2009年1月31日土曜日

タイ秘湯ツアー第4弾 その12







 クラビの滝湯 HOT STREAM

 パンガーの超高級スパ・リゾートを後にして、今夜の宿を探しにプーケット島へ向かった。プーケットは18年前に訪れて以来である。当時は、パトン・ビーチの近くで1泊100バーツのバンガローに泊まった記憶がある。今では100バーツの宿はないだろうが、500バーツくらいならあるかもしれない。

 パトン・ビーチの安宿街でゲストハウスを探したが、かつての面影はなく店やホテルが建ち並び、どこの安宿も1泊1200~1500バーツと高い。津波の影響で、造り直したのであろうか? 仕方なく諦めてプーケット・タウンへ行き、1泊250バーツの綺麗なゲストハウスを見つけて宿泊した。

 翌日(1月11日)はプーケット島を車で一周する予定だったが、同行した女性が夜の便でバンコクに帰ることになったので、島一周はキャンセルして早朝からプーケットを脱出してクラビへ向かった。その日は移動日と考えていたが、クラビの目玉の温泉へ行くことになった。

 クラビへ行く途中、タイ語の地図にサラゲーウという温泉が記されていた。これは、チェンマイ大学の資料にも載っていない。新しく発見された温泉なのだろうか? 温泉があるはずの村に入り、
「この辺に温泉はありますか?」
 と何度か訊ねたが、答えはすべてNO。ということは、この温泉マークはミスプリントであった。残念、無念!!

 クラビのアオ・ナンビーチへ行き、PKマンションという1泊500バーツのゲストハウスにチェックインした。部屋が2つしか空いていなかったので、2人で1部屋に泊まることになった。昼食を食べてから、クラビで一番有名な滝温泉へ向かった。

 国道4号線を東に走り、クロントム郡の中心から県道4038号線を左折した。しばらく走ると、『HOT STREAM(温かい小川)』の看板が現れた。これが有名な滝温泉である。

 ここは入場料90バーツ(タイ人20バーツ)、駐車場20バーツになっていた。タイの運転免許証を提示してタイ在住をアピールしたが、タイ人料金にはならなかった。客が少ない北タイの国立公園とは大分違う。

 入場料を払って中に入り、森の中の遊歩道を歩いて行くと、石を固めた大きな温泉プールがあった。まずは、ここで入浴。なかなかいいお湯であった。つづいて、さらに奥へ入って行くと、温泉が滝を流れて川に注いでいる場所があった。すばらしい雰囲気の温泉であるが、その日は日曜日だったので家族連れが多く満員御礼の状態で、子供たちのパラダイスになっていた。何とか子供たちを掻き分けて、滝壺に入浴した。ここは、平日に来なければダメだろう。

 滝温泉からさらに14キロほど山に入ると、エメラルド・プール(別名クリスタル・ポンド)という天然のプールがある。ここは温泉ではないが、クラビでは有名な場所なので訊ねてみた。

 入場料は200バーツと高かったが、仕方ない。森の中を30分ほど歩くと、エメラルド・グリーンの天然プールがあった。確かに綺麗な水であったが、ここも子供たちの遊び場になっていた。プールに入っている写真を写して、クラビへ戻った。

 

2009年1月29日木曜日

タイ秘湯ツアー第4弾 その11







 アンダマン海を望む超高級スパ・リゾート・ホテル

 川を堰き止めた温泉プールに入浴をして、ガボン郡の街中で昼食を食べた。食後は、本日最後の温泉・ターイムアン郡のバーンボーダン温泉を目指す。車は県道4090号線を南下して、国道4号線に出た。

 バーンボーダン村の近くに来ると、温泉マークの標識が現れた。これは期待が持てる。4号線からアンダマン海沿いの道に出ると、巨大な入口が見えた。塔が3つ並んでいて、入口通路と出口通路の2車線が敷地の中に通っている。入口の横の看板には、『THE HOTSPRING BEACH RESORT & SPA』と書かれていた。これが温泉? ていうか、超高級スパ・リゾート・ホテルじゃん!!

 左側の入口通路から中に入り、奥へ奥へと進んで行くと森の中に入った。森の向こうは、アンダマン海が広がっている。温泉はどこだろう? 車から下りて辺りを探した。が、どこにもない。ホテルの従業員に訊ねようとしたけれど、誰もいない。森の中に池やコテージがあるが、まったく人の気配がない。まだ、建設中なのか?

 入口方面へ戻って、やっとホテルのロビーを見つけた。中に入り、マネージャーらしき人に話を訊いた。
「私はタイの温泉を調べて本を書いている者です。バーンボーダン温泉はここですか?」
「そうです」
 とマネージャー。
「源泉を見たいのですが」
 そう言うと、彼は我々を案内してくれた。

 ホテルの広い中庭には大きな楕円形のプールがあり、回りにはコテージが建ち並んでいる。プールの両サイドには、屋根付きの温泉プールが2つある。マネージャーに、
「入浴料はいくらですか?」
 と訊いたら、
「500バーツ」
 と言われた。
 こりゃ高すぎる。今までタダで入浴してきたので、このギャップはきつい。確かにすばらしいホテルだが、入浴する気にはならない。

 温泉プールの脇を通り過ぎて行くと、源泉池があった。温度は45度。すぐ近くには足湯のプールもあったので、足だけ入浴した。だって、500バーツも払えないもん!!

 ひと通り見学して写真を撮り、ロビーに戻った。新井さんが、
「見るだけじゃ悪いから、ビールでも飲もう」
 と言った。
 こんなホテルのバーじゃかなり高いだろうな。多分、来ることもないし義理立てする必要もないと思ったが、付き合いで飲んだ。案の定、小瓶1本120バーツ、5本で680バーツ(サービス料込み)も取られた。幹事としては、みんなに申し訳ない気持ちで一杯だった。

 ビールを飲みながらボーイにパンフレットを持って来させた。それを見ると、このホテルは75の部屋があった。料金は6500バーツが最低で、HOTSPRING POOL SUITE(内風呂付きコテージ)は何と28000バーツもする。マネージャーに訊ねたら、どうやらホテルが温泉権(土地付き源泉)を買い取ったらしい。他に源泉はあるのか確認したら、ここにしかないと言われた。お金持ちが来るところだね、ここは。

 秘湯ツアーには相応しくない温泉だったけど、とりあえず取材は終了した。宝くじでも当たったら、また来るか!!!

2009年1月28日水曜日

タイ秘湯ツアー第4弾 その10







 川を堰き止めた温泉プール

 源泉だけのロムマニー温泉を後にして、同じガボン郡にあるバーンチャップ村を目指した。国道401号線から県道4175号線に出て、しばらく走ると温泉の標識が見えた。今度はちゃんとHOT SPRINGと書いてあるから、温泉に間違いないだろう。

 標識の指示通りに走って行くと、途中にも2ヵ所標識があった。ところが、目的地の直前になると標識が消えてしまう。タイの道路標識はどこでもそうである。要するに、ツメが甘いのである。

 舗装道路がなくなり、凸凹の悪路を走って行くと広い川原に突き当たった。川の一部が土嚢によって堰き止められ、プールみたいになっている所があった。これが温泉か? 車から下りてプールに手を入れてみると温かい。温泉に間違いない。

 源泉湯と川の水を合流させて、ちょうどいい温度のところを堰き止めたのである。川原の温泉、川底から湧き出ている温泉は北タイでは何ヵ所か入った事があるが、今回は初めてだ。上流には源泉があるはずだが、源泉探しは後にしてとりあえず今日初めての入浴開始。

 温泉プールは浅いので、横になって入浴する。広々とした露天風呂は気持ちがいい。みんなも次々に入浴して、大はしゃぎ。誰もいないし入浴料もタダ。仮設のトイレは使用不可だったから、まだできたばかりなのだろうか。

 入浴後、上流の源泉を見に行った。川原のあちこちから熱いお湯が湧き出ていて、一番大きな源泉池の湯温は72度もあった。チェンマイ大学の調査では60度と記されていた。もしかしたら、別の温泉かもしれない。

 72度のお湯がどんどん湧き出ているなら、村の財政事情もあるのだろうが、もう少しお金をかければすばらしい温泉施設ができるはずである。山奥の湯河原温泉といったところか。それとも、土嚢で堰き止めた温泉プールはあくまでも仮設であって、これから本格的な温泉施設を造るのかもしれない。期待したいところだが・・・。

 温泉から帰る途中、村人に、
 「バーンチャップ温泉は1ヵ所だけですか?」と訊ねた。すると、やはり1ヵ所だけだった。もしかした ら、もっと上流に源泉が潜んでいるのかもしれない。

 パンガー県の温泉はあと1ヵ所ある。今日中に発見して、今夜はプーケット島のパトンビーチに宿泊する予定である。

 さぁ、あと1ヵ所、がんばるぞ!

2009年1月27日火曜日

タイ秘湯ツアー第4弾 その9







新温泉発見か?

 スラタニ県の2日間の温泉めぐりは終了し、次に目指すはプーケットの北、アンダマン海に面したパンガー県である。ここは、映画『007 黄金銃を持つ男』の舞台になったピンガー島(俗称 ジェームズボンド島)で有名である。パンガーでは、3ヵ所の温泉を探すことになっている。

 1月10日、AM7時にチェックアウトして、縁起のいい朝粥を食べて8時に出発した。国道401号線を時速100キロですっ飛ばす。道は広く綺麗で、車はほとんど走っていない。まるで高速道路のようである。

 出発をして約1時間経過した時、左側にタイの温泉マーク(温泉というより噴水マーク)の標識を発見した。急ブレーキをかけて車を止め、バックして標識を確認した。温泉のマークに間違いないが、書いてある言葉が気になる。タイ語で『ボー ナム プッ』その下に英語で『NAM PHUT SPRING』と書かれていた。英語の方は、タイ語と英語の合成になっている。これは、『水が湧き出る泉』という意味になる。果たして温泉なのだろうか?

 標識の矢印に従って右折すると、休憩小屋がありその奥に池があった。これが新温泉か?
池の淵には石段が造られている。その石段を下りて、池に手を入れたらただの水だった。いわゆる湧き水だったのである。そういえば、標識にはローン(タイ語で熱いの意味)とHOTがなかった。新発見かと思ったのに、残念!!

 気を取り直して、パンガー県ガボン郡へ向かった。ガボンには2ヵ所の温泉がある。ロムマニー村に入り温泉の場所を訊ねたが、みんな言っていることが違っていてなかなか辿り着けない。そのうちに、ガイド役が現れてバイクで案内をしてもらった。

 彼は、森の中でバイクを止めて歩き出した。われらも車から下りて彼の後を着いて行く。5分ほど歩いて、源泉に辿り着いた。これじゃ説明できないし、聞いても判らないよ。

 源泉にはドカンが設置してあって、そこからお湯が流れていた。温度は63度もあり、入ることはできない。残念だけど、写真だけ撮って終了。苦労した割には、結果が伴わなかった。まぁ、秘湯探しにはこんなことはよくあることだから仕方がない。

 さぁ、次は温泉に入るぞ!!

タイ秘湯ツアー第4弾 その8







 三四郎池で入浴

 スラタニ県最後の温泉は、最初に入浴したチャイヤ郡の南のターチャン郡にある。スラタニ市内から海沿いの県道4112号線を北上し、温泉のある村で場所を訊ねた。言われた通りに走って行くと、そこはお寺だった。そういえば、チェンマイ大学の資料に書かれていた住所はワット・ターン・ナム・ローン(源泉がある寺)だった。お寺の温泉とは、ご利益がありそうだ。

 門をくぐって奥へ奥へと進んで行くと、森の中に池が見えてきた。これが温泉なのか?
車を下りて池の淵まで行き、手を入れてみると、ちょうどいい湯加減だった。でも、そこが見えない不気味な池だ。大丈夫だろうか?

 板橋が3メーターほど伸びている。池の底に何があるか分からないので、サンダルを履いたまま板につかまりゆっくりと入って行った。板橋の先端には杭があり、そこが立っていられる限界だ。杭につかまりながら入浴している様は、師・矢野正五郎に許しを乞うために池に飛び込んだ姿 三四郎のようだった。

 ♫ 月が笑うぞ 三四郎 ♫ と唄いながら入浴。 満足 満足!!

 池の横にはプールと個室風呂の建物がある。だが、お湯は入っていなかった。池の裏手はサイの河原になっていて源泉もあったが、ほとんどが乾いていた。かつては、かなりの量のお湯が噴出していたようだ。だんだんと枯渇していくのだろうか。スラタニの観光協会がボーリングをして、設備を整えればお客を誘致できるのだが、残念である。

 スラタニ県の温泉めぐりはこれで終了した。2日間で7ヵ所を回り、6ヵ所に入浴することができた。これだけ狭いエリアで、入浴可能な温泉が6ヵ所もあるところは今までになかった。北部のメーホンソーン県のパーイにもたくさんの温泉があるけれど、入浴できるのは3~4ヵ所しかない。ということは、温泉に関してはパーイより進んでいるということだ。

 昨年から、タイ工業省中小企業振興庁が温泉の観光地開発を進めている。日本の由布院温泉からアドバイザーを招いてセミナーを開いて、参加企業や投資先を集めてプロジェクトを進めている。まずは、北部チェンライ県などの10ヵ所を皮切りに開発をしている。タイの温泉というと、チェンマイ、チェンライなどの北部が思い浮かぶが、南部にもすばらしい温泉はたくさんある。スラタニのケースもそうであるが、設備の管理とメンテナンス、温泉へのアクセス、宿泊施設、レストラン(タイ料理以外)等の問題がクリアできれば観光客誘致は可能になるだろう。

 いつの日か、スラタニ駅前に『いで湯の里 スラタニへ ようこそ』という看板が建てられることを願うばかりである。

2009年1月26日月曜日

タイ秘湯ツアー第4弾 その7







 深い浴槽はかけ湯専用

 これまでに、スラタニ県の5ヵ所の温泉を回って来た。いずれも、入浴料は無料でのんびりとした良い温泉だった。その中で、初めて源泉だけで入浴できなかったのはカオ・プー温泉だった。まぁ、仕方ないだろう。そのカオ・プー温泉を後にして、次の温泉へ向かった。

 線路沿いの未舗装道路を南へ向かって走り、隣のバンナーサン郡の中心部に入った。そこから、県道4229号線で温泉があるワンヒン村へ入る。地元の人に場所を訊ねて行ってみたら、そこは民家だった。これはおかしいぞ?

 あちこち訊いて回っているうちに、またしても助っ人登場!! ある人が、バイクで温泉まで案内してくれた。本当に田舎の人は親切である。

 そこは公園になっていて、入り口の看板にはタイ語で『歓迎』という意味の言葉が書かれていて、その下に『子虎のキャンプ 温泉』と書かれていた。虎がいるのだろうか? それとも小虎のキャンプという通称なのだろうか? よく判らない。

 車で中に入って行くと、大きな四角い浴槽が見えた。周りには、石でできたベンチが並べてある。奥にはトイレのような建物もある。なかなか整備された温泉だ。車から降りて、浴槽を覗くと、水は透き通っているがかなり深そうだ。多分、3~4メーターはあるだろう。湯温は41度くらいで、ちょうどいい温度である。さぁ、入ろう。

 とその時、腰巻姿のおじいちゃんがバケツとタオルを持ってやって来た。おじいちゃんは石のベンチに座り、バケツでお湯を汲んで身体にかけた。私が服を脱いで入ろうとしたら、
「汚いからダメだ」
と言われた。
 
 それは、浴槽が水コケで汚れているからダメと言ったのか、それとも人が入るとお湯が汚れるからダメと言ったのか、その時は判らなかった。でも、今考えれば多分後者が正しいと思うが、その時は「マイペンライ」と言って、入ってしまった。

 思ったとおり中は深く、足は底かで届かない。立ち泳ぎをしながら浴槽の角に手を乗せて写真を撮ってもらった。足をばたばたさせていると、内部にこびり付いている水コケが剥がれてきてお湯が汚れる。風呂から出て、水コケを掃除した。

 仲間も次々に入浴していると、2人の村人がやって来て、奥の建物に入って行った。見てみると、そこにはバスタブがあり、お湯を入れていた。
「バスタブに入ってください」
 と言われてしまった。外の浴槽はやっぱりかけ湯専用だったのだ。これは失敬!

 みんな風呂から上がり身体を拭いている時、奥の森を調べに行った。すると、もうひとつ丸い浴槽があった。ここもかけ湯のみで入浴は禁止だろう。でも、旅の恥は掻き捨てとばかり、また入浴してしまった。

 村のみなさん、ゴメンナサイ!!

2009年1月24日土曜日

タイ秘湯ツアー第4弾 その6







 狐につままれた湯

 朝粥に朝風呂と、2日目も幸先のいいスタートを切ることができた。今年は春から縁起がいいぞ。これも日ごろの行いがいいからだろう。仏陀が生まれたネパールのルンピニで買ってきた、菩提樹の実で作った数珠のご利益かもしれない。

 われら秘湯探検隊は、国道401号線を戻り国道41号線を南下した。向かうはバーンナードゥーム郡のバーン・カオプッ温泉。温泉がある村は、郡の中心地より10キロほど北の線路沿いにある。道に迷いながら何とかカオプッ駅まで辿り着き、村人に温泉の場所を訊いたが、なかなか見つからない。だんだん駅から遠くなっていく。最後に言われたとおり道をゆっくり北上して行くと、見覚えのある写真入の看板が出てきた。

「あれ、これは昨日来た所じゃないの?」
 仲間もみんなそうだと言っている。確か、ラッタナコサイ温泉だ。
「えーっ、おかしいんじゃない?」

 昨日訪れたラッタナコサイ温泉はプーピン郡で、これから行く所はバーンナードゥーム郡。両方の地図をつなぎ合わせても全然違う場所にある。どこで間違ったのだろう? 頭の中が混乱して、額から汗が出てきた。まるで、狐につままれたようだ。

 納得ができないまま、ラッタナコサイ温泉へ来てしまった。時刻は11時。頭の中を整理するため、温泉の前にある食堂に入り、地図を広げてみた。冷静になって、もう一度2つの地図をつなぎ合わせてみた。すると、先ほどは車の中で慌てていたので逆に合わせていたことが判った。

 よく見ると、ラッタナコサイ温泉があるプーピン郡ターサートン村とバーンナードゥーム郡のカオプッ村は隣り合わせになっていた。これで納得できた。駅の近くで「温泉はどこ?」と訊ねたので、この辺で一番有名なラッタナコサイの場所を教えてくれたのだろう。
やれやれ、早めの昼食を食べてもう一度仕切り直しだ!!

 カオプッ駅に戻り、駅前の商店で温泉の場所を訊ねた。すると、親切なお兄ちゃんがバイクで案内してくれた。表通りから曲がって森の中に入り、行き止まりでバイクを止めて、そこから歩いて源泉まで連れて行ってくれた。これは、口で説明することはできない。

 源泉は、火山の噴火あとのような小さな穴が開いていて、そこからお湯が湧いていた。周りには祠や仏像が祀られてあった。源泉の温度は56度と十分な温度だが、入浴することはできない。仕方なく、写真を写して温泉を後にした。親切なお兄ちゃんには、20Bのチップを渡した。

 ありがとう、お兄ちゃん!!
 

2009年1月20日火曜日

ラオスへ

 今夜のバスでラオスへ行きます。戻りは23日になります。それまで、タイ秘湯ツアー第4弾は一時中断させていただきます。話はその20くらいまでありますので、お楽しみに。

タイ秘湯ツアー第4弾 その5







 森の中の枯れ葉の湯

 ツアー2日目の1月9日、われら4人は朝7時にホテルを出発した。同行の女性は、すでにサムイ島へ向かっていた。昨日、ホテルで食べたアメリカン・ブレックファーストは時間がかかった上あまり美味しくなかったので、今日は外で食べることにした。

 早朝から開いている店は少ないが、地元の人たちが集まるお粥屋は営業をしていた。そこで、カオ・トム・ムー(豚挽き肉いりのお粥)を注文した。店員に「玉子は入れますか?」と訊かれたので、入れるように頼んだ。

 乾季の朝は涼しく、あったかいお粥はとても美味しい。玉子入りのお粥を食べて、食後はコンデンスミルクたっぷりのネスカフェを飲み、これで35B(日本円で約92円)超激安だ。やっぱり田舎はいいなぁ!

 朝食を済ませて、8時出発。目指すはカンチャナデイト郡のボー・ナムローン温泉。観光地図にも載っているから、多分入浴できるだろう。『ボー・ナムローン』とはお湯の井戸という意味で、いわゆる温泉のこと。だから、ボー・ナムローン温泉は温泉温泉ということになっちゃう。チゲ鍋と一緒だ。

 スラタニ駅からホテルがあるスラタニ・タウンへ通じる国道401号線を、駅と反対方向の東方へ走る。約30キロ走って、村で温泉の場所を訊ねる。細い村道を入って行くと、行き止まりのような場所に森があり、入り口があった。入り口の横の古びた看板には『ボー・ナムローン』とタイ語で書いてあった。ここに間違いない。

 そこは公園になっていて、プールが2ヵ所、屋外のバスタブ、足湯、休憩小屋、などが造られていた。しかし、枯れ葉だらけで掃除がされていない。温泉に入るタイ人もあまりいないのだろうか?

 少し離れたところにはトイレもあったが、ドアの鍵は壊されていて、水も出なかった。せっかくこれだけの施設を造り観光地図にも載せているのに、十分な管理がされず放置されているのは、温泉ファンとしては誠に残念である。唯一、網で作った屋根がある温泉プールだけはお湯が入っていて入浴できる状態だった。ここに入ろう!

 この温泉は、源泉の温度が41度しかなく、そこからお湯を引いているのでプールの温度も低い。温度計で計ったら38度だった。日本人には少しぬるいが、長く入ることができゆっくりくつろげる温泉である。みんなで30分ほど朝風呂を楽しんだ。 

 さぁ、今日はスラタニ県の4ヵ所の温泉を回らなければならない。次の温泉へGO!

タイ秘湯ツアー第4弾 その4







 小高い丘のガマンの湯

 ラッタナコサイ温泉、通称『国王の栄誉を称える温泉公園』で本日2回目の入浴を済ませ、最後に向かうは隣のキリラッタニコム郡のバーン・カオノイ村。バーン・カオノイとは『小高い丘の村』と言う意味である。地図で探すと、ラッタナコサイ温泉から西へ約70キロのプンドゥアン川沿いにある。時刻は午後3時を回った。明るいうちにホテルに戻れるだろうか?

 国道41号線をスラタニ市内に向かって戻り、国道41号線を左折して30分ほど走る。途中で村へ通じる道を右折して、川沿いの道に出た。その道をしばらく行くと、市場があった。市場には野菜や果物、海の魚、貝などがたくさん売られていた。
 「バーン・カオノイの温泉はどこですか?」
 魚屋のおばさんに訊くと、
 「この道を5キロほど行ったところよ」
 と教えてくれた。

 この温泉は、観光地図には載っていない。あまり有名な温泉ではないのだろう。と言うことは、多分入浴は無理だろう。まぁ、源泉だけでもいいか。そう考えていた。

 市場から5キロほど走ると道は緩やかな上り坂になり、右手に池がある公園が見えてきた。左手にはコンクリートの半円形の囲いがあり、その下は石をコンクリートで固めた池があった。これが温泉なのか?

 車を降りて、池に手を入れてみた。これが結構熱い。資料によると源泉の温度は53度、これでは入浴は無理だろう。でも、何とか入りたい。池のお湯は下へ流れていて、一番端には丸い湯船がある。そこは、源泉から少し離れているので多少温度は低くなっている。足を入れたが、かなり熱い。45~6度はありそうだ。全身で入れるだろうか。

 仲間にカメラを渡して、
 「入浴したらすぐにシャッターを切ってくれ」
 と頼んで、服を脱ぎ湯船に入った。

 う~~、熱い。早く撮ってくれ。手を合わせてガマンをしたが、5秒が限界だった。
あわてて風呂から出たら、身体が赤く火照っていた。こりゃ、罰ゲームの熱湯風呂だね。

 初日はこれで終了。3ヵ所を回ってすべて入浴した(2人だけ)。野球でいうと打率10割。これはスゴイ!! しかもすべて無料。スラタニはいいところだ。明日も楽しみだ。

 夕食は、街の屋台通りにある店に入った。そこで、ビールと野菜炒め、豆腐のスープを注文した。メインディッシュは、日本語が話せる女性が経営している寿司屋台のサバ寿司だ。彼女はたこ焼きの屋台も持っており、たこ焼きも注文したがたこが切れていて、たこなしのたこ焼きだった。サバ寿司や昆布の軍艦巻き、アナゴ寿司をたらふく食べた。

 同行の女性は、明日サムイ島へ日帰りで行くと言い出した。アクティブな女性だ。われら4人は、当初の予定通りスラタニの4ヵ所の秘湯を探す。

 さて、明日はどんな秘湯に入れるのか?

2009年1月19日月曜日

タイ秘湯ツアー第4弾 その3







 国王の栄誉を称える温泉公園

プッカオ温泉を後にして、われらタイ秘湯ツアー団は国道41号線を南下した。もう昼に近かったので、次の温泉へ行く前に腹ごしらえをしなければならない。国道沿いのスタンドの敷地内にある食堂でぶっ掛け飯をかきこんだ。

 ツアー初日の2ヵ所目は、観光地図にも載っているラッタナコサイ温泉だ。地図にも載っているので簡単に見つかると思っていたが、これが大誤算だった。観光地図には国道44号線付近に書かれていたが、何と5万分の1の地図には国道44号線が載っていない。かなり古い地図なのだろうか? 国防省は何をやっているんだ! こんなことで国を守れるのか? それとも44号線は秘密の軍用道路ですか。とりあえず41号線を南下して、プーピン郡とバーンナードゥーム郡の郡境にあるターサートーン村を探した。

 国道沿いの電気屋さんで地図を描いてもらったが、目印の工場が見つからずUターンを繰り返した。やっと村まで辿り着き、村人に何度もラッタナコサイ温泉の場所を訊ねた。そして、ついに温泉の写真入り看板を発見して何とか辿り着いた。そこは立派な公園で、表の看板には『国王の栄誉を称える温泉公園』とタイ語で書かれていた。これは由緒ある温泉公園だ。心して入らないといけないぞ!

 車で園内に入ったが、ゲートはなく入園料も請求されなかった。温泉を探しながら走って行くと行き止まりになった。車を止めてあたりを見渡すと、芝生の向こうに石で固めたプールが見えた。あれが温泉か?

 車から降りて温泉セットを持って近づいて行くと、やはりそれが温泉であった。プールは3段になっていて、上から下に流れるようになっている。チェンマイ大学の資料によると、源泉の温度は70度と記されている。これは期待できるぞ。

 1番上の四角いプールはかなり熱く入ることはできない。2段目の丸いプールも手を入れるのがやっとの状態だ。3段目の四角いプールは少し熱いが何とか入れそうだ。早速、服を脱いで足を入れてみた。初めは熱く感じたが、入ってしまえば我慢できる。う~ん、なかなかいい湯だ! 冷たいビールがあれば最高なんだけど、そんなもの公園にはない。

 またしてもみんなで騒いでいたら、ピクニックに来ていたタイ人たちが集まって来た。ひとりの少年が服の上からかけ湯をしていたが、大人たちは見ているだけで誰も入ろうとはしない。彼らにはこの温度(約43度)の温泉には入れないだろう。

 この公園にはバンガローや屋根付きのプールも造られているが、まだオープンしていない。近日中に開放されると思うが、タイのことだからいつになるか分からない。タイ人も利用している綺麗な公園なので秘湯というわけにはいかないが、温泉としては合格である。

 時刻は午後3時、もう1ヵ所回るとするか。

2009年1月18日日曜日

タイ秘湯ツアー第4弾 その2







 古代の湯 プッカオ温泉

 1月8日、スラタニのホテルを午前9時35分に出発した。まず初めに目指す所は、ずばりガソリンスタンドだ。タイのレンタカーはほとんどガソリンがゼロの状態で貸し出される。日本のように、満タン渡しの満タン返しではないのだ。最寄りのスタンドで給油をした。昨年、原油が高騰した時はどうなるのかと思っていたが、やっと高騰前の水準に戻った。でも、軽油がハイオクより高いとはどういうことだ!!!

 国道417号線から国道41号線へ入り北上する。乾季の空は快晴で、道は広く両脇には椰子林が続いている。海が近いせいか、北タイの山奥とは違い開放的な南国の風景を醸し出している。車は時速100キロで快調に走った。

 国道41号線からさらに海沿いの県道4112号線に出て、温泉があるカオ・ナムローン村に入った。道路沿いの民家で温泉の場所を訊ねる。場所はすぐに判ったが、入り口を通り過ぎてしまい、裏口から入った。1時間ほどで辿り着いた。やっぱり地図があると便利である。

 そこは、中央に池がある公園で、隅の方に小高い岩山があり木が生い茂っていた。山の中腹には祠がある。車を止めて石段を登ろうとしたら、看板があった。看板には『PHUKHAO NAMRON(プッカオ温泉)』と書かれていた。名称は違うが、ここに間違いない。初日の1ヵ所目から入浴できるとはラッキーだ。しかも入浴料はタダ。

 石段を登って行くと、2つの小さな洞窟があった。今では仏像が祭られているだけだが、かつてはそこに源泉があったらしい。現在は山の下に源泉があり、となりが温泉プールになっている。温度は45度とまぁまぁだが、何故か水が緑色に濁っている。水コケがついているのだろうか?まぁ、そんなことはどうでもいい、とりあえず入浴だ!

 温泉探しの時にはいちいち着替えるのが面倒なので、短パンの下に海パンをはいている。シャツと短パンを脱ぎ捨ててドボン。乾季は涼しいので温泉に入るにはもってこいの季節である。見た目は緑色で気味が悪いが、入ってしまえば気持ちがいい。仲間も次々に入浴した。われらがはしゃいでいると、近所の女の子がおばあちゃんと一緒にやって来て、水遊び(お湯遊び)をしていた。

 看板によるとこの温泉はマジック・ウォーターで、古代の宗教儀式に使われていたらしい。地面の中からお湯が湧き出るのだから、そもそも温泉とは神秘的なものなのだ。何かご利益があるかもしれないぞ!!

タイ秘湯ツアー第4弾 その1







 昨年は、タイ中部、北部へ3回の秘湯ツアーを行った。初めはカンチャナブリ、ラチャブリ県、第2弾はウタイタニ、ガンペンペット、ターク県、第3弾はランプーン、ランパーン、プレー県。その後は、インドへ苦行の旅に出てしまったので秘湯めぐりには行っていない。だが、新春の企画はすでに立ててあった。

 秘湯探しはチェンマイ大学の資料を基にして行っている。資料には、県・郡・村・温泉名が記されているのだが、市販の地図では郡までしか載っていない。いつも郡に入ってからが苦労する。1ヵ所を探すのに最低2~3時間はかかる。ひどい時には半日かけて1ヵ所ということもあった。これでは、時間とガソリンのロスである。そこで、タイ国防省へ出向いて5万分の1の地図を買った。地図上で温泉がある村を探し、目印を付けた。これで準備完了だ!!

 今回のツアーでは、タイ南部3県の温泉を調査する。バンコクから夜行列車でスラタニ(サムイ島への玄関口)へ行き、そこから例によってレンタカーを借りて秘湯めぐりをする。スラタニ、パンガー、クラビ3県にある15ヵ所を回り、ついでにピーピー島を観光してバンコクへ戻る計画を立てた。当初、男性4人で行く予定だったが、前日に女性がひとり飛び入り参加して5人になった。いよいよ新春特別企画の珍道中が始まる!!

 1月7日、バンコク・フォアランポーン駅17:05発のトラン行きの夜行寝台列車に乗り込んだ。今回は新春特別企画なので贅沢にもコンパートメントの1等寝台を予約した。これなら時間を気にせずにゆっくり飲んで騒ぐことができる。駅の外で買ってきた焼き鳥やから揚げをつまみに缶ビールで乾杯。同行の女性は2等寝台しか予約できなかったが、一緒にコンパートメントで酒を飲み、午後10時に自分のベッドに戻った。

 列車は、翌朝4時25分にスラタニ駅に着いた。まだ外は真っ暗だ。駅前の食堂でコーヒーを飲みながら、ホテル・レンタカーの情報を集めた。スラタニの街は駅から14キロのところにあり、そこまでバスが出ているのだが始発は6時半。そこで、ソンテオをチャーターして街に向かった。運転手の紹介で、一泊450Bのホテルにチャックインして9時まで休むことにした。

 その間私は、レンタカーの手配をして観光地図をチェックした。すると、スラタニ観光地図に3ヵ所も『HOT SPRING』の文字があった。スラタニでは7ヵ所の秘湯を探す予定だが、どんな所か全くわからない。でも、地図によればすでに3ヵ所は確定したことになる。地図に載っているということは多分入浴可能だろう。幸先のいいスタートだ、ラッキー!!

 ホテルのレストランで朝食を食べて、トヨタの5人乗りピックアップ・トラックに温泉セットを積み込んだ。運転は私が担当する。ナビゲーターは新井さん。少し眠いが気合を入れて、エンジンをかける。さぁ、秘湯ツアーの始まり、始まり!!