2009年7月9日木曜日

新しい釣り仲間 その3







 キャプテン・モッドの船はペンキを塗り替えて、ピカピカに輝いていた。モッドは、タイ人にしては珍しいほど几帳面で綺麗好きな男である。甲板にイカのスミが落ちるとすぐに海水で洗い流して、あっという間にタワシで磨いてしまう。タイ湾の釣りのポイントには詳しく、釣りの腕前も超一流。一番信頼できるキャプテンだ。

 みんな乗船すると、予想以上に綺麗で大きな船に満足していた。船は5時10分前に出港し、1時間ほど走って餌のイカを獲るポイントに到着した。まずはそこで小物を釣った。15~20センチほどのイトヨリダイ、プラデーン(イトヨリダイの仲間)など、暗くなるまで軽いウォーミングアップで釣りを楽しんだ。これらは、明日のご飯のおかずになる。

 午後7時、魚信(アタリ)がなくなったので竿を上げて、夕飯を食べた。おかずはオムレツとグリーンカレー。ちょっと少なかったので、釣り上げたイカを刺身にしてもらって一緒に食べた。食後は仮眠をして、深夜の大物つりに備えた。

 午後10時半、イカ漁が始まった。電灯で小魚を集めて、その小魚を狙って来たイカを網ですくうのである。これを2回やって11時半に出発し、1時間走って最初のポイントに着いた。みんなにセットした竿を渡して大物釣りをスタート。私はみんなのサポート役なので、みんなが見渡せるおおともの左側に座った。みんな一斉に2本針の仕掛にイカを付けて海に落とした。

「初めはなかなか釣れません。竿に魚信があっても早合わせしないでください。魚がイカを飲み込んで、竿先が大きく曲がったら合わせてください」

 初心者だからすぐには釣れないと思っていたら、何と5分も経たないうちにとなり人にヒット!!
「ゆっくり巻き上げてください。根魚は途中でダウンしますから」

 水面に上がってきたのは、60センチクラスのコロダイだった。
「釣れました、本日の第1号!! コロダイです」

 喜びもつかの間、左舷の人もヒット! 同じくコロダイ。2人とも続けざまに2匹目をヒットした。その後、数人の人にもヒットがあったが、私にはまったく魚信がない。困ったなぁ、今夜は魚に見放されたか! 魚種はコロダイを中心に、フエダイ、ムスジコショウダイ、岩サメ、エイ、ウツボなど。エイやウツボは外道だけれど、私には外道すらかからない。どうしたんだろう? 早くしないと夜が明けちゃうよ!!

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