呂の底には砂が敷かれていて歩きやすい。足が滑らないよう配慮して砂を敷いたのだろう。
お湯は癖のない単純泉で、温度は38度くらいで丁度いい。
「ここは一番いいですね。日本人向きです」
Sさんは絶賛していた。
確かに、ヒンダー温泉と同じくらいすばらしい温泉である。ツアー最後の締めの温泉で、みんなが喜んでくれて良かった。と思っていたら、おばさんがやって来て、
「入浴料はひとり50バーツです」
と言った。
「えっ、5バーツじゃないの?」
この温泉はキャンプ場の中にあって、先ほど支払ったのは入場料だった。入浴料は別で、外国人50バーツ、タイ人30バーツ。負けてくれるように頼んだが、駄目であった。だが、これだけの温泉だから50バーツでも高くはない。風呂から出て、おばさんに150バーツを支払った。
ここはキャンプ場に他に、大小のバンガローもありトイレ、更衣室、レストラン、売店も完備している。バンコクから3時間ほどで来ることができる。仲間を募ってバンガローに泊まり、盛大にバーベキュー・パーティーをしたいような温泉である。
今日はラチャブリから戻った後、バンコクへ帰る予定なので朝7:30にチェックアウトをした。最後の朝食を食べて、荷物をピックアップトラックに積み込んで出発した。
本日の行程は、国道323号線から県道3089号線に出て、ラチャブリ市内の手前で県道3087号線に入る。それほど難しいルートではないと考えていたが、何度も道に迷ってしまった。タイの地図はいい加減だから、その通りに信じているととんでもない事になる。お陰で近道をしたつもりが、ラチャブリまで約120キロの道程を2時間以上もかかってしまった。何ということだ、帰りは近道など通らないで、遠回りでも国道を走ろう。
ラチャブリからは、県道3087号線スワン・プーンまで行く。道路の看板では53キロとなっている。1時間もあれば着くだろう。遅れを取り戻そうと、高速で突っ走った。
そろそろ50キロを越えた地点で、現地の人に温泉の場所を訊いた。そしてついに看板を発見した。そこには、『ボークレーン ホット スチーム』と書いてあった。普通は、ホット スプリング なのに、ホット スチームって大丈夫ですか?
とりあえず、看板を左折して山中を10キロほど走る。途中、村人に道を訊きながらやっと温泉公園にたどり着いた。182キロを3時間半もかけて走って来たことになる。時間はかかったが場所は分かったので、次回に来る時にはスムーズに来ることができるだろう。
駐車場に車を止めて、入り口のゲートで料金を払う。料金は何とひとり5バーツ、これは安い! これじゃ値切り交渉もできない。いい温泉を見つけたなぁ、そんな事を考えながら、露天風呂を目指して歩き出した。
森の中を5分ほど歩くと、私が今までに見たタイの温泉の中で最も大きな露天岩風呂が現れた。これは見事である。早速、友人2人は水着に着替えて入浴する。私は、その前に源泉を確認するためにお湯が流れている沢を登った。
数百メーター登ると、小さな岩風呂があった。それは、ネットで調べた時に見た温泉である。水苔で汚れていて、現在は使われていないようだ。さらに登って行くと、沢はなくなり地面からお湯が湧き出ていた。そのあたりが源泉であろうか。
写真を撮って沢を下り露天岩風呂に戻った。2人はすっかりくつろいで入浴している。私も着替えて湯船に入った。岩風呂の底には砂が敷かれていて歩きやすい。足が滑らないよう配慮して砂を敷いたのだろう。
お湯は癖のない単純泉で、温度は38度くらいで丁度いい。
「ここは一番いいですね。日本人向きです」
Sさんは絶賛していた。
確かに、ヒンダー温泉と同じくらいすばらしい温泉である。ツアー最後の締めの温泉で、みんなが喜んでくれて良かった。と思っていたら、おばさんがやって来て、
「入浴料はひとり50バーツです」
と言った。
「えっ、5バーツじゃないの?」
この温泉はキャンプ場の中にあって、先ほど支払ったのは入場料だった。入浴料は別で、外国人50バーツ、タイ人30バーツ。負けてくれるように頼んだが、駄目であった。だが、これだけの温泉だから50バーツでも高くはない。風呂から出て、おばさんに150バーツを支払った。
ここはキャンプ場に他に、大小のバンガローもありトイレ、更衣室、レストラン、売店も完備している。バンコクから3時間ほどで来ることができる。仲間を募ってバンガローに泊まり、盛大にバーベキュー・パーティーをしたいような温泉である。
2008年7月10日木曜日
カンチャナブリ秘湯ツアー その7
以前、パタヤに住んでいた日本人からカンチャナブリの温泉の話を聞いたことがある。そこは、街中にあるお寺の中に温泉が湧いているというものだった。彼はタイ人の彼女と行ったのだが、正確な場所も名前も覚えていなかった。面白そうな温泉なので、いつかカンチャナブリへ行ったらぜひ訪れたいと考えていた。
今回の秘湯ツアーを決めてから、ネットで調べてみた。すると、『タームアング地区ワンカナーイ寺院温泉保養所』という項目が引っかかった。写真には、ドカン風呂がたくさん並んでいる。これだ、ここに間違いない! ただし、地図は載っていない。
宿泊したゲストハウスの従業員に、
「ワット・ワンカナーイを知っている?」
と訊ねたら、観光地図に印を付けてくれた。タイと中国の仏塔があるお寺の近くである。これで分かった。
ケーブルカーのあるお寺、ワット・タム・スアに参拝して昼食を食べてから温泉寺へ向かった。お寺はタームアングの街の県道沿いにあった。広い敷地の立派なお寺である。早速中に入り、駐車場に車を止めて外に出た。すると、異臭が鼻を襲ってきた。何だろう、この臭いは?
受付のような場所で「温泉はどこですか?」と訊くと、職員はお寺の隅の方を指差した。
「ありがとうございます」そう言って振り返ると、片隅に棺桶がピラミッドのように積まれていた。このお寺には火葬場があるようだ。棺桶には、ピンク色のメモ用紙がたくさん貼り付けてあった。死者へのメッセージが書いてあるのだろうか。もしかしたら、この悪臭は遺体の臭いですか? そうだとしたら、腐る前に早く焼いてよ!!!
遺体から離れて温泉保養所へ行き、中を覗いてみた。まず、建物の手前に足湯場があった。タイ人女性がひとりでくつろいでいる。チェンマイのサンカンペーン温泉の源泉から流れる小川で足湯をしたことがあるが、タイでは足湯は珍しい。
次に、ブルーシートで囲まれた温泉小屋に入る。そこには、洋式のバスタブとステンレス製のドカン風呂がたくさん並んでいる。しかも、男女別になっていて、合計で50以上の浴槽が造られている。これならいつでも入浴できる。
初めは、係りの女性にバスタブへお湯を入れてもらう。お湯は勢いよく流れて、数分でいっぱいになった。お湯は無色・無臭で、温度は38~39度くらい。常夏のタイでは、丁度いい温度である。
次に、ステンレスのドカン風呂に入る。こちらは、バスタブよりも少し熱い。隣のタイ人たちは、温度が熱いので掛け湯をしていた。確かに、5分も入っているとのぼせてしまいそうだ。
風呂から出て身体を冷ましていると、お布施の箱が目に付いた。ここはお寺がボランティアで運営しているので料金は無料である。だが、いろいろと管理費もかかるのでお布施箱を置いているのだ。温泉に入ってタダという訳にもいかないので、少ないけど20バーツを寄付した。
この温泉は、カンチャナブリ市内から車に乗って20分ほどで行けて、道路沿いの分かりやすい場所にある。お湯も結構熱くて、日本人には有難い温泉だ。ただし、異臭が少し気になった。もし出かけるなら、葬式がない日を選んだほうがいいかも知れない。
今回の秘湯ツアーを決めてから、ネットで調べてみた。すると、『タームアング地区ワンカナーイ寺院温泉保養所』という項目が引っかかった。写真には、ドカン風呂がたくさん並んでいる。これだ、ここに間違いない! ただし、地図は載っていない。
宿泊したゲストハウスの従業員に、
「ワット・ワンカナーイを知っている?」
と訊ねたら、観光地図に印を付けてくれた。タイと中国の仏塔があるお寺の近くである。これで分かった。
ケーブルカーのあるお寺、ワット・タム・スアに参拝して昼食を食べてから温泉寺へ向かった。お寺はタームアングの街の県道沿いにあった。広い敷地の立派なお寺である。早速中に入り、駐車場に車を止めて外に出た。すると、異臭が鼻を襲ってきた。何だろう、この臭いは?
受付のような場所で「温泉はどこですか?」と訊くと、職員はお寺の隅の方を指差した。
「ありがとうございます」そう言って振り返ると、片隅に棺桶がピラミッドのように積まれていた。このお寺には火葬場があるようだ。棺桶には、ピンク色のメモ用紙がたくさん貼り付けてあった。死者へのメッセージが書いてあるのだろうか。もしかしたら、この悪臭は遺体の臭いですか? そうだとしたら、腐る前に早く焼いてよ!!!
遺体から離れて温泉保養所へ行き、中を覗いてみた。まず、建物の手前に足湯場があった。タイ人女性がひとりでくつろいでいる。チェンマイのサンカンペーン温泉の源泉から流れる小川で足湯をしたことがあるが、タイでは足湯は珍しい。
次に、ブルーシートで囲まれた温泉小屋に入る。そこには、洋式のバスタブとステンレス製のドカン風呂がたくさん並んでいる。しかも、男女別になっていて、合計で50以上の浴槽が造られている。これならいつでも入浴できる。
初めは、係りの女性にバスタブへお湯を入れてもらう。お湯は勢いよく流れて、数分でいっぱいになった。お湯は無色・無臭で、温度は38~39度くらい。常夏のタイでは、丁度いい温度である。
次に、ステンレスのドカン風呂に入る。こちらは、バスタブよりも少し熱い。隣のタイ人たちは、温度が熱いので掛け湯をしていた。確かに、5分も入っているとのぼせてしまいそうだ。
風呂から出て身体を冷ましていると、お布施の箱が目に付いた。ここはお寺がボランティアで運営しているので料金は無料である。だが、いろいろと管理費もかかるのでお布施箱を置いているのだ。温泉に入ってタダという訳にもいかないので、少ないけど20バーツを寄付した。
この温泉は、カンチャナブリ市内から車に乗って20分ほどで行けて、道路沿いの分かりやすい場所にある。お湯も結構熱くて、日本人には有難い温泉だ。ただし、異臭が少し気になった。もし出かけるなら、葬式がない日を選んだほうがいいかも知れない。
2008年7月9日水曜日
カンチャナブリ秘湯ツアー その6
タイの田舎を走っていると、ビックリするような建造物が目に飛び込んでくる。それは、仏教寺院である。バンコクのような大都会にも寺院はたくさんあるが、殺風景な片田舎に突如巨大な寺院が現れるといつも驚いてしまう。
山間の小さな集落にも豪華絢爛、キンキラキンの立派な寺院が建てられている。これらは地元の人たちのタンブン(お布施、寄付)によって造られているのである。タイの仏教寺院を見ていると、彼らの仏教に対する熱い心、信心深さが伝わってくる。
2006年5月から始まった秘湯ツアーでは数々の寺院を見てきたが、時間の関係でほとんど御参りをしていない。これではいけない、いつか罰が当たる。今回のツアーは時間の余裕があるから、3日目に2つの寺院へ行くことになった。ひとつは温泉が湧いている寺院。もうひとつは、ゲストハウスの従業員が薦めてくれた一風変わった寺院群。温泉寺へ行く前に、変わったお寺に立ち寄ってみた。
そのお寺はワット・タム・スアという名前で、カンチャナブリ市内からメークロン川を4キロほど下った山の上にある。遠くから見ると、タイの仏塔と中国の仏塔が並んで建っているのだが、実は2つのお寺が隣り合わせになっているので重なって見えるのである。
駐車場に車を止めて、山の上の仏塔を見上げた。このお寺を参拝するには、約70メートルの高さの石段を登らなければならない。石段は一直線に伸びて、かなりの急勾配である。これを登るのか、大変だなぁ! と思っていたら、石段の左側に何と、古びたケーブルカーがあった。これって、動くの? 料金は1人10バーツ。面白そうだから乗ってみるか。
今までにタイで多くの寺院を見てきたが、ケーブルカーのあるお寺は初めてだ。マレーシアのペナン島では乗ったけど、タイにケーブルカーがあるとは初耳だ。行きつけの喫茶店のママさんに訊いたら、チャンタブリ県のワット・カオ・スキンというお寺にもあるらしい。タイのケーブルカーは、山の上の寺院を参拝するための交通手段のようだ。
早速、3人で乗り込んだ。坂が急勾配になっているから車両もそれに合わせて造られている。乗るのにも一苦労、かなり強引な造りである。乗客3人が乗ったところで、係員はスイッチを押した。車両はゆっくりと空中にぶら下がるように急勾配の坂を登って行く。途中下りの車両とすれ違い、あっという間に頂上駅に到着した。結構恐いが、子供には受けるかもしれない。
頂上には仏塔の他に、下界からはよく見えなかったが巨大な仏像が建っていた。思わず手を合わせた。360度の大パノラマ、メークロン川と生い茂る緑の木々はまさに絶景である。これは、なかなかすばらしいお寺だ。カンチャナブリに来た時には、ぜひ立ち寄っていただきたい。
帰りは石段を歩こうかと思ったが、疲れそうなのでまたケーブルカーに乗った。下りは登りより恐かった。
さぁ、次は温泉が湧き出る珍しいお寺へ行くぞ!
山間の小さな集落にも豪華絢爛、キンキラキンの立派な寺院が建てられている。これらは地元の人たちのタンブン(お布施、寄付)によって造られているのである。タイの仏教寺院を見ていると、彼らの仏教に対する熱い心、信心深さが伝わってくる。
2006年5月から始まった秘湯ツアーでは数々の寺院を見てきたが、時間の関係でほとんど御参りをしていない。これではいけない、いつか罰が当たる。今回のツアーは時間の余裕があるから、3日目に2つの寺院へ行くことになった。ひとつは温泉が湧いている寺院。もうひとつは、ゲストハウスの従業員が薦めてくれた一風変わった寺院群。温泉寺へ行く前に、変わったお寺に立ち寄ってみた。
そのお寺はワット・タム・スアという名前で、カンチャナブリ市内からメークロン川を4キロほど下った山の上にある。遠くから見ると、タイの仏塔と中国の仏塔が並んで建っているのだが、実は2つのお寺が隣り合わせになっているので重なって見えるのである。
駐車場に車を止めて、山の上の仏塔を見上げた。このお寺を参拝するには、約70メートルの高さの石段を登らなければならない。石段は一直線に伸びて、かなりの急勾配である。これを登るのか、大変だなぁ! と思っていたら、石段の左側に何と、古びたケーブルカーがあった。これって、動くの? 料金は1人10バーツ。面白そうだから乗ってみるか。
今までにタイで多くの寺院を見てきたが、ケーブルカーのあるお寺は初めてだ。マレーシアのペナン島では乗ったけど、タイにケーブルカーがあるとは初耳だ。行きつけの喫茶店のママさんに訊いたら、チャンタブリ県のワット・カオ・スキンというお寺にもあるらしい。タイのケーブルカーは、山の上の寺院を参拝するための交通手段のようだ。
早速、3人で乗り込んだ。坂が急勾配になっているから車両もそれに合わせて造られている。乗るのにも一苦労、かなり強引な造りである。乗客3人が乗ったところで、係員はスイッチを押した。車両はゆっくりと空中にぶら下がるように急勾配の坂を登って行く。途中下りの車両とすれ違い、あっという間に頂上駅に到着した。結構恐いが、子供には受けるかもしれない。
頂上には仏塔の他に、下界からはよく見えなかったが巨大な仏像が建っていた。思わず手を合わせた。360度の大パノラマ、メークロン川と生い茂る緑の木々はまさに絶景である。これは、なかなかすばらしいお寺だ。カンチャナブリに来た時には、ぜひ立ち寄っていただきたい。
帰りは石段を歩こうかと思ったが、疲れそうなのでまたケーブルカーに乗った。下りは登りより恐かった。
さぁ、次は温泉が湧き出る珍しいお寺へ行くぞ!
2008年7月8日火曜日
カンチャナブリ秘湯ツアー その5
秘湯ツアー2日目の夜は、バスターミナル付近の屋台街へ繰り出した。セブンイレブンでビールを買って、海鮮屋台で貝やイカ、海老などを注文して食事をした。街の中心部で建物が多い地域だが、日が暮れると涼しい風が流れてくる。クワイ川が近いせいであろうか。タイ料理はエアコンの効いた部屋で食べるよりも、屋外で食べた方が美味しいような気がする。
屋台料理も美味しかったが、男3人での晩餐は何となく色気がない。食後は、ゲストハウスの近くにあるバービアへ行った。その日はママさんの誕生日で、頭に花のリングをかぶった女性たちが元気に踊っていた。パタヤのバービアと同じである。
さて、ツアー3日目は、2ヵ所の温泉と珍しいお寺を回る計画である。1つ目の温泉はチェンマイ大学の資料によると、ノンプルー群トンラムイヤ村にあると書かれている。村までは市内から約90キロ。これだけでは情報不足だ。ゲストハウスの従業員に、
「ノンプルーの温泉を知っている?」
と訊ねた。すると、彼女はカンチャナブリの観光地図を取り出した。
市内から県道3086号線を北上するとノンプルーの街があり、その少し上に「BAAN PONG CHANG HOT SPRING」と書かれていた。これだ、地図に載っているのなら間違いない! きっと見つかるだろう。
午前8時にゲストハウスを出発して、県道3086号線を1時間ほど走った。信号もなく警察もいないので、時速90~100キロですっ飛ばした。もうそろそろノンプルーの街に着く頃だと思っていたが、行けども行けども山間の森の中で街が現れない。どこにあるのか?
やがて、三叉路のある小さな集落に出た。そこで、商店のおじさんに温泉の場所を訊くと、おじさんは今来た道を指差して、「この先4キロだ」と答えた。通り過ぎてしまったらしい。仕方なくUターンして来た道を引き返す。4キロを過ぎてもそれらしき看板は現れない。車を止めて、後ろから来たバイクの2人組みに訊ねた。彼らに先導してもらい、やっと入り口を発見した。
入り口から1キロほど行くと、左手に高速道路のパーキングのような広々とした駐車場が現れた。トイレらしき建物もある。右奥にはドーム型の屋根が付いた巨大なプールが見えた。道路沿いにある石碑には「プッ ナムローン バーン ポーン チャン」とタイ語で書いてある。ここに間違いない。
早速、駐車場に車を止めてプールを見に行く。プールには少ししか水が入っていない。奥の小さなプールには、円筒形の浴槽が3つあり、そこから微量ではあるがお湯が湧き出ている。手を入れると、体温よりも少し暖かい程度で38度くらいだ。 友人たちは遠慮したが、取材目的で来た私はすぐに入浴を決意した。
水着に着替えて穴の中に入ってみる。浴槽は2段になっていて、腰掛けることができる。北タイにあった個人風呂と同じだが、中央の穴は塞がっていない。足を入れたが底まで届かない。もしかしたら、底なしなのかもしれない。気をつけないと沈んでしまう。
お湯は無色・無臭の単純泉で丁度いい温度であるが、何といっても湧き出る湯量が少ない。昨日の温泉と同じで、湯量の調査をしないで施設を造ってしまったのではないだろうか。チェンマイのサンカンペーン温泉のように、間欠泉が四六時中噴き出ている温泉であれば問題ない。しかし、微量の湯がちょろちょろ流れ出ているようでは、この巨大なプールにお湯が一杯になるには何日かかるか分からない。
施設内には、トイレ、休憩所、バンガローもあり申し分ないが、温泉入浴所としては失格である。せっかくここまで造ったのだから、ボーリング機械でもう一度水脈を掘り起こしたらどうだろう。
タイ工業省中小企業新興庁が、温泉を観光地開発するという記事を読んだ。まずは、北タイから手をつけるらしいが、ぜひカンチャナブリも開発をしていただきたい。せっかく、すばらしい素材がいっぱい転がっているのだから。
屋台料理も美味しかったが、男3人での晩餐は何となく色気がない。食後は、ゲストハウスの近くにあるバービアへ行った。その日はママさんの誕生日で、頭に花のリングをかぶった女性たちが元気に踊っていた。パタヤのバービアと同じである。
さて、ツアー3日目は、2ヵ所の温泉と珍しいお寺を回る計画である。1つ目の温泉はチェンマイ大学の資料によると、ノンプルー群トンラムイヤ村にあると書かれている。村までは市内から約90キロ。これだけでは情報不足だ。ゲストハウスの従業員に、
「ノンプルーの温泉を知っている?」
と訊ねた。すると、彼女はカンチャナブリの観光地図を取り出した。
市内から県道3086号線を北上するとノンプルーの街があり、その少し上に「BAAN PONG CHANG HOT SPRING」と書かれていた。これだ、地図に載っているのなら間違いない! きっと見つかるだろう。
午前8時にゲストハウスを出発して、県道3086号線を1時間ほど走った。信号もなく警察もいないので、時速90~100キロですっ飛ばした。もうそろそろノンプルーの街に着く頃だと思っていたが、行けども行けども山間の森の中で街が現れない。どこにあるのか?
やがて、三叉路のある小さな集落に出た。そこで、商店のおじさんに温泉の場所を訊くと、おじさんは今来た道を指差して、「この先4キロだ」と答えた。通り過ぎてしまったらしい。仕方なくUターンして来た道を引き返す。4キロを過ぎてもそれらしき看板は現れない。車を止めて、後ろから来たバイクの2人組みに訊ねた。彼らに先導してもらい、やっと入り口を発見した。
入り口から1キロほど行くと、左手に高速道路のパーキングのような広々とした駐車場が現れた。トイレらしき建物もある。右奥にはドーム型の屋根が付いた巨大なプールが見えた。道路沿いにある石碑には「プッ ナムローン バーン ポーン チャン」とタイ語で書いてある。ここに間違いない。
早速、駐車場に車を止めてプールを見に行く。プールには少ししか水が入っていない。奥の小さなプールには、円筒形の浴槽が3つあり、そこから微量ではあるがお湯が湧き出ている。手を入れると、体温よりも少し暖かい程度で38度くらいだ。 友人たちは遠慮したが、取材目的で来た私はすぐに入浴を決意した。
水着に着替えて穴の中に入ってみる。浴槽は2段になっていて、腰掛けることができる。北タイにあった個人風呂と同じだが、中央の穴は塞がっていない。足を入れたが底まで届かない。もしかしたら、底なしなのかもしれない。気をつけないと沈んでしまう。
お湯は無色・無臭の単純泉で丁度いい温度であるが、何といっても湧き出る湯量が少ない。昨日の温泉と同じで、湯量の調査をしないで施設を造ってしまったのではないだろうか。チェンマイのサンカンペーン温泉のように、間欠泉が四六時中噴き出ている温泉であれば問題ない。しかし、微量の湯がちょろちょろ流れ出ているようでは、この巨大なプールにお湯が一杯になるには何日かかるか分からない。
施設内には、トイレ、休憩所、バンガローもあり申し分ないが、温泉入浴所としては失格である。せっかくここまで造ったのだから、ボーリング機械でもう一度水脈を掘り起こしたらどうだろう。
タイ工業省中小企業新興庁が、温泉を観光地開発するという記事を読んだ。まずは、北タイから手をつけるらしいが、ぜひカンチャナブリも開発をしていただきたい。せっかく、すばらしい素材がいっぱい転がっているのだから。
2008年7月7日月曜日
カンチャナブリ秘湯ツアー その4
秘湯ツアー2日目は、午前中に2ヵ所の温泉を取材した。昼食はサイヨーク・ノイの滝まで戻って、駐車場にあるレストランで辛くないタイ料理を食べた。鳥の炭焼き、海老のニンニク揚げ、野菜炒めなど。
サイヨークのカオパン温泉はこの付近にあるらしいが、その前にせっかく来たのだからサイヨークの滝を見学することにした。レストランの裏手に岩山があり、そこに滝が流れている。この時期にしては水が少なく、歩いて横切ることができた。そして、少し登って行くと滝壺があった。タイヤのチューブで作った浮き輪が並べてあるところを見ると、子供たちがこの滝壺で遊ぶのだろう。
さらに奥へ進んで行くと、線路があり蒸気機関車が停まっていた。泰面鉄道のナムトック・サイヨーク・ノイ駅である。かつては、この列車でタイからビルマに物資を運んでいた。現在では、観光地の目玉になっている。列車に乗って記念写真を撮り、温泉へ向かった。
聞き込み調査によると、サイヨークのカオパン温泉はサイヨークの滝から1キロほど戻った所を右折するらしい。が、右折の場所が分からずに通り過ぎてしまった。また戻って、レストランで訊ねてやっと入り口の場所が分かり、山裾に向かって車を走らせる。途中、民家や商店で温泉の場所を訊ねながら、だんだんと目的地へ近づいて行く。これが、温泉探しの醍醐味である。山が近くなってきた辺りで、温泉の看板を発見した。ここから一直線、あと一歩だ。
舗装道路もなくなり、赤土の斜面を登り始めた。そろそろ到着かな。
通りすがりのおばさんに、
「カオパン温泉はどこですか?」
と訊くと、
「そこよ」
と、鉄柵の小屋を指差した。
これか、やっとたどり着いた。車を止めて鉄柵の中を覗きこんだ。そこには、ドカンでできた井戸がありポンプのようなものが入っている。これでお湯を汲み上げるのだろうか?
鉄柵の扉には鍵が掛けてなかったので、扉を開けて中に入ってみる。ドカンの中に手を入れると、ぬるいお湯だ。ここが源泉なのか? 残念だが、この温度では入浴は難しい。
源泉の他に何かないかと思い辺りを探してみると、坂に上に休憩小屋らしき建物が見えた。近づいてみるとトイレもあり、草むらの中に半円形のプールが2つ並んでいた。これは明らかに温泉プールである。中には水が溜まっているが、ヘドロで汚れていた。何かの事情で、長い間使用していないのだろう。
県の観光課がお金を出して入浴施設を造ったが、お客が来ないのでそのままになってしまったのか。掃除をして、ポンプでお湯を汲み上げれば入れるのだろうか? それとも、温泉が枯渇してしまったのか? 日本ならば、入浴施設を造る前に湯量を調査するはずだが・・・。 謎は深まるばかりである。
結局、秘湯ツアー2日目は、3ヵ所の温泉を巡って予定を終了した。まぁ、こんなところか。
明日もがんばるぞ!
サイヨークのカオパン温泉はこの付近にあるらしいが、その前にせっかく来たのだからサイヨークの滝を見学することにした。レストランの裏手に岩山があり、そこに滝が流れている。この時期にしては水が少なく、歩いて横切ることができた。そして、少し登って行くと滝壺があった。タイヤのチューブで作った浮き輪が並べてあるところを見ると、子供たちがこの滝壺で遊ぶのだろう。
さらに奥へ進んで行くと、線路があり蒸気機関車が停まっていた。泰面鉄道のナムトック・サイヨーク・ノイ駅である。かつては、この列車でタイからビルマに物資を運んでいた。現在では、観光地の目玉になっている。列車に乗って記念写真を撮り、温泉へ向かった。
聞き込み調査によると、サイヨークのカオパン温泉はサイヨークの滝から1キロほど戻った所を右折するらしい。が、右折の場所が分からずに通り過ぎてしまった。また戻って、レストランで訊ねてやっと入り口の場所が分かり、山裾に向かって車を走らせる。途中、民家や商店で温泉の場所を訊ねながら、だんだんと目的地へ近づいて行く。これが、温泉探しの醍醐味である。山が近くなってきた辺りで、温泉の看板を発見した。ここから一直線、あと一歩だ。
舗装道路もなくなり、赤土の斜面を登り始めた。そろそろ到着かな。
通りすがりのおばさんに、
「カオパン温泉はどこですか?」
と訊くと、
「そこよ」
と、鉄柵の小屋を指差した。
これか、やっとたどり着いた。車を止めて鉄柵の中を覗きこんだ。そこには、ドカンでできた井戸がありポンプのようなものが入っている。これでお湯を汲み上げるのだろうか?
鉄柵の扉には鍵が掛けてなかったので、扉を開けて中に入ってみる。ドカンの中に手を入れると、ぬるいお湯だ。ここが源泉なのか? 残念だが、この温度では入浴は難しい。
源泉の他に何かないかと思い辺りを探してみると、坂に上に休憩小屋らしき建物が見えた。近づいてみるとトイレもあり、草むらの中に半円形のプールが2つ並んでいた。これは明らかに温泉プールである。中には水が溜まっているが、ヘドロで汚れていた。何かの事情で、長い間使用していないのだろう。
県の観光課がお金を出して入浴施設を造ったが、お客が来ないのでそのままになってしまったのか。掃除をして、ポンプでお湯を汲み上げれば入れるのだろうか? それとも、温泉が枯渇してしまったのか? 日本ならば、入浴施設を造る前に湯量を調査するはずだが・・・。 謎は深まるばかりである。
結局、秘湯ツアー2日目は、3ヵ所の温泉を巡って予定を終了した。まぁ、こんなところか。
明日もがんばるぞ!
2008年7月6日日曜日
カンチャナブリ秘湯ツアー その3
ヒンダー温泉からさらに北へ向かって走ると、川を渡ってすぐ左側に『GREEN WORLD HOT SPRING HOTEL RESORT & GOLF CLUB』のアーケードのような看板が見える。そこを潜り抜けて生垣の道を入って行くと、駐車場の奥にグリーン・ワールド・ホテルが見えてくる。
今夜はここに宿泊する予定ではないが、入浴施設を見学したい。できれば写真も写したい。果たして宿泊しないのに見せてくれるだろうか。とりあえず、まだ早いがレストランで昼食でも食べながら取材の話を切り出してみよう。
ホテルに入ると、そこは広々としたロビーになっていて右側の一角にフロントがあった。駄目でもともと、レストランへ行く前にここでお願いしてみよう。
「ここは一泊おいくらですか?」
スタッフの女性はパンフレットを見せてくれた。そこには、日曜日~木曜日は1000バーツ(朝食付き)、金曜日・土曜日・休日は1200バーツ(朝食付き)と書かれていた。温泉付きの立派なリゾート・ホテルにしては安い。
「実は、温泉の取材に来ました。ここのお湯はヒンダー温泉から引いているのですか?」
「はい、そうです」と彼女。
「私はタイの温泉を取材してフリーペーパーに紹介しています」
そう言って、バンコク・シティー・ファインダーを見せた。
「ちょっと待ってください。支配人に訊いてみます」
彼女は支配人を呼んで事情を話した。
支配人はむずかしい顔をしていたが、友人のSさんが、
「フリーペーパーに載ると日本人客が大勢来ますよ」
と言ってくれたので、了解してくれた。
われわれは、ボーイに案内されて1階にある温泉へ向かった。扉を開けると男女に分かれていて、ロッカールーム、シャワールーム、洗面所と続き、奥に大浴場があった。浴槽にはお湯がたっぷり入っていた。手を入れると、ヒンダー温泉より少しぬるい。ボーイがスイッチを押すと、泡が出てきてジャクジーになった。これは最高だ!
大浴場の隣には、大小のサウナも完備されていた。これだけ設備が整っていれば申し分ない。私はゴルフをしないが、ゴルフ好きの人には大満足のホテルである。ひととおり写真を撮って取材を終了しようとしたら、ボーイがジムに案内してくれた。サービス精神旺盛なボーイである。せっかく案内してくれたので、ジムもカメラに収めた。これで終了。
帰り際、フロントに寄ってお礼をいい名刺を渡した。
「フリーペーパーに掲載されたら郵送します」
そう言ってホテルを後にした。
「レストランで高いビールを飲まなくてすんだね」
友人にそう話すと、
「次回はここに泊まりたい」
と2人とも口をそろえて言った。
「そうだなぁ、昼はヒンダー温泉に入って夜はホテルの内風呂に入る。そんな温泉三昧の旅行もいいね!」
いつになるか分からないけど、仲間を募ってまた来ることにしよう。
今夜はここに宿泊する予定ではないが、入浴施設を見学したい。できれば写真も写したい。果たして宿泊しないのに見せてくれるだろうか。とりあえず、まだ早いがレストランで昼食でも食べながら取材の話を切り出してみよう。
ホテルに入ると、そこは広々としたロビーになっていて右側の一角にフロントがあった。駄目でもともと、レストランへ行く前にここでお願いしてみよう。
「ここは一泊おいくらですか?」
スタッフの女性はパンフレットを見せてくれた。そこには、日曜日~木曜日は1000バーツ(朝食付き)、金曜日・土曜日・休日は1200バーツ(朝食付き)と書かれていた。温泉付きの立派なリゾート・ホテルにしては安い。
「実は、温泉の取材に来ました。ここのお湯はヒンダー温泉から引いているのですか?」
「はい、そうです」と彼女。
「私はタイの温泉を取材してフリーペーパーに紹介しています」
そう言って、バンコク・シティー・ファインダーを見せた。
「ちょっと待ってください。支配人に訊いてみます」
彼女は支配人を呼んで事情を話した。
支配人はむずかしい顔をしていたが、友人のSさんが、
「フリーペーパーに載ると日本人客が大勢来ますよ」
と言ってくれたので、了解してくれた。
われわれは、ボーイに案内されて1階にある温泉へ向かった。扉を開けると男女に分かれていて、ロッカールーム、シャワールーム、洗面所と続き、奥に大浴場があった。浴槽にはお湯がたっぷり入っていた。手を入れると、ヒンダー温泉より少しぬるい。ボーイがスイッチを押すと、泡が出てきてジャクジーになった。これは最高だ!
大浴場の隣には、大小のサウナも完備されていた。これだけ設備が整っていれば申し分ない。私はゴルフをしないが、ゴルフ好きの人には大満足のホテルである。ひととおり写真を撮って取材を終了しようとしたら、ボーイがジムに案内してくれた。サービス精神旺盛なボーイである。せっかく案内してくれたので、ジムもカメラに収めた。これで終了。
帰り際、フロントに寄ってお礼をいい名刺を渡した。
「フリーペーパーに掲載されたら郵送します」
そう言ってホテルを後にした。
「レストランで高いビールを飲まなくてすんだね」
友人にそう話すと、
「次回はここに泊まりたい」
と2人とも口をそろえて言った。
「そうだなぁ、昼はヒンダー温泉に入って夜はホテルの内風呂に入る。そんな温泉三昧の旅行もいいね!」
いつになるか分からないけど、仲間を募ってまた来ることにしよう。
2008年7月5日土曜日
カンチャナブリ秘湯ツアー その2
昨日は、泰面鉄道と戦争博物館、戦没者慰霊碑などを観光した。2日目からいよいよ秘湯めぐりが始まる。まずは、市内から国道323号線を北上してヒンダー温泉へ向かう。この温泉は、第二次世界大戦中に日本兵が泰面鉄道を建設している時に発見した。ガイドブックにも載っている、超有名な温泉である。
ヒンダーまでは約110キロ、国道は広く走りやすいので時速90キロで飛ばす。左側にはミャンマーとの国境の山々がそびえ立つ。道路は少しずつ上って行き、山の中に入って行く。この道沿いには、自然公園、国立公園があり滝や洞窟もたくさんある。カンチャナブリはタイでは3番目に大きな県で、ジャングルがたくさん残っている地域なのだ。
2年前、ヒンダーの北にあるカオ・レム・ダムという湖へチャドゥーという雷魚を釣りに行った。大物を狙っていたのだが、2日間雨にたたられて小魚しか釣れなかった。でも、湖面に浮かぶバンガローは最高の雰囲気で楽しい時間を過ごすことができた。
晴天の下、車は快調に走っていたが標高が上がっていくにつれてだんだんと雲行きが怪しくなってきた。サイヨークの滝を過ぎたあたりから小雨が降り出し、やがて土砂降りの大雨になった。まぁ、雨期だから仕方がない。
1時間40分でヒンダー温泉の入り口に到着した。2年前に来た時には小さな目立たない看板しかなかったが、いつの間にか「プッ ナムローン ヒンダー」という立派なタイ語の看板が建っていた。その看板を右折して行くと入り口があるのだが、以前はなかった国立公園並みのゲートが造られていた。これはすごい! よほどお客が来ているのだろう。
料金所には、外国人40バーツ、タイ人10バーツと書かれている。2年間は確か外国人20バーツ、タイ人5バーツだったから2倍になったわけだ。ここで伝家の宝刀を出して、いつもの手を使う。タイの免許証を見せて、
「われわれはパタヤにずっと住んでいる。だから、いつもタイ人料金です」
そう言うと、係りの女性は免許証を見ながら少し考えていたが、納得してくれた。
3人分の30バーツを支払い、車を駐車場に止めた。お風呂セットとカメラを持って温泉へ向かう。橋を渡った向こう岸の川沿いに温泉がある。やっと雨もあがり橋の上から下を見ると、ファラン(西洋人)が大勢で入浴している。訊くところによると、ロシア人の団体らしい。以前は地元のタイ人ばかりだったのに、いつからロシア人御用達になったのか?
川沿いには石を敷き詰めて造られた浴槽が4つある。2つは大人用、1つは子供用、そしてもうひとつは女人禁制の僧侶用である。更衣室で着替えて早速温泉に入ってみる。
一番大きい浴槽は結構深くて、温度も熱い。源泉の温度は40度であるが、すぐそばにあるから40度なのだろう。この熱さでは5分が限界だ。身体が温まったら隣のクワイ川に飛び込んで身体を冷やすと気持ちがいい。周りには木々が生い茂り、渓谷の露天風呂という雰囲気でなかなか風情がある。同行した友人たちも感動していた。
設備はトイレ、更衣室、シャワーの他に、足・全身マッサージ、個室風呂、売店などがある。カンチャナブリから日帰りで温泉を楽しむには十分な場所である。
40分ほど入浴して、次の目的地へ向かった。そこは、ゴルフ場にあるスパ・リゾートホテルだ。宿泊はしないけど、とりあえず取材を申し込もう。
ヒンダーまでは約110キロ、国道は広く走りやすいので時速90キロで飛ばす。左側にはミャンマーとの国境の山々がそびえ立つ。道路は少しずつ上って行き、山の中に入って行く。この道沿いには、自然公園、国立公園があり滝や洞窟もたくさんある。カンチャナブリはタイでは3番目に大きな県で、ジャングルがたくさん残っている地域なのだ。
2年前、ヒンダーの北にあるカオ・レム・ダムという湖へチャドゥーという雷魚を釣りに行った。大物を狙っていたのだが、2日間雨にたたられて小魚しか釣れなかった。でも、湖面に浮かぶバンガローは最高の雰囲気で楽しい時間を過ごすことができた。
晴天の下、車は快調に走っていたが標高が上がっていくにつれてだんだんと雲行きが怪しくなってきた。サイヨークの滝を過ぎたあたりから小雨が降り出し、やがて土砂降りの大雨になった。まぁ、雨期だから仕方がない。
1時間40分でヒンダー温泉の入り口に到着した。2年前に来た時には小さな目立たない看板しかなかったが、いつの間にか「プッ ナムローン ヒンダー」という立派なタイ語の看板が建っていた。その看板を右折して行くと入り口があるのだが、以前はなかった国立公園並みのゲートが造られていた。これはすごい! よほどお客が来ているのだろう。
料金所には、外国人40バーツ、タイ人10バーツと書かれている。2年間は確か外国人20バーツ、タイ人5バーツだったから2倍になったわけだ。ここで伝家の宝刀を出して、いつもの手を使う。タイの免許証を見せて、
「われわれはパタヤにずっと住んでいる。だから、いつもタイ人料金です」
そう言うと、係りの女性は免許証を見ながら少し考えていたが、納得してくれた。
3人分の30バーツを支払い、車を駐車場に止めた。お風呂セットとカメラを持って温泉へ向かう。橋を渡った向こう岸の川沿いに温泉がある。やっと雨もあがり橋の上から下を見ると、ファラン(西洋人)が大勢で入浴している。訊くところによると、ロシア人の団体らしい。以前は地元のタイ人ばかりだったのに、いつからロシア人御用達になったのか?
川沿いには石を敷き詰めて造られた浴槽が4つある。2つは大人用、1つは子供用、そしてもうひとつは女人禁制の僧侶用である。更衣室で着替えて早速温泉に入ってみる。
一番大きい浴槽は結構深くて、温度も熱い。源泉の温度は40度であるが、すぐそばにあるから40度なのだろう。この熱さでは5分が限界だ。身体が温まったら隣のクワイ川に飛び込んで身体を冷やすと気持ちがいい。周りには木々が生い茂り、渓谷の露天風呂という雰囲気でなかなか風情がある。同行した友人たちも感動していた。
設備はトイレ、更衣室、シャワーの他に、足・全身マッサージ、個室風呂、売店などがある。カンチャナブリから日帰りで温泉を楽しむには十分な場所である。
40分ほど入浴して、次の目的地へ向かった。そこは、ゴルフ場にあるスパ・リゾートホテルだ。宿泊はしないけど、とりあえず取材を申し込もう。
2008年7月4日金曜日
カンチャナブリ秘湯ツアー その1
バンコク・シティー・ファインダーに連載をしている『北タイ温泉紀行』も、そろそろ話のネタが尽きてきた。今後は何を書いたらいいかと担当の女性に相談をしたら、「温泉紀行がいいです」と言われたので、またしても温泉ツアーに出かけることになった。
タイ全土には、チェンマイ大学の調査の結果、北部以外にもたくさんの温泉が湧いている。さて、どこへ行こうか? 担当者と相談したところ、バンコクから比較的近い場所にある有名な観光地のカンチャナブリが候補に上がった。
バンコクからバスまたは列車に乗り2時間半ほどで行けるカンチャナブリは、泰面鉄道、クワイ川鉄橋で有名である。温泉については、第二次大戦中に日本兵が発見したヒンダー温泉が広く知られているが、その他にも5~6ヵ所の温泉がある。隣のラチャブリ県にもいい温泉があると聞いた。ついでだから、その温泉にも寄ってみよう。
そんな訳で、パタヤから4泊5日の温泉ツアーの計画を立てた。カンチャナブリまでバスで行き、現地でレンタカーを借りて温泉を探す計画を立てた。当初は単独で行く予定であったが2名の友人が参加することになり、レンタカー代とガソリン代の負担が軽減された。有難いことである。
カンチャナブリは「黄金の街」という意味である。その昔、金や宝石が採掘されていたらしい。金や宝石もすばらしいが私にとってのお宝は金銀財宝ではなく、『タイの秘湯』である。果たしてお宝は見つかるだろうか?
6月29日(日)、パタヤからAM8:00発のバンコク南バスターミナル行きのバスに乗った。日曜日のせいか渋滞もなく、2時間弱で到着した。以前一度きたことがある南バスターミナルは移転して、大きな建物ができていた。中はショッピングモールになっていて、そこにチケット売り場がある。バスに乗る前に買い物をさせるために造ったのであろう。
ちょうど10:10発のバスがあったので、チケットを買いあわててバスに乗り込んだ。乗り継がいい、今日はついているぞ! この調子で行くといいけど。
例によって、途中で乗降を繰り返しながらバスは走り、12:30にカンチャナブリのバスターミナルに到着した。そこからソンテオに乗り、以前宿泊をしたことのあるクワイ川沿いのゲストハウスに向かった。
一泊350バーツのエアコンルームにチェックインして、宿の女性から温泉情報を訊く。
サイヨークの滝の近くにある温泉は、大体の位置が判明した。それから、お寺にある温泉保養所は観光地図に載っていた。レンタカーも紹介してもらった。これで準備OKだ。
初日の予定は始めて訪れる友人のために市内観光と決めていたので、昼食を食べてからクワイ川鉄橋までの2キロの道のりをてくてくと歩いた。途中、戦没者慰霊碑、戦争博物館を見学して、クワイ川鉄橋を歩いて渡った。これで第一日目の予定は終了。
夜は、クワイ川に浮かぶ水上レストランで涼しい川風に打たれながら夕食を楽しんだ。辺りが闇に包まれると、キンキラキンのカラオケ小屋がボートに曳かれてやって来る。いわゆる流しのカラオケ・ボックスのようなものだ。今回はあまり大きな音は出ていなかった。せっかくの風情が台無しになるので、クワイ川での大騒音は慎んでもらいたい。
夜も更けてきたので、ゲストハウスに戻った。同行したFさんが「もう一杯飲もう」というので近くのバービアでビールを飲んだが、朝が早かったので睡魔が襲って来てしまい早めに切り上げた。
さぁ、明日から温泉探しのツアーが始まるぞ!
タイ全土には、チェンマイ大学の調査の結果、北部以外にもたくさんの温泉が湧いている。さて、どこへ行こうか? 担当者と相談したところ、バンコクから比較的近い場所にある有名な観光地のカンチャナブリが候補に上がった。
バンコクからバスまたは列車に乗り2時間半ほどで行けるカンチャナブリは、泰面鉄道、クワイ川鉄橋で有名である。温泉については、第二次大戦中に日本兵が発見したヒンダー温泉が広く知られているが、その他にも5~6ヵ所の温泉がある。隣のラチャブリ県にもいい温泉があると聞いた。ついでだから、その温泉にも寄ってみよう。
そんな訳で、パタヤから4泊5日の温泉ツアーの計画を立てた。カンチャナブリまでバスで行き、現地でレンタカーを借りて温泉を探す計画を立てた。当初は単独で行く予定であったが2名の友人が参加することになり、レンタカー代とガソリン代の負担が軽減された。有難いことである。
カンチャナブリは「黄金の街」という意味である。その昔、金や宝石が採掘されていたらしい。金や宝石もすばらしいが私にとってのお宝は金銀財宝ではなく、『タイの秘湯』である。果たしてお宝は見つかるだろうか?
6月29日(日)、パタヤからAM8:00発のバンコク南バスターミナル行きのバスに乗った。日曜日のせいか渋滞もなく、2時間弱で到着した。以前一度きたことがある南バスターミナルは移転して、大きな建物ができていた。中はショッピングモールになっていて、そこにチケット売り場がある。バスに乗る前に買い物をさせるために造ったのであろう。
ちょうど10:10発のバスがあったので、チケットを買いあわててバスに乗り込んだ。乗り継がいい、今日はついているぞ! この調子で行くといいけど。
例によって、途中で乗降を繰り返しながらバスは走り、12:30にカンチャナブリのバスターミナルに到着した。そこからソンテオに乗り、以前宿泊をしたことのあるクワイ川沿いのゲストハウスに向かった。
一泊350バーツのエアコンルームにチェックインして、宿の女性から温泉情報を訊く。
サイヨークの滝の近くにある温泉は、大体の位置が判明した。それから、お寺にある温泉保養所は観光地図に載っていた。レンタカーも紹介してもらった。これで準備OKだ。
初日の予定は始めて訪れる友人のために市内観光と決めていたので、昼食を食べてからクワイ川鉄橋までの2キロの道のりをてくてくと歩いた。途中、戦没者慰霊碑、戦争博物館を見学して、クワイ川鉄橋を歩いて渡った。これで第一日目の予定は終了。
夜は、クワイ川に浮かぶ水上レストランで涼しい川風に打たれながら夕食を楽しんだ。辺りが闇に包まれると、キンキラキンのカラオケ小屋がボートに曳かれてやって来る。いわゆる流しのカラオケ・ボックスのようなものだ。今回はあまり大きな音は出ていなかった。せっかくの風情が台無しになるので、クワイ川での大騒音は慎んでもらいたい。
夜も更けてきたので、ゲストハウスに戻った。同行したFさんが「もう一杯飲もう」というので近くのバービアでビールを飲んだが、朝が早かったので睡魔が襲って来てしまい早めに切り上げた。
さぁ、明日から温泉探しのツアーが始まるぞ!
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