2009年1月24日土曜日

タイ秘湯ツアー第4弾 その6







 狐につままれた湯

 朝粥に朝風呂と、2日目も幸先のいいスタートを切ることができた。今年は春から縁起がいいぞ。これも日ごろの行いがいいからだろう。仏陀が生まれたネパールのルンピニで買ってきた、菩提樹の実で作った数珠のご利益かもしれない。

 われら秘湯探検隊は、国道401号線を戻り国道41号線を南下した。向かうはバーンナードゥーム郡のバーン・カオプッ温泉。温泉がある村は、郡の中心地より10キロほど北の線路沿いにある。道に迷いながら何とかカオプッ駅まで辿り着き、村人に温泉の場所を訊いたが、なかなか見つからない。だんだん駅から遠くなっていく。最後に言われたとおり道をゆっくり北上して行くと、見覚えのある写真入の看板が出てきた。

「あれ、これは昨日来た所じゃないの?」
 仲間もみんなそうだと言っている。確か、ラッタナコサイ温泉だ。
「えーっ、おかしいんじゃない?」

 昨日訪れたラッタナコサイ温泉はプーピン郡で、これから行く所はバーンナードゥーム郡。両方の地図をつなぎ合わせても全然違う場所にある。どこで間違ったのだろう? 頭の中が混乱して、額から汗が出てきた。まるで、狐につままれたようだ。

 納得ができないまま、ラッタナコサイ温泉へ来てしまった。時刻は11時。頭の中を整理するため、温泉の前にある食堂に入り、地図を広げてみた。冷静になって、もう一度2つの地図をつなぎ合わせてみた。すると、先ほどは車の中で慌てていたので逆に合わせていたことが判った。

 よく見ると、ラッタナコサイ温泉があるプーピン郡ターサートン村とバーンナードゥーム郡のカオプッ村は隣り合わせになっていた。これで納得できた。駅の近くで「温泉はどこ?」と訊ねたので、この辺で一番有名なラッタナコサイの場所を教えてくれたのだろう。
やれやれ、早めの昼食を食べてもう一度仕切り直しだ!!

 カオプッ駅に戻り、駅前の商店で温泉の場所を訊ねた。すると、親切なお兄ちゃんがバイクで案内してくれた。表通りから曲がって森の中に入り、行き止まりでバイクを止めて、そこから歩いて源泉まで連れて行ってくれた。これは、口で説明することはできない。

 源泉は、火山の噴火あとのような小さな穴が開いていて、そこからお湯が湧いていた。周りには祠や仏像が祀られてあった。源泉の温度は56度と十分な温度だが、入浴することはできない。仕方なく、写真を写して温泉を後にした。親切なお兄ちゃんには、20Bのチップを渡した。

 ありがとう、お兄ちゃん!!
 

2009年1月20日火曜日

ラオスへ

 今夜のバスでラオスへ行きます。戻りは23日になります。それまで、タイ秘湯ツアー第4弾は一時中断させていただきます。話はその20くらいまでありますので、お楽しみに。

タイ秘湯ツアー第4弾 その5







 森の中の枯れ葉の湯

 ツアー2日目の1月9日、われら4人は朝7時にホテルを出発した。同行の女性は、すでにサムイ島へ向かっていた。昨日、ホテルで食べたアメリカン・ブレックファーストは時間がかかった上あまり美味しくなかったので、今日は外で食べることにした。

 早朝から開いている店は少ないが、地元の人たちが集まるお粥屋は営業をしていた。そこで、カオ・トム・ムー(豚挽き肉いりのお粥)を注文した。店員に「玉子は入れますか?」と訊かれたので、入れるように頼んだ。

 乾季の朝は涼しく、あったかいお粥はとても美味しい。玉子入りのお粥を食べて、食後はコンデンスミルクたっぷりのネスカフェを飲み、これで35B(日本円で約92円)超激安だ。やっぱり田舎はいいなぁ!

 朝食を済ませて、8時出発。目指すはカンチャナデイト郡のボー・ナムローン温泉。観光地図にも載っているから、多分入浴できるだろう。『ボー・ナムローン』とはお湯の井戸という意味で、いわゆる温泉のこと。だから、ボー・ナムローン温泉は温泉温泉ということになっちゃう。チゲ鍋と一緒だ。

 スラタニ駅からホテルがあるスラタニ・タウンへ通じる国道401号線を、駅と反対方向の東方へ走る。約30キロ走って、村で温泉の場所を訊ねる。細い村道を入って行くと、行き止まりのような場所に森があり、入り口があった。入り口の横の古びた看板には『ボー・ナムローン』とタイ語で書いてあった。ここに間違いない。

 そこは公園になっていて、プールが2ヵ所、屋外のバスタブ、足湯、休憩小屋、などが造られていた。しかし、枯れ葉だらけで掃除がされていない。温泉に入るタイ人もあまりいないのだろうか?

 少し離れたところにはトイレもあったが、ドアの鍵は壊されていて、水も出なかった。せっかくこれだけの施設を造り観光地図にも載せているのに、十分な管理がされず放置されているのは、温泉ファンとしては誠に残念である。唯一、網で作った屋根がある温泉プールだけはお湯が入っていて入浴できる状態だった。ここに入ろう!

 この温泉は、源泉の温度が41度しかなく、そこからお湯を引いているのでプールの温度も低い。温度計で計ったら38度だった。日本人には少しぬるいが、長く入ることができゆっくりくつろげる温泉である。みんなで30分ほど朝風呂を楽しんだ。 

 さぁ、今日はスラタニ県の4ヵ所の温泉を回らなければならない。次の温泉へGO!

タイ秘湯ツアー第4弾 その4







 小高い丘のガマンの湯

 ラッタナコサイ温泉、通称『国王の栄誉を称える温泉公園』で本日2回目の入浴を済ませ、最後に向かうは隣のキリラッタニコム郡のバーン・カオノイ村。バーン・カオノイとは『小高い丘の村』と言う意味である。地図で探すと、ラッタナコサイ温泉から西へ約70キロのプンドゥアン川沿いにある。時刻は午後3時を回った。明るいうちにホテルに戻れるだろうか?

 国道41号線をスラタニ市内に向かって戻り、国道41号線を左折して30分ほど走る。途中で村へ通じる道を右折して、川沿いの道に出た。その道をしばらく行くと、市場があった。市場には野菜や果物、海の魚、貝などがたくさん売られていた。
 「バーン・カオノイの温泉はどこですか?」
 魚屋のおばさんに訊くと、
 「この道を5キロほど行ったところよ」
 と教えてくれた。

 この温泉は、観光地図には載っていない。あまり有名な温泉ではないのだろう。と言うことは、多分入浴は無理だろう。まぁ、源泉だけでもいいか。そう考えていた。

 市場から5キロほど走ると道は緩やかな上り坂になり、右手に池がある公園が見えてきた。左手にはコンクリートの半円形の囲いがあり、その下は石をコンクリートで固めた池があった。これが温泉なのか?

 車を降りて、池に手を入れてみた。これが結構熱い。資料によると源泉の温度は53度、これでは入浴は無理だろう。でも、何とか入りたい。池のお湯は下へ流れていて、一番端には丸い湯船がある。そこは、源泉から少し離れているので多少温度は低くなっている。足を入れたが、かなり熱い。45~6度はありそうだ。全身で入れるだろうか。

 仲間にカメラを渡して、
 「入浴したらすぐにシャッターを切ってくれ」
 と頼んで、服を脱ぎ湯船に入った。

 う~~、熱い。早く撮ってくれ。手を合わせてガマンをしたが、5秒が限界だった。
あわてて風呂から出たら、身体が赤く火照っていた。こりゃ、罰ゲームの熱湯風呂だね。

 初日はこれで終了。3ヵ所を回ってすべて入浴した(2人だけ)。野球でいうと打率10割。これはスゴイ!! しかもすべて無料。スラタニはいいところだ。明日も楽しみだ。

 夕食は、街の屋台通りにある店に入った。そこで、ビールと野菜炒め、豆腐のスープを注文した。メインディッシュは、日本語が話せる女性が経営している寿司屋台のサバ寿司だ。彼女はたこ焼きの屋台も持っており、たこ焼きも注文したがたこが切れていて、たこなしのたこ焼きだった。サバ寿司や昆布の軍艦巻き、アナゴ寿司をたらふく食べた。

 同行の女性は、明日サムイ島へ日帰りで行くと言い出した。アクティブな女性だ。われら4人は、当初の予定通りスラタニの4ヵ所の秘湯を探す。

 さて、明日はどんな秘湯に入れるのか?

2009年1月19日月曜日

タイ秘湯ツアー第4弾 その3







 国王の栄誉を称える温泉公園

プッカオ温泉を後にして、われらタイ秘湯ツアー団は国道41号線を南下した。もう昼に近かったので、次の温泉へ行く前に腹ごしらえをしなければならない。国道沿いのスタンドの敷地内にある食堂でぶっ掛け飯をかきこんだ。

 ツアー初日の2ヵ所目は、観光地図にも載っているラッタナコサイ温泉だ。地図にも載っているので簡単に見つかると思っていたが、これが大誤算だった。観光地図には国道44号線付近に書かれていたが、何と5万分の1の地図には国道44号線が載っていない。かなり古い地図なのだろうか? 国防省は何をやっているんだ! こんなことで国を守れるのか? それとも44号線は秘密の軍用道路ですか。とりあえず41号線を南下して、プーピン郡とバーンナードゥーム郡の郡境にあるターサートーン村を探した。

 国道沿いの電気屋さんで地図を描いてもらったが、目印の工場が見つからずUターンを繰り返した。やっと村まで辿り着き、村人に何度もラッタナコサイ温泉の場所を訊ねた。そして、ついに温泉の写真入り看板を発見して何とか辿り着いた。そこは立派な公園で、表の看板には『国王の栄誉を称える温泉公園』とタイ語で書かれていた。これは由緒ある温泉公園だ。心して入らないといけないぞ!

 車で園内に入ったが、ゲートはなく入園料も請求されなかった。温泉を探しながら走って行くと行き止まりになった。車を止めてあたりを見渡すと、芝生の向こうに石で固めたプールが見えた。あれが温泉か?

 車から降りて温泉セットを持って近づいて行くと、やはりそれが温泉であった。プールは3段になっていて、上から下に流れるようになっている。チェンマイ大学の資料によると、源泉の温度は70度と記されている。これは期待できるぞ。

 1番上の四角いプールはかなり熱く入ることはできない。2段目の丸いプールも手を入れるのがやっとの状態だ。3段目の四角いプールは少し熱いが何とか入れそうだ。早速、服を脱いで足を入れてみた。初めは熱く感じたが、入ってしまえば我慢できる。う~ん、なかなかいい湯だ! 冷たいビールがあれば最高なんだけど、そんなもの公園にはない。

 またしてもみんなで騒いでいたら、ピクニックに来ていたタイ人たちが集まって来た。ひとりの少年が服の上からかけ湯をしていたが、大人たちは見ているだけで誰も入ろうとはしない。彼らにはこの温度(約43度)の温泉には入れないだろう。

 この公園にはバンガローや屋根付きのプールも造られているが、まだオープンしていない。近日中に開放されると思うが、タイのことだからいつになるか分からない。タイ人も利用している綺麗な公園なので秘湯というわけにはいかないが、温泉としては合格である。

 時刻は午後3時、もう1ヵ所回るとするか。

2009年1月18日日曜日

タイ秘湯ツアー第4弾 その2







 古代の湯 プッカオ温泉

 1月8日、スラタニのホテルを午前9時35分に出発した。まず初めに目指す所は、ずばりガソリンスタンドだ。タイのレンタカーはほとんどガソリンがゼロの状態で貸し出される。日本のように、満タン渡しの満タン返しではないのだ。最寄りのスタンドで給油をした。昨年、原油が高騰した時はどうなるのかと思っていたが、やっと高騰前の水準に戻った。でも、軽油がハイオクより高いとはどういうことだ!!!

 国道417号線から国道41号線へ入り北上する。乾季の空は快晴で、道は広く両脇には椰子林が続いている。海が近いせいか、北タイの山奥とは違い開放的な南国の風景を醸し出している。車は時速100キロで快調に走った。

 国道41号線からさらに海沿いの県道4112号線に出て、温泉があるカオ・ナムローン村に入った。道路沿いの民家で温泉の場所を訊ねる。場所はすぐに判ったが、入り口を通り過ぎてしまい、裏口から入った。1時間ほどで辿り着いた。やっぱり地図があると便利である。

 そこは、中央に池がある公園で、隅の方に小高い岩山があり木が生い茂っていた。山の中腹には祠がある。車を止めて石段を登ろうとしたら、看板があった。看板には『PHUKHAO NAMRON(プッカオ温泉)』と書かれていた。名称は違うが、ここに間違いない。初日の1ヵ所目から入浴できるとはラッキーだ。しかも入浴料はタダ。

 石段を登って行くと、2つの小さな洞窟があった。今では仏像が祭られているだけだが、かつてはそこに源泉があったらしい。現在は山の下に源泉があり、となりが温泉プールになっている。温度は45度とまぁまぁだが、何故か水が緑色に濁っている。水コケがついているのだろうか?まぁ、そんなことはどうでもいい、とりあえず入浴だ!

 温泉探しの時にはいちいち着替えるのが面倒なので、短パンの下に海パンをはいている。シャツと短パンを脱ぎ捨ててドボン。乾季は涼しいので温泉に入るにはもってこいの季節である。見た目は緑色で気味が悪いが、入ってしまえば気持ちがいい。仲間も次々に入浴した。われらがはしゃいでいると、近所の女の子がおばあちゃんと一緒にやって来て、水遊び(お湯遊び)をしていた。

 看板によるとこの温泉はマジック・ウォーターで、古代の宗教儀式に使われていたらしい。地面の中からお湯が湧き出るのだから、そもそも温泉とは神秘的なものなのだ。何かご利益があるかもしれないぞ!!

タイ秘湯ツアー第4弾 その1







 昨年は、タイ中部、北部へ3回の秘湯ツアーを行った。初めはカンチャナブリ、ラチャブリ県、第2弾はウタイタニ、ガンペンペット、ターク県、第3弾はランプーン、ランパーン、プレー県。その後は、インドへ苦行の旅に出てしまったので秘湯めぐりには行っていない。だが、新春の企画はすでに立ててあった。

 秘湯探しはチェンマイ大学の資料を基にして行っている。資料には、県・郡・村・温泉名が記されているのだが、市販の地図では郡までしか載っていない。いつも郡に入ってからが苦労する。1ヵ所を探すのに最低2~3時間はかかる。ひどい時には半日かけて1ヵ所ということもあった。これでは、時間とガソリンのロスである。そこで、タイ国防省へ出向いて5万分の1の地図を買った。地図上で温泉がある村を探し、目印を付けた。これで準備完了だ!!

 今回のツアーでは、タイ南部3県の温泉を調査する。バンコクから夜行列車でスラタニ(サムイ島への玄関口)へ行き、そこから例によってレンタカーを借りて秘湯めぐりをする。スラタニ、パンガー、クラビ3県にある15ヵ所を回り、ついでにピーピー島を観光してバンコクへ戻る計画を立てた。当初、男性4人で行く予定だったが、前日に女性がひとり飛び入り参加して5人になった。いよいよ新春特別企画の珍道中が始まる!!

 1月7日、バンコク・フォアランポーン駅17:05発のトラン行きの夜行寝台列車に乗り込んだ。今回は新春特別企画なので贅沢にもコンパートメントの1等寝台を予約した。これなら時間を気にせずにゆっくり飲んで騒ぐことができる。駅の外で買ってきた焼き鳥やから揚げをつまみに缶ビールで乾杯。同行の女性は2等寝台しか予約できなかったが、一緒にコンパートメントで酒を飲み、午後10時に自分のベッドに戻った。

 列車は、翌朝4時25分にスラタニ駅に着いた。まだ外は真っ暗だ。駅前の食堂でコーヒーを飲みながら、ホテル・レンタカーの情報を集めた。スラタニの街は駅から14キロのところにあり、そこまでバスが出ているのだが始発は6時半。そこで、ソンテオをチャーターして街に向かった。運転手の紹介で、一泊450Bのホテルにチャックインして9時まで休むことにした。

 その間私は、レンタカーの手配をして観光地図をチェックした。すると、スラタニ観光地図に3ヵ所も『HOT SPRING』の文字があった。スラタニでは7ヵ所の秘湯を探す予定だが、どんな所か全くわからない。でも、地図によればすでに3ヵ所は確定したことになる。地図に載っているということは多分入浴可能だろう。幸先のいいスタートだ、ラッキー!!

 ホテルのレストランで朝食を食べて、トヨタの5人乗りピックアップ・トラックに温泉セットを積み込んだ。運転は私が担当する。ナビゲーターは新井さん。少し眠いが気合を入れて、エンジンをかける。さぁ、秘湯ツアーの始まり、始まり!!