2008年4月13日日曜日

陸路で行くカンボジア・アンコールワットの旅 最終章







  カオサンにて


「あー眠い! 朝飯はパス」
7時半の出発に間に合うように起きて、シャワーを浴びてチェックアウトをした。レストランでは、Fさんが食事を終えてコーヒーを飲んでいた。時間がないので、冷蔵庫からコーラを出して朝食代わりに飲んだ。

 我々と一緒に来た日本人客のうち、3人は昨日飛行機でバンコクに帰り、数人はどこか別の場所へ行ってしまった。残ったのは、男7人だけである。

 パイリン行きのバスは、大勢の客を乗せて7時50分に到着した。早速、バスに乗り込んだが、3人はまだ来ていない。寝坊だろうか。

 バスに乗り込むと通路はザックでいっぱい置いてあり、足の踏み場もないほどである。空席はちょうど7席しかない。最後部に5席空いていたので、そこに4人で座った。荷物は、座席の後ろに置こうとしたが、もうすでに山のように積まれていた。仕方なく、通路に重ねておいた。

 残りの3人は、15分ほど遅れて乗り込んで来た。これで満席である。バスは定員の乗客と山のような荷物を乗せてパイリンに向けて出発した。

 舗装道路の市内を抜けて郊外の悪路に入ると、またしてもエアコンが止まった。というか、パワー不足になるので運転手が故意に切ったのである。仕方ない、また怪傑ハリマオのスタイルで耐え忍ぶか。

 3泊4日で3900バーツの超格安貧乏ツアーはこんなものだ、と諦めてしまえばそれなりに納得がいくものである。ところが、砂埃と暑さに追い討ちをかけてさらに悲劇が起こった。

 バスが凸凹道に入ると、後ろの山積みの荷物が頭に落ちてきたのである。落ちたザックは奥へ押し込むのだが、振動でだんだん前に出てくる。これではおちおち眠ることもできない。大きなザックは通路に降ろして何とか態勢を整えたが、それでも何度か後頭部を襲われた。これが格安ツアーの辛いところである。

 荷物のトラブルはあったが、途中で昼食を食べて無事パイリンに着いた。タイに入国してアランヤプラテートからはミニバスでバンコクへ向かった。

「タイの道路は綺麗だなぁ!」

「タイはいい国だ!」

 同行した若者(大学を卒業して今春に就職する)は口々に話していた。

 別に、カンボジアが悪い国というわけではないが、道路事情に関してはタイの方が上ということだ。

 午後6時、出発地点のカオサンに到着した。これで解散だ。我ら3人は、カオサンでもう1泊する予定だった。あとの3人も宿を探していたので、同じゲストハウスに投宿した。

「みんなで夕食を食べましょうか?」

 そう言うとみんな賛同してくれたので、近くのレストランへ食事に出かけた。

 席に着き、私が仕切ってオーダーをした。定番のタイ料理、空芯菜炒め、春雨サラダ、ビーフサラダ、パッタイ(タイ風焼きソバ)、エビ炒飯、野菜炒め、イカ焼きなど。

「これは美味しいですね!」

 そう言って、若者たちは料理を食べていた。彼らは、カンボジアへ行く前に数日間タイに滞在していたのだが、あまり美味いものを食べていなかったらしい。夢中で食べる彼らに、

「どう、タイはいいでしょう」
 と言うと、

「はい、いい国です」
 と答えた。

「就職して時間ができたら、パタヤへ遊びに来ればいいよ」

 その後もタイの話で盛り上がり、カオサンの夜は更けていった。
 

2 件のコメント:

イシケン さんのコメント...

素晴らしい旅行記 有難う御座いました。
そう言えば、最近TVのCM(フジのデジカメ)で見かけるアレってアンコールワットですよね。
引き続きの「パタヤ便り」楽しみにしてま~す。

トンチャイ さんのコメント...

現在東京に滞在していますので、パタヤの最新情報は書けませんが、思い出話でも書いていきます。