2008年6月10日火曜日

見て来ましたよ

最近は邦画がブームになっていて、テレビや雑誌等で盛んに広告・宣伝をしている。公開日が近づくと、出演者がバラエティ番組やトーク番組に出てさりげなく宣伝をしている。
普通はさりげなくだが、主役が監督を引き連れて(監督が企てた?)、堂々と「コメディ映画の最高傑作です!!」と言い放った映画が、三谷幸喜監督の「ザ・マジックアワー」。

 前作の「ザ・有頂天ホテル」はあまり面白くなかった。というか、何を表現したいのかよく判らなかった。何でもいいから、場面場面が面白ければいい、それが三谷監督の感性なのだろう。それにしても、また豪華キャストを使って、クレージーキャッツの舞台のようなドタバタ喜劇を銀幕のスクリーンで繰り広げるのか? ご苦労様。

 テレビ番組で何気に内容を聞くと、売れない役者が映画と騙されて実際のヤクザの前で殺し屋を演じるというストーリー。これは面白いかも。そこで、映画館へ足を運んだ。

 月曜日の午後3時なのに劇場はほぼ満席で、ぎりぎりに着いた私には前から3番目の席しかなかった。公開して3日目ということもあり、あれだけテレビで宣伝したからお客が期待して来たのだろう。

 映画は、日本のどこかの海沿いの田舎町という設定だが、どうみてもヨーロッパ風の街並みだ。その街を牛耳っているヤクザのボスが西田敏行。まったく似合わないけど、お笑いだから仕方ない。

 ボスの女(深津絵里)を寝取った妻夫木聡が捕まり、助けてもらう条件として「伝説の殺し屋」を連れてくることになる。この殺し屋を演じるのが売れない役者の佐藤浩一である。そして、妻夫木が映画監督に化けて佐藤浩一をスカウトして話が始まる。

 映画としては設定もわかり易く流れもいいのだが、強引な筋書きが多い。舞台喜劇なら許されるところだが、映画としてはもっと細部にわたり辻褄を合わせて、観客が納得のいく流れにしてもらいたい。

 それと、随所随所にパクリが入っている。これは、映画ファンにはうれしいことだが、あまりパクリが多いと監督(脚本も書いている)のレベルが知れてしまう。

 まず、アカデミー賞7部門に輝いた映画、スティング(ポール・ニューマン、ロバート・レッドフォード主演)のシーン、発想がいくつかある。こじんまりした街並み、みんなでボスを騙すところ、ラストで本物の殺し屋が現れるところなど。

 次に、アンタッチャブル(ケビン・コスナー主演)からは、ボスの脱税を暴くために会計士を使うところ。

 劇中映画のシーンは、カサブランカを思わせるものがある。

 映画全体としては、宍戸錠の無国籍映画のような雰囲気と蒲田行進曲ののりがたっぷり。

 最後には、怪傑ハリマオまで登場する(ハリマオ知っていますか?)。


 まぁ、ドタバタ喜劇としては面白い作品に仕上がっている。でも、いつも彼の映画を見て思うのだが、あれだけの豪華キャストを使ってギャラが払えるのだろうか? 佐藤浩一、西田敏行、妻夫木聡、深津絵里、戸田恵子、伊吹吾郎、中井貴一、唐沢寿明、鈴木京香などなど。豪華すぎるメンバーである。もしかして、100%興行収入の歩合制なのだろうか? 

 「相棒 劇場版」のようにヒットすればいいのだが・・・。

0 件のコメント: