2008年9月3日水曜日

タイ秘湯ツアー第3弾 その12







チェンマイ県プラーオの温泉


 昨晩泊まったバンガローは以前よりも綺麗にリニューアルされていて、エアコンまで付いていた。これで1泊300バーツは安い。居心地はとてもいいのだが、夜明けになると近所のニワトリがいっせいに鳴き出して、うるさくて眠れない。5時に目が覚めてしまった。
 
 いよいよタイ秘湯ツアー第3弾の最終日となった。今日は、チェンマイ県プラーオ郡にある4ヵ所の温泉を探し当てて、時間があればメーテンのゾウ・キャンプの近くにある温泉リゾート民宿へ行く予定である。

 7時半にバンガローを出発して、県道1150号線をすっ飛ばした。山越えの険しい道だが、道路は舗装されていて昨日のような危ない場面はなかった。1時間ほどでプラーオの街に到着した。

 プラーオには、ノーンクロックという公営の温泉公園がある。ここは有名な温泉だが、実はこの他に4ヵ所の温泉が確認されている。4ヵ所のうち3ヵ所はCHAOが探し当てていて、地図が載っている。まぁ、地図といっても大まかな地図なので、やはり地元の人に訊かなければ探し出すことはできない。まずは、CHAOが命名した牛野原温泉(バーンポーン)へ向かった。

 県道沿いの小さな食堂で、
「バーンポーン温泉はどこですか?」
 と訊ねた。
「すぐそこだ」
 店の主人がいい人で、案内役を引き受けてくれた。

 彼を車に乗せて500メートルほど走ると、左手に牛がたくさん放牧された野原が見えてきた。そこに温泉が湧いているらしい。だから牛野原温泉か、そのまんまじゃん!

 この土地は個人の所有らしく、柵に囲まれていてゲートがあり、鍵がかかっている。正面のゲートからは入れないので、横から回って柵がない所から中に入る。牛の糞の臭いがする野原を歩いて行くと、温泉が湧いていた。

 水温は72度、硫黄泉で湯量も多い。だが、お湯だけなので熱くて入ることはできない。コンクリートの湯船を造って近くの小川から水を引いてくれば、入浴も可能になる。誰か造ってくれないだろうか? 立派な温泉なのに残念である。

 写真を撮って車に戻る途中、店の主人が盛んに話しかけてきた。初めは何を言っているのか分からなかったが、よく訊くと土地の斡旋をしていた。
「この土地をいくらで買いたい?」
 誰も買うとは言っていないのに、強引に迫ってくる。
「いや、買わないよ。外国人は土地を買えないんだ」
「大丈夫、買えるよ。いくらなら買う?」
「金がないから買えないよ」

 店の主人は地主から依頼を受けているのだろうか。タイ人にしては、かなり熱心な勧誘である。主人の勧めを丁重にお断りして、次の温泉へ向かった。

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