2009年2月1日日曜日

タイ秘湯ツアー第4弾 その13







 ヤシ林とゴム林にある秘湯

 クラビの中心部から国道4号線で東へ20キロほど行った所に、ヌアクロン郡がある。そこには、2ヵ所の温泉があるとチェンマイ大学の資料には記されてある。まずは、ホワイユントック村を訪ねた。

 村までは簡単に辿り着いたが、そこからが大変だった。村人に場所を訊いても、みんなそれぞれ言うことが違う。
「学校の横を曲がって500メートルだ」
 言われたとおりに行ってみても、温泉などどこにもない。近くの民家で訊いたら、さらに奥に入るように言われて行ってみたが、森の中に入ってしまいギブアップ状態だ。

 諦めかけた時、自宅の庭で上半身裸で草刈をしている男性に声をかけた。
「この辺に温泉はありませんか?」
 彼は草刈機を止めて、
「2ヵ所あるよ」
 と答えた。
「どこですか?」
 そう言うと、家の中に入ってしまった。

 しばらくして、シャツを着て戻って来た。どうやら、バイクで案内してくれるようだ。これはありがたい。バイクの後に着いて5分ほど走った。先ほどの村人の説明とはまったく違う場所だ。そして、ある家に着いた。その家の裏庭はゴム林になっていて、彼はゴム林の中を歩き出した。この林の奥に温泉があるのだろう。

 10分ほど歩いて、ついに源泉池に辿り着いた。これじゃ、説明してもらっても、地図を描いてもらっても見つけることはできないだろう。源泉の温度は熱く、入ることはできない。写真を撮って民家に戻った。

 今度は、もうひとりの男を案内役にバイクに乗せて出発した。大きな池の周りを回って、ヤシ林の中に止まった。ヤシといっても、ココナッツが実る気ではなく、実からヤシ油(パームオイル)を取る為の背が低いヤシの木である。

 多分、個人所有の農園であるヤシ林に入って行き、途中から柵を越えてジャングルに出た。そこは、沼地になっていて足が泥に沈んでいく。木の枝に足を乗せながら沈まないように進んで行くと、案内人が丸太の上に立っていた。もうこれ以上は無理だ。案内人は、
「ここが温泉だ」
 と言って、沼の水面に浮かんでいる枯れ葉を小枝で払いのけた。

 手を入れるとぬるいお湯だった。源泉はどこだかわからないが、この状況では源泉を探し出す事はできない。ここも、写真を撮って退散した。

 ヌアクロン郡ホワイユントック村では、2ヵ所の温泉を発見できたが、残念ながら入浴はできなかった。しかしながら、チェンマイ大学の調査表にはない温泉を1ヵ所発見することができた。これは、地質学的にもすばらしい発見である。

 案内をしてくれた男性2人には、100バーツのチップをあげた。ご苦労様でした!!

 さぁ、次の温泉はどこだ!!

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