10月16日、バンコクのスクムビット通りソイ25にあるインド大使館の下請けのアプリケーション・センターでインド・ビザを申請した。受け取りは、22日の午後3時30分と書いてある。指定の通りに22日に再びバンコクへ出向いた。
午後一番でタイ国防省に出向き、軍の地図局なるところで軍が作成している5万分の1の地図を買った。来年に南部の秘湯を探しに出掛けるので、その為の資料として購入してきた。
3時15分にアプリケーション・センターに着き、中に入って待っていた。が、3時半になっても動きはない。窓口の女性に訊いたら、4時になると言う。仕方なく座席に座って待つ。旅行業者や一般の申請者でフロアはいっぱいになった。
やがて3時30分になると、窓口のガラスに紙が張られた。そこには、大使館の都合でビザの発給は4時になると書いてあった。何だって、1時間遅れか! ふざけるな!
もともと大使館で業務をしていたが、大変なので下請け業者に依頼したのだろう。482バーツの高い手数料まで取ってこの様かよ。まったく情けない国だ。中国の方がまだましだ。
結局、4時15分から発給が始まり4時30分にはパスポートを受け取ることができた。まぁ、仕方ないか、インドだから。これから2ヵ月も旅をするのだから、1時間くらいの遅れでイライラしていたのでは、インド亜大陸で生きていけないぞ! そう自分に言い聞かせてアプリケーション・センターを後にした。
これで準備は整った。後は、バングラデシュ航空が予定通りに飛んでくれることを祈るばかりである。ただ、もう一つ問題がある。ダッカの空港に着くのが夜の10時30分で、多分、入国審査を済ませて荷物を受け取る頃には深夜12時ごろになっているだろう。初めての国で、深夜に空港からタクシーに乗って安宿街に行くのはちょっと不安である。
空港に一泊するか。寝袋もあるし。
2008年9月27日土曜日
2008年9月18日木曜日
インド・ビザ
10月から出掛けるインド苦行の旅では、バングラデシュからインドに入りネパールを覗いてインドを一周してまたバングラデシュに戻る計画になっている。先日、日本のバングラデシュ大使館でビザを取得した。ネパール・ビザは国境で取れるらしい。問題はインド・ビザだ。在日中は時間がなかったので、バンコクのインド大使館で取ることにした。
パタヤ在住の友人がネットで調べてくれた情報によると、インドの観光ビザは大使館ではなくアプリケーション・センターという委託業者が発給手続きを代行している。申請料は760バーツ(ビザ代360B,照会料400B)の他に手数料と税金が482バーツもかかる。しかも、申請料はインド大使館宛の銀行小切手で支払わなければならない。まったく面倒である。
16日は早起きをして、パタヤ6:20分発のバスに乗りオンヌットで下車した。BTSでアソークまで行き、アプリケーション・センターがあるソイ25のグラスハウスビルまで歩いた。1階の大華銀行で小切手を作ってもらう。これにも20バーツの手数料がかかった。金額は少ないが何でも金がかかる国だ。
15階のアプリケーション・センターに入る際には、荷物チェックが行われ携帯電話の電源は切るように言われた。先日、デリーで連続爆発事件があったからチェックが厳しくなっているようだ。
チェックが終わり、申請書2枚を受け取り中に入った。日本で申請する記入例を持参したが、内容が少し違っている。適当に書いて、分からないところは係員に訊いた。職業欄には、NONEと書いた。中国大使館、バングラデシュ大使館でもそうだったが、WRITERと書くとジャーナリストと勘違いされて一筆書かなければならない。だから、無職と書いてしまった。
申請書、写真2枚、小切手、パスポート、手数料482バーツを提出して、やっと受理された。あとは、22日の15:30に受け取るだけである。
これで準備完了! バングラデシュ航空が予定通りに飛んでくれれば、10月4日にはコルカタに到着だ。
パタヤ在住の友人がネットで調べてくれた情報によると、インドの観光ビザは大使館ではなくアプリケーション・センターという委託業者が発給手続きを代行している。申請料は760バーツ(ビザ代360B,照会料400B)の他に手数料と税金が482バーツもかかる。しかも、申請料はインド大使館宛の銀行小切手で支払わなければならない。まったく面倒である。
16日は早起きをして、パタヤ6:20分発のバスに乗りオンヌットで下車した。BTSでアソークまで行き、アプリケーション・センターがあるソイ25のグラスハウスビルまで歩いた。1階の大華銀行で小切手を作ってもらう。これにも20バーツの手数料がかかった。金額は少ないが何でも金がかかる国だ。
15階のアプリケーション・センターに入る際には、荷物チェックが行われ携帯電話の電源は切るように言われた。先日、デリーで連続爆発事件があったからチェックが厳しくなっているようだ。
チェックが終わり、申請書2枚を受け取り中に入った。日本で申請する記入例を持参したが、内容が少し違っている。適当に書いて、分からないところは係員に訊いた。職業欄には、NONEと書いた。中国大使館、バングラデシュ大使館でもそうだったが、WRITERと書くとジャーナリストと勘違いされて一筆書かなければならない。だから、無職と書いてしまった。
申請書、写真2枚、小切手、パスポート、手数料482バーツを提出して、やっと受理された。あとは、22日の15:30に受け取るだけである。
これで準備完了! バングラデシュ航空が予定通りに飛んでくれれば、10月4日にはコルカタに到着だ。
2008年9月7日日曜日
タイ秘湯ツアー第3弾 最終章
8月14日から20日、足掛け1週間にわたる秘湯ツアーはチェンマイの温泉リゾート民宿にて日程のすべてを終了した。1週間といっても、往復の夜行列車を除くと正味4日間のツアーであった。
初日から苦戦が続き、計画通りに進まず秘湯探しに時間がかかった。反面、苦労して秘湯を発見した時は、喜びも一際大きいものであった。まさに生みの苦しみである。しかしながら、われわれは着々とタイの秘湯探しのスペシャリストになりつつある。さしあたり、タイ秘湯探しのインディー・ジョーンズといったところか。
4日間で発見した新温泉は10ヵ所で、入浴できたのは5ヵ所という結果を残した。場所だけ確認したが、諸事情により見学ができなかった温泉も3ヵ所あった。時間切れで断念した秘湯も1ヵ所ある。これらは次回の宿題としておこう。
今回はチェンマイ大学の調査結果に基づいて新温泉を探してきたが、CHAOの情報も役に立った。そして、CHAOが未確認の温泉を8ヵ所も発見して、そのうち2ヵ所に入浴することができた。これは大きな成果である。
次回の秘湯ツアーは、来年1月を予定している。参加者もすでに3~4名確定している。場所は・・・? タイ南部のラノーン、チュンポン、クラビ、パンガー、スラタニあたりかな。深南部は危ないので。
初日から苦戦が続き、計画通りに進まず秘湯探しに時間がかかった。反面、苦労して秘湯を発見した時は、喜びも一際大きいものであった。まさに生みの苦しみである。しかしながら、われわれは着々とタイの秘湯探しのスペシャリストになりつつある。さしあたり、タイ秘湯探しのインディー・ジョーンズといったところか。
4日間で発見した新温泉は10ヵ所で、入浴できたのは5ヵ所という結果を残した。場所だけ確認したが、諸事情により見学ができなかった温泉も3ヵ所あった。時間切れで断念した秘湯も1ヵ所ある。これらは次回の宿題としておこう。
今回はチェンマイ大学の調査結果に基づいて新温泉を探してきたが、CHAOの情報も役に立った。そして、CHAOが未確認の温泉を8ヵ所も発見して、そのうち2ヵ所に入浴することができた。これは大きな成果である。
次回の秘湯ツアーは、来年1月を予定している。参加者もすでに3~4名確定している。場所は・・・? タイ南部のラノーン、チュンポン、クラビ、パンガー、スラタニあたりかな。深南部は危ないので。
2008年9月6日土曜日
タイ秘湯ツアー第3弾 その15
温泉リゾート民宿
今から5年前、CHAOの温泉博士・山内氏はチェンマイ県のゾウ・キャンプのある集落内の民家に温泉が湧き出ていることを耳にした。早速取材をして、露天風呂を造ることを提案したが、温泉井戸は集落の共有財産で勝手に造れないなどのややこしい話になったらしい。それから3年、ある家族がその温泉井戸と土地を買い取って、自力でリゾートを造り出した。その温泉リゾートが完成間近というニュースを聞いて訪れることにした。
プラーオ郡から県道1001号線を南下して、国道107号線に出た。そこから、メーテン、メータマンのゾウ・キャンプを目指して走る。国道107号線の分岐点から約8キロ走ると、メーテンのゾウ・キャンプに着いた。ゾウ・キャンプとは、ゾウに乗って山を登ったり、筏で川くだりをする施設である。
CHAOには地図が載っていたが、リゾートの敷地と道路を勘違いしてしまいどこが入り口か分からなくなった。ゾウ・キャンプの前を行ったり来たりして、やっと門を見つけたが入り口は板で塞がっていた。ここかなぁ?
「サワディ カップ」そう言って、板を乗り越えて敷地の中に入った。
もしここがアメリカの片田舎の農家なら、ライフル銃を持った家主が現れて「フリーズ!」を叫ぶだろう。びっくりして振り返ったら「スドーン」。不法侵入した強盗と間違えられて殺されても何も言えねぇ。 でも、ここは微笑みの国、仏教国のタイランド。そんな目に遭うことは絶対にない。
挨拶をしながら歩いて行くと、作業中の奥さんらしき女性が現れた。
「こんにちは、温泉を見学に来ました」
そう言うと、
「どうぞ、どうぞ」
と、歓迎ムードだ。CHAOに掲載された記事のコピーを見せると、嬉しそうな顔を見せた。彼らは夫、妻、息子の3人だけで自力でリゾートを造っている。
「私は温泉の本を書いています」
そう言って名刺を渡した。
「入浴してもいいですか?」
「いいですよ」
快く承諾してくれた。
露天風呂は、日本人好みの岩風呂になっている。岩風呂の奥には小川が流れていた。温度は少しぬるいがゆっくりくつろげる温泉である。タイの山奥とは思えない風情だ。山内氏が指導したのだろうか?
風呂からあがるとご主人が出てきて、敷地内を案内してくれた。木造のロッジが1棟、土壁のロッジが3棟あり、木の上には小さな小屋があった。まるで、ゲゲゲの鬼太郎の家みたいである。ご主人は、今年中にはオープンしたいと話していた。
チェンマイ市内から50キロほどの場所に温泉リゾートが完成すれば、ゾウ・キャンプとセットで観光の目玉になるだろう。家族で造り、経営するリゾートだから、あえて温泉リゾート民宿と名づけた。宿泊施設には20名ほどが泊まれるが、レストランも造ってもらいたい。庭でバーベキューというのもいいだろう。
「完成したらまた来ます」
そう言って温泉を後にした。
今から5年前、CHAOの温泉博士・山内氏はチェンマイ県のゾウ・キャンプのある集落内の民家に温泉が湧き出ていることを耳にした。早速取材をして、露天風呂を造ることを提案したが、温泉井戸は集落の共有財産で勝手に造れないなどのややこしい話になったらしい。それから3年、ある家族がその温泉井戸と土地を買い取って、自力でリゾートを造り出した。その温泉リゾートが完成間近というニュースを聞いて訪れることにした。
プラーオ郡から県道1001号線を南下して、国道107号線に出た。そこから、メーテン、メータマンのゾウ・キャンプを目指して走る。国道107号線の分岐点から約8キロ走ると、メーテンのゾウ・キャンプに着いた。ゾウ・キャンプとは、ゾウに乗って山を登ったり、筏で川くだりをする施設である。
CHAOには地図が載っていたが、リゾートの敷地と道路を勘違いしてしまいどこが入り口か分からなくなった。ゾウ・キャンプの前を行ったり来たりして、やっと門を見つけたが入り口は板で塞がっていた。ここかなぁ?
「サワディ カップ」そう言って、板を乗り越えて敷地の中に入った。
もしここがアメリカの片田舎の農家なら、ライフル銃を持った家主が現れて「フリーズ!」を叫ぶだろう。びっくりして振り返ったら「スドーン」。不法侵入した強盗と間違えられて殺されても何も言えねぇ。 でも、ここは微笑みの国、仏教国のタイランド。そんな目に遭うことは絶対にない。
挨拶をしながら歩いて行くと、作業中の奥さんらしき女性が現れた。
「こんにちは、温泉を見学に来ました」
そう言うと、
「どうぞ、どうぞ」
と、歓迎ムードだ。CHAOに掲載された記事のコピーを見せると、嬉しそうな顔を見せた。彼らは夫、妻、息子の3人だけで自力でリゾートを造っている。
「私は温泉の本を書いています」
そう言って名刺を渡した。
「入浴してもいいですか?」
「いいですよ」
快く承諾してくれた。
露天風呂は、日本人好みの岩風呂になっている。岩風呂の奥には小川が流れていた。温度は少しぬるいがゆっくりくつろげる温泉である。タイの山奥とは思えない風情だ。山内氏が指導したのだろうか?
風呂からあがるとご主人が出てきて、敷地内を案内してくれた。木造のロッジが1棟、土壁のロッジが3棟あり、木の上には小さな小屋があった。まるで、ゲゲゲの鬼太郎の家みたいである。ご主人は、今年中にはオープンしたいと話していた。
チェンマイ市内から50キロほどの場所に温泉リゾートが完成すれば、ゾウ・キャンプとセットで観光の目玉になるだろう。家族で造り、経営するリゾートだから、あえて温泉リゾート民宿と名づけた。宿泊施設には20名ほどが泊まれるが、レストランも造ってもらいたい。庭でバーベキューというのもいいだろう。
「完成したらまた来ます」
そう言って温泉を後にした。
2008年9月5日金曜日
タイ秘湯ツアー第3弾 その14
牛と入浴? プラドゥー温泉
ツアー最終日は朝から絶好調で、10時半現在で2ヶ所の秘湯を探し当てて1ヵ所に入浴することができた。いろいろ苦難はあったけど、この調子でいくと優秀の美を飾れるかもしれない。
次に目指すは、県道1001号線沿いにある2ヵ所の温泉。これらの温泉は、隣り合わせの村にそれぞれ湧き出ている。CHAOに地図が載っているので、簡単に発見できるだろう。甘いかな?
初めはフエイグー村の温泉。フエイグーとは、蛇の小川という意味である。蛇が小川に生息しているのだろうか? 県道沿いにコブラが巻きついている大きな門があった。それがフエイグー村の入り口だ。門をくぐって中に入ると、お寺があった。お寺で工事をしている作業員に温泉のことを訊ねた。彼の話では、村を流れている川まで車で行きそこからは歩いて橋を渡り温泉まで行くというもの。
とりあえず川まで行くと、橋は途中で沈没していた。雨期の大雨で壊れてしまったのであろう。フエイグー温泉へもたどり着くことができなかった。採石場にある温泉、川が増水して発見できなかった温泉に続いて3ヵ所目である。まぁ、自然相手の仕事だから仕方ないか。
気を取り直して隣のプラドゥー村へ向かう。CHAOには、県道から入ってすぐのところにあると書かれている。村への入り口を見つけて入っていったが、どこまで行ってもそれらしき温泉は見当たらない。どこにあるのだろう?
通りすがりの村人に訊いて、やっと場所が確定できた。その温泉は、県道から1キロ入った地点にある黒い仏像が祀られたお寺を左折したところにあった。
硫黄の匂いが漂う草原には、3頭の水牛がわれわれを出迎えてくれた。そこには、コンクリート造りの露天風呂とその奥には、源泉井戸があった。露天風呂まではすぐに辿り着けたが、そこから先はぬかるみの湿地帯を歩かなければならない。しかも、湿地の下には源泉からのお湯が流れているので気をつけないと火傷をしてしまう。何とか辿り着いて、写真を撮影した。
コンクリートの露天風呂は37、8度とちょっとぬるいが、入浴可能である。早速着替えて湯船に入る。手足を伸ばして入浴していると、1頭の水牛が近づいて来た。牛が入浴するのかと思ったが、湯船には入らなかった。とりあえず牛とのツーショットを撮影。
この温泉がある草原にはトイレがあったが、現在は寂れていて使用できない状態である。このプラーオには5ヵ所の温泉が湧き出ているのだから、もっときれいに整備・管理をすれば温泉のある村として売り出せるのではないか。「いで湯の里プラーオで牛と入浴」そんなキャッチフレーズで村興しできるんじゃないの。
風呂からあがるとちょうど昼になったので、近くの食堂で昼食を食べた。食堂の女店主が日本語を話すことができたので、フエイグー温泉への回り道を訊いた。彼女は知り合いに携帯で訊いていたが、結局判らなかった。
レンタカーは今日の午後1時に返す契約であったが、もう間に合わないので半日延長してもらった。半日といっても1日分の料金を取られてしまう。仕方ない、チェンマイへの帰りに現在建設中の温泉リゾート民宿へ寄っていくか。
ツアー最終日は朝から絶好調で、10時半現在で2ヶ所の秘湯を探し当てて1ヵ所に入浴することができた。いろいろ苦難はあったけど、この調子でいくと優秀の美を飾れるかもしれない。
次に目指すは、県道1001号線沿いにある2ヵ所の温泉。これらの温泉は、隣り合わせの村にそれぞれ湧き出ている。CHAOに地図が載っているので、簡単に発見できるだろう。甘いかな?
初めはフエイグー村の温泉。フエイグーとは、蛇の小川という意味である。蛇が小川に生息しているのだろうか? 県道沿いにコブラが巻きついている大きな門があった。それがフエイグー村の入り口だ。門をくぐって中に入ると、お寺があった。お寺で工事をしている作業員に温泉のことを訊ねた。彼の話では、村を流れている川まで車で行きそこからは歩いて橋を渡り温泉まで行くというもの。
とりあえず川まで行くと、橋は途中で沈没していた。雨期の大雨で壊れてしまったのであろう。フエイグー温泉へもたどり着くことができなかった。採石場にある温泉、川が増水して発見できなかった温泉に続いて3ヵ所目である。まぁ、自然相手の仕事だから仕方ないか。
気を取り直して隣のプラドゥー村へ向かう。CHAOには、県道から入ってすぐのところにあると書かれている。村への入り口を見つけて入っていったが、どこまで行ってもそれらしき温泉は見当たらない。どこにあるのだろう?
通りすがりの村人に訊いて、やっと場所が確定できた。その温泉は、県道から1キロ入った地点にある黒い仏像が祀られたお寺を左折したところにあった。
硫黄の匂いが漂う草原には、3頭の水牛がわれわれを出迎えてくれた。そこには、コンクリート造りの露天風呂とその奥には、源泉井戸があった。露天風呂まではすぐに辿り着けたが、そこから先はぬかるみの湿地帯を歩かなければならない。しかも、湿地の下には源泉からのお湯が流れているので気をつけないと火傷をしてしまう。何とか辿り着いて、写真を撮影した。
コンクリートの露天風呂は37、8度とちょっとぬるいが、入浴可能である。早速着替えて湯船に入る。手足を伸ばして入浴していると、1頭の水牛が近づいて来た。牛が入浴するのかと思ったが、湯船には入らなかった。とりあえず牛とのツーショットを撮影。
この温泉がある草原にはトイレがあったが、現在は寂れていて使用できない状態である。このプラーオには5ヵ所の温泉が湧き出ているのだから、もっときれいに整備・管理をすれば温泉のある村として売り出せるのではないか。「いで湯の里プラーオで牛と入浴」そんなキャッチフレーズで村興しできるんじゃないの。
風呂からあがるとちょうど昼になったので、近くの食堂で昼食を食べた。食堂の女店主が日本語を話すことができたので、フエイグー温泉への回り道を訊いた。彼女は知り合いに携帯で訊いていたが、結局判らなかった。
レンタカーは今日の午後1時に返す契約であったが、もう間に合わないので半日延長してもらった。半日といっても1日分の料金を取られてしまう。仕方ない、チェンマイへの帰りに現在建設中の温泉リゾート民宿へ寄っていくか。
2008年9月4日木曜日
タイ秘湯ツアー第3弾 その13
ついに発見、これぞ秘湯中の秘湯
牛野原温泉へ案内をしてくれた主人に、ポーンイエン温泉の場所を訊ねた。彼は、県道1150号線を西へ走り検問所を右折しろと教えてくれた。その道は県道1346号線で、ノーンクロック温泉へ通じる道だった。
「ノーンクロックじゃないよ。あそこには行ったことがある。その近くのポーンイエンだよ」
そう念を押すと、
「分かっている、ファイマヒム村のポーンイエンだ」
親切でお節介な彼が言うのだから間違いないだろう。とりあえず行ってみるか。
検問所を右折して、ノーンクロック温泉への入り口付近のお店の前に車を止めた。店の中で作業をしているおばさんに、
「ファイマヒム村のポーンイエン温泉はどこですか?」
と訊ねた。
「温泉ならこの裏にノーンクロックがあるけど」
この辺りの人にとっては、温泉=ノーンクロックなのである。確かに、あそこは綺麗に整備された温泉公園で、個室風呂もあり入浴可能な温泉である。でも、われわれが探しているのは、知る人ぞ知る秘湯中の秘湯なのである。
「いや違います。ポーンイエンです」
「あぁ、ポーンイエンね。それならこの先を3キロほど行った所だよ」
やっと情報を得ることができた。
言われたとおり3キロほど走って、村人にファイマヒム村のポーンイエン温泉の場所を訊いた。すると。
「あそこを右折して、道路工事をしている所だよ」
と教えてくれた。やったぞ!
狭い農道を入って行き、工事をしている作業員に温泉の場所を訊ねた。
「ここじゃないよ、あそこだよ。すぐそこだ。」
そう言って、森を指差した。
あそこと言われても、森しかないじゃん。分からないよ。
仕方なく車に乗って県道まで戻った。すると、先ほどの作業員のおじさんがバイクで追っかけて来た。案内をしてくれるらしい。どこの国でも一緒だけれど、田舎の人は親切だねぇ。助かった!
温泉は確かに「すぐそこ」にあった。県道から20メートルほど入った場所に湧き出ていた。それは、源泉掛け流しならぬ源泉垂れ流しのドカン風呂温泉だった。ドカンの横には大小の桶が置いてある。地元の村人がかけ湯に来るのだろうか。
これか、これがポーンイエン温泉だ。源泉の温度は40度と記されている。手を入れるとちょうどいい温度である。せっかく探し当てた秘湯だ、入ってみよう。
服を脱いで、丸太の橋を渡ってドカンに体を沈めた。草木に囲まれた天然の露天風呂は、日本の温泉旅館では味わえない風情がある。ドカン風呂に入るのはこれが3回目だ。CHAOではドカン風呂を高く評価しており、いずれも秘湯ベスト10の上位に入っている。私もこの温泉を超秘湯と記録したい。ドッカムタイのポンナムローン温泉に続き、CHAO未発見の秘湯に入浴できた! この感動をどう表現したらいいだろう。
シェーッ!! タリラリラーンのコニャニャチワ オデカケデスカ レレレノレ
ポックン ポックンと温泉へ行くベシ ニャロメ!
牛野原温泉へ案内をしてくれた主人に、ポーンイエン温泉の場所を訊ねた。彼は、県道1150号線を西へ走り検問所を右折しろと教えてくれた。その道は県道1346号線で、ノーンクロック温泉へ通じる道だった。
「ノーンクロックじゃないよ。あそこには行ったことがある。その近くのポーンイエンだよ」
そう念を押すと、
「分かっている、ファイマヒム村のポーンイエンだ」
親切でお節介な彼が言うのだから間違いないだろう。とりあえず行ってみるか。
検問所を右折して、ノーンクロック温泉への入り口付近のお店の前に車を止めた。店の中で作業をしているおばさんに、
「ファイマヒム村のポーンイエン温泉はどこですか?」
と訊ねた。
「温泉ならこの裏にノーンクロックがあるけど」
この辺りの人にとっては、温泉=ノーンクロックなのである。確かに、あそこは綺麗に整備された温泉公園で、個室風呂もあり入浴可能な温泉である。でも、われわれが探しているのは、知る人ぞ知る秘湯中の秘湯なのである。
「いや違います。ポーンイエンです」
「あぁ、ポーンイエンね。それならこの先を3キロほど行った所だよ」
やっと情報を得ることができた。
言われたとおり3キロほど走って、村人にファイマヒム村のポーンイエン温泉の場所を訊いた。すると。
「あそこを右折して、道路工事をしている所だよ」
と教えてくれた。やったぞ!
狭い農道を入って行き、工事をしている作業員に温泉の場所を訊ねた。
「ここじゃないよ、あそこだよ。すぐそこだ。」
そう言って、森を指差した。
あそこと言われても、森しかないじゃん。分からないよ。
仕方なく車に乗って県道まで戻った。すると、先ほどの作業員のおじさんがバイクで追っかけて来た。案内をしてくれるらしい。どこの国でも一緒だけれど、田舎の人は親切だねぇ。助かった!
温泉は確かに「すぐそこ」にあった。県道から20メートルほど入った場所に湧き出ていた。それは、源泉掛け流しならぬ源泉垂れ流しのドカン風呂温泉だった。ドカンの横には大小の桶が置いてある。地元の村人がかけ湯に来るのだろうか。
これか、これがポーンイエン温泉だ。源泉の温度は40度と記されている。手を入れるとちょうどいい温度である。せっかく探し当てた秘湯だ、入ってみよう。
服を脱いで、丸太の橋を渡ってドカンに体を沈めた。草木に囲まれた天然の露天風呂は、日本の温泉旅館では味わえない風情がある。ドカン風呂に入るのはこれが3回目だ。CHAOではドカン風呂を高く評価しており、いずれも秘湯ベスト10の上位に入っている。私もこの温泉を超秘湯と記録したい。ドッカムタイのポンナムローン温泉に続き、CHAO未発見の秘湯に入浴できた! この感動をどう表現したらいいだろう。
シェーッ!! タリラリラーンのコニャニャチワ オデカケデスカ レレレノレ
ポックン ポックンと温泉へ行くベシ ニャロメ!
秘湯の温泉の源泉はドカン風呂の温泉なのだ。ドカンしかないけど タイの秘湯はこれでいいのだ!!
(この文章を故赤塚不二夫先生に捧げます)
2008年9月3日水曜日
タイ秘湯ツアー第3弾 その12
チェンマイ県プラーオの温泉
昨晩泊まったバンガローは以前よりも綺麗にリニューアルされていて、エアコンまで付いていた。これで1泊300バーツは安い。居心地はとてもいいのだが、夜明けになると近所のニワトリがいっせいに鳴き出して、うるさくて眠れない。5時に目が覚めてしまった。
いよいよタイ秘湯ツアー第3弾の最終日となった。今日は、チェンマイ県プラーオ郡にある4ヵ所の温泉を探し当てて、時間があればメーテンのゾウ・キャンプの近くにある温泉リゾート民宿へ行く予定である。
7時半にバンガローを出発して、県道1150号線をすっ飛ばした。山越えの険しい道だが、道路は舗装されていて昨日のような危ない場面はなかった。1時間ほどでプラーオの街に到着した。
プラーオには、ノーンクロックという公営の温泉公園がある。ここは有名な温泉だが、実はこの他に4ヵ所の温泉が確認されている。4ヵ所のうち3ヵ所はCHAOが探し当てていて、地図が載っている。まぁ、地図といっても大まかな地図なので、やはり地元の人に訊かなければ探し出すことはできない。まずは、CHAOが命名した牛野原温泉(バーンポーン)へ向かった。
県道沿いの小さな食堂で、
「バーンポーン温泉はどこですか?」
と訊ねた。
「すぐそこだ」
店の主人がいい人で、案内役を引き受けてくれた。
彼を車に乗せて500メートルほど走ると、左手に牛がたくさん放牧された野原が見えてきた。そこに温泉が湧いているらしい。だから牛野原温泉か、そのまんまじゃん!
この土地は個人の所有らしく、柵に囲まれていてゲートがあり、鍵がかかっている。正面のゲートからは入れないので、横から回って柵がない所から中に入る。牛の糞の臭いがする野原を歩いて行くと、温泉が湧いていた。
水温は72度、硫黄泉で湯量も多い。だが、お湯だけなので熱くて入ることはできない。コンクリートの湯船を造って近くの小川から水を引いてくれば、入浴も可能になる。誰か造ってくれないだろうか? 立派な温泉なのに残念である。
写真を撮って車に戻る途中、店の主人が盛んに話しかけてきた。初めは何を言っているのか分からなかったが、よく訊くと土地の斡旋をしていた。
「この土地をいくらで買いたい?」
誰も買うとは言っていないのに、強引に迫ってくる。
「いや、買わないよ。外国人は土地を買えないんだ」
「大丈夫、買えるよ。いくらなら買う?」
「金がないから買えないよ」
店の主人は地主から依頼を受けているのだろうか。タイ人にしては、かなり熱心な勧誘である。主人の勧めを丁重にお断りして、次の温泉へ向かった。
昨晩泊まったバンガローは以前よりも綺麗にリニューアルされていて、エアコンまで付いていた。これで1泊300バーツは安い。居心地はとてもいいのだが、夜明けになると近所のニワトリがいっせいに鳴き出して、うるさくて眠れない。5時に目が覚めてしまった。
いよいよタイ秘湯ツアー第3弾の最終日となった。今日は、チェンマイ県プラーオ郡にある4ヵ所の温泉を探し当てて、時間があればメーテンのゾウ・キャンプの近くにある温泉リゾート民宿へ行く予定である。
7時半にバンガローを出発して、県道1150号線をすっ飛ばした。山越えの険しい道だが、道路は舗装されていて昨日のような危ない場面はなかった。1時間ほどでプラーオの街に到着した。
プラーオには、ノーンクロックという公営の温泉公園がある。ここは有名な温泉だが、実はこの他に4ヵ所の温泉が確認されている。4ヵ所のうち3ヵ所はCHAOが探し当てていて、地図が載っている。まぁ、地図といっても大まかな地図なので、やはり地元の人に訊かなければ探し出すことはできない。まずは、CHAOが命名した牛野原温泉(バーンポーン)へ向かった。
県道沿いの小さな食堂で、
「バーンポーン温泉はどこですか?」
と訊ねた。
「すぐそこだ」
店の主人がいい人で、案内役を引き受けてくれた。
彼を車に乗せて500メートルほど走ると、左手に牛がたくさん放牧された野原が見えてきた。そこに温泉が湧いているらしい。だから牛野原温泉か、そのまんまじゃん!
この土地は個人の所有らしく、柵に囲まれていてゲートがあり、鍵がかかっている。正面のゲートからは入れないので、横から回って柵がない所から中に入る。牛の糞の臭いがする野原を歩いて行くと、温泉が湧いていた。
水温は72度、硫黄泉で湯量も多い。だが、お湯だけなので熱くて入ることはできない。コンクリートの湯船を造って近くの小川から水を引いてくれば、入浴も可能になる。誰か造ってくれないだろうか? 立派な温泉なのに残念である。
写真を撮って車に戻る途中、店の主人が盛んに話しかけてきた。初めは何を言っているのか分からなかったが、よく訊くと土地の斡旋をしていた。
「この土地をいくらで買いたい?」
誰も買うとは言っていないのに、強引に迫ってくる。
「いや、買わないよ。外国人は土地を買えないんだ」
「大丈夫、買えるよ。いくらなら買う?」
「金がないから買えないよ」
店の主人は地主から依頼を受けているのだろうか。タイ人にしては、かなり熱心な勧誘である。主人の勧めを丁重にお断りして、次の温泉へ向かった。
2008年9月2日火曜日
タイ秘湯ツアー第3弾 その11
天女野原温泉へ
ドッカムタイ温泉からチェンライ県にあるバンガローへ向かう途中、ワン・ヌア郡の街に立ち寄った。チェンマイ大学の調査では、ランパーン県ターチッ郡ウィアンヌア村に温泉があると記されているが、ランパーンにはターチッ郡という地名はない。これは私の勝手な思い込みだが、ワン・ヌアをウィアンヌアと間違えたのではないだろうか。そこで、ワン・ヌアの警察で温泉があるか訊いてみた。
「この辺りに温泉はありますか?」
「ここには温泉などない」
と警官。
警官には逆らえないので、「ありがとうございます」と言って手を合わせた。
次に、街中にある酒屋のオヤジに、
「この辺に温泉はありますか?」
と訊ねた。
「45年ここに住んでいるが、温泉のことは訊いたことがない」
さっきの警官よりも説得力がある。やっぱりないんだ。私の思い込みだった。というか、チェンマイ大学のミスだ!
国道118号線のガソリンスタンドの脇にあるバンガロー・ホテルに着いたのは、午後3時を回っていた。チェックインをすると、スコールが襲って来た。
「4時になったら出かけましょう」
2人にはそう話して、私はホテルのオーナーに会いに行った。ネットで検索したある写真を見てもらうためだ。
「この温泉を知っていますか?」
プリントした写真を見せた。
「うーん、これは昔の写真で、メーカチャンの土産物村にある温泉だよ」
メーカチャンの温泉へは行ったことがある。なーんだ、そうだったのか。私はまだ知られていない温泉だと勘違いをしていた。
まだ4時だし、どうしようか? そうだ、ウィアンパパオの天女野原温泉へ行こう。Mさんは初めてだし、実は私は2回も訪れているがまだ入浴はしていない温泉だ。
その温泉は野原の中にあり、中央に大きな池がある。そこに源泉からお湯が流れている。もちろん、個室風呂もある。以前訪れた時はいずれも午前中だったので、管理人のおばさんが不在だった。今日は、おばさんが待機していた。
「3人です」
と言うと、おばさんは個室風呂の鍵を開けて浴槽にお湯を入れてくれた。
お湯が溜まるまで待っている間に、Mさんは水着で池に飛び込んだ。池には温泉が流れ込んでいるが、全体が温かいわけではない。それでも、楽しそうに泳いでいた。
個室風呂は1人30バーツ。浴槽はタイル張り円筒形の二段風呂。今日は鉄砲かついで山歩きをしてきた。私と新井さんは滝つぼ温泉に入ったが、少しぬるめだった。Mさんはまだ入浴していない。3人そろって熱めの湯に浸かった。1日の疲れを癒すには十分な温泉である。
さぁ、明日はツアー最終日。チェンマイ県プラーオ郡の4ヵ所の温泉を回ってチェンマイへ戻る。時間があれば、ゾウ・キャンプの近くにある温泉リゾート民宿へも立ち寄りたい。
ドッカムタイ温泉からチェンライ県にあるバンガローへ向かう途中、ワン・ヌア郡の街に立ち寄った。チェンマイ大学の調査では、ランパーン県ターチッ郡ウィアンヌア村に温泉があると記されているが、ランパーンにはターチッ郡という地名はない。これは私の勝手な思い込みだが、ワン・ヌアをウィアンヌアと間違えたのではないだろうか。そこで、ワン・ヌアの警察で温泉があるか訊いてみた。
「この辺りに温泉はありますか?」
「ここには温泉などない」
と警官。
警官には逆らえないので、「ありがとうございます」と言って手を合わせた。
次に、街中にある酒屋のオヤジに、
「この辺に温泉はありますか?」
と訊ねた。
「45年ここに住んでいるが、温泉のことは訊いたことがない」
さっきの警官よりも説得力がある。やっぱりないんだ。私の思い込みだった。というか、チェンマイ大学のミスだ!
国道118号線のガソリンスタンドの脇にあるバンガロー・ホテルに着いたのは、午後3時を回っていた。チェックインをすると、スコールが襲って来た。
「4時になったら出かけましょう」
2人にはそう話して、私はホテルのオーナーに会いに行った。ネットで検索したある写真を見てもらうためだ。
「この温泉を知っていますか?」
プリントした写真を見せた。
「うーん、これは昔の写真で、メーカチャンの土産物村にある温泉だよ」
メーカチャンの温泉へは行ったことがある。なーんだ、そうだったのか。私はまだ知られていない温泉だと勘違いをしていた。
まだ4時だし、どうしようか? そうだ、ウィアンパパオの天女野原温泉へ行こう。Mさんは初めてだし、実は私は2回も訪れているがまだ入浴はしていない温泉だ。
その温泉は野原の中にあり、中央に大きな池がある。そこに源泉からお湯が流れている。もちろん、個室風呂もある。以前訪れた時はいずれも午前中だったので、管理人のおばさんが不在だった。今日は、おばさんが待機していた。
「3人です」
と言うと、おばさんは個室風呂の鍵を開けて浴槽にお湯を入れてくれた。
お湯が溜まるまで待っている間に、Mさんは水着で池に飛び込んだ。池には温泉が流れ込んでいるが、全体が温かいわけではない。それでも、楽しそうに泳いでいた。
個室風呂は1人30バーツ。浴槽はタイル張り円筒形の二段風呂。今日は鉄砲かついで山歩きをしてきた。私と新井さんは滝つぼ温泉に入ったが、少しぬるめだった。Mさんはまだ入浴していない。3人そろって熱めの湯に浸かった。1日の疲れを癒すには十分な温泉である。
さぁ、明日はツアー最終日。チェンマイ県プラーオ郡の4ヵ所の温泉を回ってチェンマイへ戻る。時間があれば、ゾウ・キャンプの近くにある温泉リゾート民宿へも立ち寄りたい。
2008年9月1日月曜日
タイ秘湯ツアー第3弾 その10
続・鉄砲かついで秘湯探し
「おじさん、ちょっと。ドッカムタイ温泉はどこ?」
バイクに乗ったおじさんに訊ねた。
すると、おじさんは頷き俺について来いという素振りを見せて、Uターンしてバイクで来た道を走り出した。ラッキー、地獄で仏とはこのことだ。
走り出したバイクはかなり古く、30キロしかスピードが出ない。その後をゆっくりとついて行った。もうそろそろかなぁと思ったが、バイクは停車しない。そのうちに、先ほどのゲートが見えてきた。どうしたの、おじさん。本当は知らないの?
ゲートの人に話を訊くと、温泉はここから山道を歩いて2キロということだった。またしても早とちりだ。初めからガイドを頼めばよかった。
「すみません、温泉まで案内してくれませんか?」
そう話すと、
「いいよ。でも、もう昼だから食事を食べてから出掛けよう」
時計を見ると11時半。朝7時に食べたきりだから、われわれも腹が減っていた。でも、山の中に食堂などない。水を飲んで我慢するか。
ゲートの職員たちは、小屋の裏手にあるテーブルで昼食の準備を始めた。準備といっても、青いパパイヤを採ってきてソムタム(パパイヤのサラダ)を作るだけだ。あとは持って来たもち米と茹でた竹の子。合歓の葉も千切って食卓に加えられた。
「さぁ、一緒に食べよう」
食べ物がなくて困っていたわれわれは、ありがたく頂くことにした。
私とMさんは辛い料理は大丈夫だが、苦手な新井さんはもち米を丸めて少しだけソムタムにつけて食べていた。本場のソムタムはかなり辛かった。
昼食を食べ終わり、いよいよ出発だ。職員のひとりが鉄砲をかついで歩き出した。その後をわれら3人が続き、最後にもうひとり若者が付いてきた。2人もガイドが付くとはかなり険しい道なのだろうか?
「どうして鉄砲を持っていくの?」
「野生のゾウやイノシシが出るんだ」
とおじさん。
ゾウは大好きである。目がかわいいし、大きな身体の割には大人しいからだ。だが、それは飼いならされたゾウで、野生のゾウは見たことがない。野生のゾウは凶暴なのか? それよりも、イノシシの方が危なそうだ。
2人の職員は温泉への入り口で、倒れていた看板を立てかけようとしたがダメだった。そこには、「ポン ナム ローン」と書かれていた。これがあればすぐに分かったのに。でも、2キロの山道をガイドなしで歩くことはできない。道に迷ったら大変だし、野生のゾウやイノシシが現れたら危険だ。ガイドを頼んで正解だった。
森の中の緩やかな登り坂を歩いて行くと、石畳の沢に突き当たった。そこからは沢登りである。沢の中を歩いていると、後方に獣の気配を感じた。イノシシか? 振り返ると白い犬が後を付いて歩いていた。ゲートで飼っている犬である。おじさんが鉄砲を持ち出したので、獲物にありつけると思ってやって来たのだろう。
30分ほど歩くと小さな滝があり、その上に源泉が湧いていた。水温はかなり熱い。そのお湯が沢に流れていて、先ほどの滝壺が丁度いい温度になっていた。せっかく苦労してここまで来たのだから、入浴しよう。
私と新井さんは、水着に着替えて滝壺に飛び込んだ。少しぬるめだったが、森の中の露天風呂は風情があって最高だった。多分、ここの温泉に入った日本人はわれわれが初めてだろう。やったぜ、ベイビー!
ガイドをしてくれた2人には、ガイド料と食事代として300バーツの御礼をした。
ありがとう、皆さん。またいつか来ます!
「おじさん、ちょっと。ドッカムタイ温泉はどこ?」
バイクに乗ったおじさんに訊ねた。
すると、おじさんは頷き俺について来いという素振りを見せて、Uターンしてバイクで来た道を走り出した。ラッキー、地獄で仏とはこのことだ。
走り出したバイクはかなり古く、30キロしかスピードが出ない。その後をゆっくりとついて行った。もうそろそろかなぁと思ったが、バイクは停車しない。そのうちに、先ほどのゲートが見えてきた。どうしたの、おじさん。本当は知らないの?
ゲートの人に話を訊くと、温泉はここから山道を歩いて2キロということだった。またしても早とちりだ。初めからガイドを頼めばよかった。
「すみません、温泉まで案内してくれませんか?」
そう話すと、
「いいよ。でも、もう昼だから食事を食べてから出掛けよう」
時計を見ると11時半。朝7時に食べたきりだから、われわれも腹が減っていた。でも、山の中に食堂などない。水を飲んで我慢するか。
ゲートの職員たちは、小屋の裏手にあるテーブルで昼食の準備を始めた。準備といっても、青いパパイヤを採ってきてソムタム(パパイヤのサラダ)を作るだけだ。あとは持って来たもち米と茹でた竹の子。合歓の葉も千切って食卓に加えられた。
「さぁ、一緒に食べよう」
食べ物がなくて困っていたわれわれは、ありがたく頂くことにした。
私とMさんは辛い料理は大丈夫だが、苦手な新井さんはもち米を丸めて少しだけソムタムにつけて食べていた。本場のソムタムはかなり辛かった。
昼食を食べ終わり、いよいよ出発だ。職員のひとりが鉄砲をかついで歩き出した。その後をわれら3人が続き、最後にもうひとり若者が付いてきた。2人もガイドが付くとはかなり険しい道なのだろうか?
「どうして鉄砲を持っていくの?」
「野生のゾウやイノシシが出るんだ」
とおじさん。
ゾウは大好きである。目がかわいいし、大きな身体の割には大人しいからだ。だが、それは飼いならされたゾウで、野生のゾウは見たことがない。野生のゾウは凶暴なのか? それよりも、イノシシの方が危なそうだ。
2人の職員は温泉への入り口で、倒れていた看板を立てかけようとしたがダメだった。そこには、「ポン ナム ローン」と書かれていた。これがあればすぐに分かったのに。でも、2キロの山道をガイドなしで歩くことはできない。道に迷ったら大変だし、野生のゾウやイノシシが現れたら危険だ。ガイドを頼んで正解だった。
森の中の緩やかな登り坂を歩いて行くと、石畳の沢に突き当たった。そこからは沢登りである。沢の中を歩いていると、後方に獣の気配を感じた。イノシシか? 振り返ると白い犬が後を付いて歩いていた。ゲートで飼っている犬である。おじさんが鉄砲を持ち出したので、獲物にありつけると思ってやって来たのだろう。
30分ほど歩くと小さな滝があり、その上に源泉が湧いていた。水温はかなり熱い。そのお湯が沢に流れていて、先ほどの滝壺が丁度いい温度になっていた。せっかく苦労してここまで来たのだから、入浴しよう。
私と新井さんは、水着に着替えて滝壺に飛び込んだ。少しぬるめだったが、森の中の露天風呂は風情があって最高だった。多分、ここの温泉に入った日本人はわれわれが初めてだろう。やったぜ、ベイビー!
ガイドをしてくれた2人には、ガイド料と食事代として300バーツの御礼をした。
ありがとう、皆さん。またいつか来ます!
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