パタヤへ遊びに来たことのある人なら分かると思いますが、サウスパタヤから山を越えてジョムティエン・ビーチに抜ける道がある。山の頂上付近にはシュガー・ハットという森の中のおしゃれなリゾート・ホテルがあり、パタヤ・パークの塔が右手に見える。そこから少し下った左側に、パタヤ地方裁判所がある。
3月3日朝9時集合と言われたので、バイクで裁判所へ向かった。8時半に着いてしまい、受付で「日本人の佐々木の取調べはどこ?」と訊ねたら、第11号室と言われた。2階に上がって一番奥の部屋を覗いたら、そこは小法廷になっていた。取り調べ課と思っていたが、実は公判だったのだ。
法廷の中を覗くと奥に裁判長の席があり、両側には検事、弁護士の席、中央には書記席、そして証人台。手前には証人、傍聴人の席もある。といっても、12人くらいしか座れない小さな法廷だ。これは凶悪な強盗殺人、死体遺棄、遺体損壊事件の裁判なのに、なんだか家庭裁判所で離婚裁判でもするみたいな法廷である。
9時になると関係者が集まって来た。今日は、原告の証人2人が呼ばれている。第一通報者のHさんと、被告人の女房だ。普通は、被告人の女房は被告人の証人になるのだが、何故か原告の証人として呼ばれていた。まぁ、女房も旦那が犯人だと認めているから仕方がない。
公判の前に、検事が来て別室で事前の打ち合わせをした。Hさんはタイ語が判らないので、奥さんが通訳をしていた。打ち合わせの内容は、要するに警察での調書から質問をするので、調書どおりに答えて欲しいとのことだった。
被告人の弁護人(ボランティアの国選弁護士)と通訳(ボランティア)も揃って、10時半に開廷した。佐々木は、護送用の肌色のシャツと短パン姿で両足には足かせをはめられ、鎖を両手で持ち上げながら裸足で法廷に入って来た。顔は日焼けしていて、1年前よりも痩せているようだ。エアコンも扇風機もない拘置所で、粗末なタイ飯しか食べさせてもらっていないのだろう。
初めに裁判長が一言質問をした。
「どうしてあんな大金を現金で受け取ったのか。普通は銀行振り込みにするだろう」
すると佐々木は、
「現金で貸したのだから現金で返してもらった」
と話した。裁判長の佐々木への質問はそれだけであった。
検事から女房への質問は、犯行当日の佐々木の嘘から始まった。佐々木は女房に日本へ帰ると言ったらしい。だが、翌日の夕方には戻っている。能天気な女房はビックリしたが、佐々木を疑っていなかった。それから、家宅捜索で発見された現金、パソコン、ラーメン、タバコなどの写真を見せて確認させてから裁判長に見せていた。釣りの話も質問されていた。
裁判長は2人のやり取りをテープに録音して、書記の女性に渡す。彼女はそのテープを聴きながらパソコンで調書を作る。テキパキと仕事をしているのだが、時々携帯が鳴ると外出してしまう。何ということだ、ここは法廷だぞ!!!
被告人の弁護士からの質問は、佐々木が金貸しをしていたこと、釣りの話、タバコは友人からお土産でもらったことなどであった。約1時間で終了した。次は、中園氏の友人のHさんの番だ。先ほど、女房が誓いの言葉を言っていたが、タイ語だからよく判らなかった。Hさんの場合は通訳が先に言ってくれるので、意味が分かった。「神様の前に、大仏の前に誓います。私は真実を答えます。発言します。嘘はつきません。嘘をついたら不幸になります」これが誓いの言葉である。
検事のHさんへの質問の要点は、中園氏から佐々木が空港に迎えに来ると電話があった事実、佐々木から犯行の翌日に電話があったこと、家宅捜索の様子、中園氏と佐々木の関係、中園氏の女性関係などであった。弁護人からは、佐々木との関係、金銭の貸し借り、佐々木と面会した時の様子などを聞かれていた。そして最後に、
「犯人は誰だと思いますか?」
と訊かれて、
「佐々木です」
と答えた。
佐々木は、終始目を閉じてうつむいていた。
12時20分、今日はこれで閉廷だ。証人は調書にサインをして、書類をもらった。その書類を1階の会計に提出すると、日当200バーツがもらえるらしい。交通費と食事代ということだろうか。
明日は、証人が4、5人来るらしい。今日以上に長くなりそうだ。
3月3日朝9時集合と言われたので、バイクで裁判所へ向かった。8時半に着いてしまい、受付で「日本人の佐々木の取調べはどこ?」と訊ねたら、第11号室と言われた。2階に上がって一番奥の部屋を覗いたら、そこは小法廷になっていた。取り調べ課と思っていたが、実は公判だったのだ。
法廷の中を覗くと奥に裁判長の席があり、両側には検事、弁護士の席、中央には書記席、そして証人台。手前には証人、傍聴人の席もある。といっても、12人くらいしか座れない小さな法廷だ。これは凶悪な強盗殺人、死体遺棄、遺体損壊事件の裁判なのに、なんだか家庭裁判所で離婚裁判でもするみたいな法廷である。
9時になると関係者が集まって来た。今日は、原告の証人2人が呼ばれている。第一通報者のHさんと、被告人の女房だ。普通は、被告人の女房は被告人の証人になるのだが、何故か原告の証人として呼ばれていた。まぁ、女房も旦那が犯人だと認めているから仕方がない。
公判の前に、検事が来て別室で事前の打ち合わせをした。Hさんはタイ語が判らないので、奥さんが通訳をしていた。打ち合わせの内容は、要するに警察での調書から質問をするので、調書どおりに答えて欲しいとのことだった。
被告人の弁護人(ボランティアの国選弁護士)と通訳(ボランティア)も揃って、10時半に開廷した。佐々木は、護送用の肌色のシャツと短パン姿で両足には足かせをはめられ、鎖を両手で持ち上げながら裸足で法廷に入って来た。顔は日焼けしていて、1年前よりも痩せているようだ。エアコンも扇風機もない拘置所で、粗末なタイ飯しか食べさせてもらっていないのだろう。
初めに裁判長が一言質問をした。
「どうしてあんな大金を現金で受け取ったのか。普通は銀行振り込みにするだろう」
すると佐々木は、
「現金で貸したのだから現金で返してもらった」
と話した。裁判長の佐々木への質問はそれだけであった。
検事から女房への質問は、犯行当日の佐々木の嘘から始まった。佐々木は女房に日本へ帰ると言ったらしい。だが、翌日の夕方には戻っている。能天気な女房はビックリしたが、佐々木を疑っていなかった。それから、家宅捜索で発見された現金、パソコン、ラーメン、タバコなどの写真を見せて確認させてから裁判長に見せていた。釣りの話も質問されていた。
裁判長は2人のやり取りをテープに録音して、書記の女性に渡す。彼女はそのテープを聴きながらパソコンで調書を作る。テキパキと仕事をしているのだが、時々携帯が鳴ると外出してしまう。何ということだ、ここは法廷だぞ!!!
被告人の弁護士からの質問は、佐々木が金貸しをしていたこと、釣りの話、タバコは友人からお土産でもらったことなどであった。約1時間で終了した。次は、中園氏の友人のHさんの番だ。先ほど、女房が誓いの言葉を言っていたが、タイ語だからよく判らなかった。Hさんの場合は通訳が先に言ってくれるので、意味が分かった。「神様の前に、大仏の前に誓います。私は真実を答えます。発言します。嘘はつきません。嘘をついたら不幸になります」これが誓いの言葉である。
検事のHさんへの質問の要点は、中園氏から佐々木が空港に迎えに来ると電話があった事実、佐々木から犯行の翌日に電話があったこと、家宅捜索の様子、中園氏と佐々木の関係、中園氏の女性関係などであった。弁護人からは、佐々木との関係、金銭の貸し借り、佐々木と面会した時の様子などを聞かれていた。そして最後に、
「犯人は誰だと思いますか?」
と訊かれて、
「佐々木です」
と答えた。
佐々木は、終始目を閉じてうつむいていた。
12時20分、今日はこれで閉廷だ。証人は調書にサインをして、書類をもらった。その書類を1階の会計に提出すると、日当200バーツがもらえるらしい。交通費と食事代ということだろうか。
明日は、証人が4、5人来るらしい。今日以上に長くなりそうだ。
2 件のコメント:
佐々木は相当しぶといね。
一筋縄じゃいかない。
決定的な証拠があるのか???
これからどう進んでいくのか???
すべて?????
状況証拠では完全に黒なんだけど、決定的な証拠がまだ出てこないです。この先、どうなるのか?
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