2008年9月6日土曜日

タイ秘湯ツアー第3弾 その15







温泉リゾート民宿


 今から5年前、CHAOの温泉博士・山内氏はチェンマイ県のゾウ・キャンプのある集落内の民家に温泉が湧き出ていることを耳にした。早速取材をして、露天風呂を造ることを提案したが、温泉井戸は集落の共有財産で勝手に造れないなどのややこしい話になったらしい。それから3年、ある家族がその温泉井戸と土地を買い取って、自力でリゾートを造り出した。その温泉リゾートが完成間近というニュースを聞いて訪れることにした。

 プラーオ郡から県道1001号線を南下して、国道107号線に出た。そこから、メーテン、メータマンのゾウ・キャンプを目指して走る。国道107号線の分岐点から約8キロ走ると、メーテンのゾウ・キャンプに着いた。ゾウ・キャンプとは、ゾウに乗って山を登ったり、筏で川くだりをする施設である。

 CHAOには地図が載っていたが、リゾートの敷地と道路を勘違いしてしまいどこが入り口か分からなくなった。ゾウ・キャンプの前を行ったり来たりして、やっと門を見つけたが入り口は板で塞がっていた。ここかなぁ? 

「サワディ カップ」そう言って、板を乗り越えて敷地の中に入った。

 もしここがアメリカの片田舎の農家なら、ライフル銃を持った家主が現れて「フリーズ!」を叫ぶだろう。びっくりして振り返ったら「スドーン」。不法侵入した強盗と間違えられて殺されても何も言えねぇ。 でも、ここは微笑みの国、仏教国のタイランド。そんな目に遭うことは絶対にない。

 挨拶をしながら歩いて行くと、作業中の奥さんらしき女性が現れた。
「こんにちは、温泉を見学に来ました」
 そう言うと、
「どうぞ、どうぞ」
 と、歓迎ムードだ。CHAOに掲載された記事のコピーを見せると、嬉しそうな顔を見せた。彼らは夫、妻、息子の3人だけで自力でリゾートを造っている。

「私は温泉の本を書いています」
 そう言って名刺を渡した。
「入浴してもいいですか?」
「いいですよ」 
 快く承諾してくれた。

 露天風呂は、日本人好みの岩風呂になっている。岩風呂の奥には小川が流れていた。温度は少しぬるいがゆっくりくつろげる温泉である。タイの山奥とは思えない風情だ。山内氏が指導したのだろうか?

 風呂からあがるとご主人が出てきて、敷地内を案内してくれた。木造のロッジが1棟、土壁のロッジが3棟あり、木の上には小さな小屋があった。まるで、ゲゲゲの鬼太郎の家みたいである。ご主人は、今年中にはオープンしたいと話していた。

 チェンマイ市内から50キロほどの場所に温泉リゾートが完成すれば、ゾウ・キャンプとセットで観光の目玉になるだろう。家族で造り、経営するリゾートだから、あえて温泉リゾート民宿と名づけた。宿泊施設には20名ほどが泊まれるが、レストランも造ってもらいたい。庭でバーベキューというのもいいだろう。

「完成したらまた来ます」
そう言って温泉を後にした。

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